スティーブ・クレモンス氏の中傷投稿文に対する抗議の投書をワシントン・ポストあてに8月30日に送ったところ、「250字に短縮して送り直してください」という要請がありました。その要請に応じて、翌8月31日に送った抗議文の日本語訳を以下に記します。これまでこの短縮投書は原文の英語版はここで紹介しましたが、日本語訳の紹介はまだでした。

 

以下が短縮版投書の日本語訳です。

 

 

ワシントン・ポスト編集長殿

 

 スティーブ・クレモンス氏は8月27日の貴紙への「日本の思想警察の台頭」と題する投稿で私の職業的誠実性に対する個人的攻撃を展開しており、その攻撃には基本の事実の間違いがあります。同氏の主張と正しい事実との対比は以下のとおりです。

 

 クレモンス=産経新聞と古森義久は「1930年代の軍国主義への復活を切望する極右活動家たちの暴力的なグループ」の一部である。

 事実=産経新聞は発行部数220万部の日本の主流全国紙の一つであり、産経も古森もそのような活動家たちとはなんのつながりもない。

 

 クレモンス=古森は「自分の言論が最近のテロ実行犯らを頻繁にあおることも、、彼らの(テロ)行動が彼の言論に恐怖を高めるパワーを与え、テロ実行犯らが議論を沈黙させることを支援していることも、意識している」。

 事実=クレモンス氏は言論人としての私が意図的にテロ行動を扇動していると主張しているが、裏づけをなにも示していない。また示せるはずがない。産経も私もテロ活動は常に糾弾し、反対してきた。産経は小泉首相の政敵の加藤紘一元自民党幹事長の実家が焼かれたとき、この放火を恥ずべき危険な行為として激しく非難する社説をすぐに掲げた。加藤氏は産経の論説陣にその社説への感謝の意を自ら表明した。

 

 クレモンス=古森は言論の自由を抑圧した。

 事実=私は日本の政府資金で運営される研究所が自国の政府の政策や指導者に関して、きわめて主観的な批判や歪曲の多い論文を英語で海外に継続的に発信していることを報じたにすぎない。私は言論の自由を強く支持する。その自由の中には政府資金運営の客観的立場をとるはずの政策研究所が自国政府の政策を攻撃していることを日本国民に伝えるという言論の自由も当然含まれる。私は自分のコラムではクレモンス氏の主張とは異なり、誰からの謝罪も、他のいかなる行動も要求はしていない。

 

2006年8月31日

            産経新聞ワシントン駐在編集特別委員
                             古森義久