米中は対決の時代へ、日本には何が起きるのか

鮮明に中国との対決姿勢を見せるトランプ新政権

2016.12.28(水) 古森 義久
ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」に星条旗を掲揚する乗組員。米海軍横須賀基地にて(資料写真、出所:米海軍)


 米国のドナルド・トランプ新政権が中国との対決を辞さない強固な政策をとり、米中対決の新時代を迎えることが確実となってきた。米中関係が険悪となると、当然ながら日本への影響も重大となる。

 トランプ氏は選挙戦期間中から中国に批判的な姿勢を貫いてきた。オバマ政権の対中姿勢に対しても軟弱に過ぎると非難し、自分が大統領となれば対決もいとわず中国を力で抑え込むという構えを示してきた。

 この対中強硬姿勢は、トランプ氏が大統領に当選してからさらに強くなった。中国側もその動きに対して激しい反発を示しており、米中関係はオバマ政権時代とまったく異なるせめぎ合いとなりそうだ。

新政権の強硬な対中政策を裏付ける根拠

 トランプ氏が中国に対して、オバマ政権とは正反対ともいえる強い抑止や封じ込め策を推し進めるという展望には、以下のような根拠がある。


(1)トランプ氏は選挙戦中から、中国に関するオバマ大統領の政策を「軟弱で宥和にすぎる」と非難してきた。中国の経済活動については「通貨レートを不当に操作し、貿易も不正に進めてきた」と糾弾し、中国製品に異常ともいえる高関税を課すことを提案した。

(つづく)

 

トランプ政権の命運を握る“超保守派”の懐刀

メディアを操り過激な政治主張を繰り出すバノン氏

2016.12.7(水) 古森 義久
次期米政権で要職のバノン氏「邪悪さ」を称賛 人種差別は否定

大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏の集会に姿を見せたスティーブ・バノン氏(2016年11月5日撮影)。(c)AFP/MANDEL NGAN 〔AFPBB News


 ドナルド・トランプ氏は米国の第45代大統領としてどのような施策を進めるのか? トランプ氏とその側近たちの文字通り一挙一動に、米国内だけでなく世界各国の注目が集まっている。

 そんな中、トランプ氏を補佐し、助言し、導いていくという点で最大の影響力を持つと目される人物がいる。つい最近トランプ次期政権における大統領付の首席戦略官に任命されたスティーブ・バノン氏である。


 この「首席戦略官」は、これまでのホワイトハウスにはなかったポジションだ。


 通常ならば、大統領の執務は首席補佐官が中心となって進める。トランプ氏はその首席補佐官に、共和党全国委員長を長い間務めてきたラインス・プリーバス氏を任命した。幅広いコネを持つ共和党主流の実務家タイプの人物である。


 同時にトランプ氏は、共に選挙を戦ってきた同志のバノン氏を、首席戦略官というユニークな肩書きで身近に置くことを発表した。

(つづく)


 

「韓国に謝れ」産経に圧力をかけていた日本の政治家

内なる敵がいた産経ソウル支局長起訴事件

2016.12.4(日) 古森 義久

韓国野党「弾劾しかない」=朴氏の任期短縮案拒否

韓国・ソウルの青瓦台(大統領府)で、国民へ向けた談話を発表する朴槿恵(パク・クネ)大統領(2016年11月29日撮影)。(c)AFP/JEON HEON-KYUN〔AFPBB News



 日韓関係を揺るがせた韓国地検による産経新聞支局長起訴事件は、韓国側の不当な言論弾圧だったことが明らかになっている。実はその事件の陰で、日本側の多数の政治家や元官僚が産経新聞に圧力をかけ、謝罪をさせることで解決を図ろうとしていた事実も明らかとなった。

 もしも産経新聞がこの圧力に屈していれば、韓国当局の弾圧を是認するに等しい結果を招いていたことは確実である。その弾圧の元凶だった朴槿恵(パク・クネ)大統領が弾劾されそうないま、報道機関に対する圧力の卑劣さ、日本の政治家や元官僚の小賢しさは改めて糾弾されるべきだろう。

言論・表現の自由を侵害する韓国側の弾圧

 産経新聞支局長起訴事件とは、2014年8月、当時の産経新聞ソウル支局長、加藤達也記者が朴大統領の動向について記事を書いたところ、韓国当局に名誉棄損と断じられ、起訴された事件を指す。


 加藤氏は出国禁止となり、事実上の軟禁状態となって、同年10月に名誉棄損罪で起訴された。

 日本の官民の抗議にもかかわらず、韓国側は翌年(2015年)に加藤氏を被告とする裁判を始め、2015年10月に検察側が懲役1年6カ月を求刑した。だが同年12月に裁判所は無罪の判決を下した。


 この間、日本政府はもちろん米国政府も、韓国側の措置が「言論や表現の自由への侵害」であるとして、懸念や抗議を表明した。日本ペンクラブや国際新聞編集者協会も「言論の自由を著しく傷つける措置」だとして批判した。国際的にみても韓国当局の加藤氏への弾圧は明らかに不当であった。

(つづく)

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