TBSの筑紫哲也氏の番組でアメリカ下院国際関係委員長のヘンリー・ハイド議員が「私は(小泉)首相の(靖国)神社参拝に強く反対しているわけではない(つまり反対ではない)」と明言しているのを聞きました。ワシントンでネットを使ってです。

 

この番組は6月29日の放映、ところが驚くべきことに、その英語の発言は正反対の意味に「誤訳」されていました。「なんと参拝jに強く反対だ」というふうに訳されていたのです。TBSはその後7月5日に「訂正」を流しました。

以上の経緯は産経新聞7月8日朝刊で「米下院議員の靖国発言 TBSが『誤訳』」という見出しで報じました。

 

しかし私が重視するのはハイド議員が「首相が靖国に行くべきではないと強く感じているわけではない」と明言し、小泉首相の参拝にあえて反対するわけではないと述べている事実です。朝日新聞など靖国攻撃派がアメリカの反応として金科玉条のように掲げてきた「ハイド議員の反対」が虚構だったことが判明したわけです。

 

「捏造」とも{ディスインフォーメーション」と非難されても仕方がないTBSの「誤訳」はこれまた重大ではあります。石原慎太郎都知事の韓国併合に関する発言を180度、ひっくり返して伝えた手口とそっくりの「政治的歪曲」をも思わせます。英語で I don’t feel--と語っている発言をだれが I feelーーという意味に間違って訳すでしょうか。

 

しかし繰り返すように、靖国論議に関しては、それ以上に重みがあるのはハイド議員の「反対」が事実ではなかったということです。

アメリカ、とくにワシントンでの靖国論議を取材し、報道してきた記者として、このTBSの報道は見過ごせないと感じ、以上を記す次第です。