ニューヨーク・タイムズ9月30日付のOP-EDページのトップに私の書いた安倍晋三論の記事が掲載されました。いわゆる寄稿論文です。
内容は安倍氏がまず民主主義信奉と対米同盟堅持が特徴であり、「タカ派のナショナリスト」というレッテルだけで断じることは偏見だ、という骨子です。
社説では安倍政権に批判的なニューヨーク・タイムズとしてよくこの論文を掲載したものだ、といぶかる向きもあるでしょう。同紙の側にバランスをとるという意図もあるのでしょう。その方が新聞としての評価は高くなるかも知れません。まあ筆者としての私には先方の真の意図はよくはわかりませんけれど。
しかし一つだけとくに重要な事実はこの寄稿は先方、つまりニューヨーク・タイムズの側から私に執筆を依頼してきたということです。私の方が自分で勝手に書いて、投稿した、という経緯ではないのです。
「日本の新首相の安倍氏についてOP-EDページ用の記事を書いてくれますか。掲載は内容次第で最初から保証はできませんが」という連絡があったのです。私はそれに応じただけでした。
そして私が寄稿論文を送ったあとの先方の編集作業はきわめてフェアでした。こちらの書いたことの趣旨はすべて尊重し、変えないという前提で、内容を改めてチェックしていくという方法でした。そのプロセスは私と密接な協議をし、了解を得ながら、一文一文、確かめていくという、プロフェッショナルな対応でした。
変な誤解を避けるために、私のブログを読んだくださる方々にはこうした経緯をまず知らせておきたいと思いました。
コメント
コメント一覧 (8)
このような背景があったのですね。記事にもあれば良かった。
きのう(9月30日)の緯度経度、山口記者の「安倍報道と仏メディア」で紹介されたフランスもひどいもの。
武器輸出のためなら、イラクを庇い、中国に擦り寄るフランスだが、あれでは、フランスの知的レベルが疑われます。
それにしてもニューヨークタイムズという新聞社はその主張は脇に置いておくとしても、我が国の某新聞とはスタンスが大きく異なるようですね。エントリーにあるような経緯は記事からは読み取れませんので大変参考になりました。
確かに執筆の経緯はどこかで紙面に出した方がよいのかも知れませんね。ただ自分としてあまり「先方から頼んできた」という式の言辞は自己顕示過多ともなりかねず、出しにくい側面があります。
フランスのマスコミは本当にひどいですね。これぞわが外務省に即時対応の責務があると思います。
先方からの依頼には、すぐに提出するという条件もあり、まる一日で書かねばならず、必死でした。原文をすぐ読んでくださり、ありがとうございます。
アメリカの特定の新聞社の内情を即断はできませんが、ほぼ各ページごと編集長がいて、独自の判断などがあるようです。ひょっとしてオーニシ記者の報道がオーニシふうだからこそ、こちらに執筆依頼があったのか知れませんね。証拠のない推測ですが。
主張しないとだめなんですね..国際社会では。
真実・事実が重要だと思うんですが...彼の国のように、先ず、主張があってそれから事実をでっち上げるようでは...国として情けない。国辱と考えます。
少なくとも健全たる日本人は、彼の国を悪しき見本とし、堂々と胸を張って主張を致しましょう。
例の下院でのとち狂った慰安婦?(=売春婦)の決議は没となるようですが...
古森様のご健闘を遥か離れた日本の地から支援しておりますので、頑張ってください。
日本の対外発信の重要性は安倍首相も強調しましたね。
個人レベルでの発信も大切でしょうが、国家として、政府としての発信がますます重要だと思います。
外務省、日本国際問題研究所、国際交流基金など国民の税金で運営されるその種の機関がこれまでは日本叩きの学者らを財政援助してきた軌跡が多々あるのです。