エリス・クラウス氏の無意味な言葉

 

NBRにクレモンス氏による産経新聞と私への中傷に関連して、カリフォルニア大学サンディエゴ校教授のエリス・クラウス氏からの意見が載りました。

さすがに学者らしく、冒頭に「クレモンス氏の古森氏批判が正しいかどうかは知らないが」とか「古森氏の反論は正当かも知れないが」と慎重に注釈をつけています。

 

しかしクラウス氏の「意見」の本体はがっかりするほど非論理的で、無意味でした。

私が3年半ほど前に産経新聞で報じた国際交流基金(外務省の外郭組織)主催のセミナーの偏向についての記事が私の影響力が大きいことを示したから、今回のクレモンス事件でも、その影響力を「一要素」として考えるべきだ、とクラウス氏はいうのです。

私の報道記事に対応する形で日本の国会議員や外務大臣が一定の発言をしたからといって、そのことが記者の影響力の直接の帰結だというのは、科学的にも、論理的にも、なんの根拠もありません。報道の内容に重要性があったからでしょう。

安倍内閣発足の記事で大きな反響があったとき、「その記事を書いた記者の影響力が大きいからだ」と言えますか、クラウス先生。

あるいはアメリカ大統領のセックススキャンダルを報じた新聞記事が大きな反響を呼び、そのことを連邦議員が取り上げた場合、その記事を書いた記者の影響力が大きいからそうした反響が起きるのですか。そうではないでしょう。その記事の伝える「事実」のインパクトのせいでしょう。
 

クラウス氏は今回のクレモンス投稿が「古森は意図的にテロ行動をあおっている」と主張したことについても、なにも述べていません。クレモンス氏が「産経新聞と古森は1930年代の軍国主義への復活を切望する極右活動家の暴力的なグループの一部」だと断じていることにも、クラウス氏はなにも述べていません。

要するに今回の議論での肝心な諸点についてはなにも触れず、ことさら「古森は以前にこんな悪いことをしたから、今回も悪いに決まっている」とばかりの思わせを書いているだけです。

 

クラウスさん、以上が私の私自身に関する無意味な記述へのお答えです。