ニューヨーク・タイムズ9月30日付のOP-EDページのトップに私の書いた安倍晋三論の記事が掲載されました。いわゆる寄稿論文です。

内容は安倍氏がまず民主主義信奉と対米同盟堅持が特徴であり、「タカ派のナショナリスト」というレッテルだけで断じることは偏見だ、という骨子です。

 

社説では安倍政権に批判的なニューヨーク・タイムズとしてよくこの論文を掲載したものだ、といぶかる向きもあるでしょう。同紙の側にバランスをとるという意図もあるのでしょう。その方が新聞としての評価は高くなるかも知れません。まあ筆者としての私には先方の真の意図はよくはわかりませんけれど。

 

しかし一つだけとくに重要な事実はこの寄稿は先方、つまりニューヨーク・タイムズの側から私に執筆を依頼してきたということです。私の方が自分で勝手に書いて、投稿した、という経緯ではないのです。

「日本の新首相の安倍氏についてOP-EDページ用の記事を書いてくれますか。掲載は内容次第で最初から保証はできませんが」という連絡があったのです。私はそれに応じただけでした。
 

そして私が寄稿論文を送ったあとの先方の編集作業はきわめてフェアでした。こちらの書いたことの趣旨はすべて尊重し、変えないという前提で、内容を改めてチェックしていくという方法でした。そのプロセスは私と密接な協議をし、了解を得ながら、一文一文、確かめていくという、プロフェッショナルな対応でした。

変な誤解を避けるために、私のブログを読んだくださる方々にはこうした経緯をまず知らせておきたいと思いました。