日ごろ私が考えている日本のあり方、とくに日本の安全保障や外交のあり方についての報告や意見をまとめた新著が出ました。ぜひとも日本のできるだけ多い方にアピールしたい内容の書です。自己宣伝ともなりますが、ここでその書の概略を紹介させてもらいます。
『凛とした日本』
まえがき(の冒頭)
「わが日本では長い年月、自分の国や民族への帰属を自然なこととして前向きに語ることを抑えられてきた。
『私は日本を愛します』
『私は日本を誇りに思う』
以上のようなことを表明するだけでも、これまでの日本ではなにか特殊で頑迷で危険な反動的人間のようにみなされがちだった。なにしろ『愛国心』を教育の指針としてはならないという思潮なのである。
しかし以上の記述の『日本』を『アメリカ合衆国』でも『中国』でも『韓国』でも、置き換えてみたらよい。アメリカでアメリカ人が自分の国を愛する、誇りに思う、というのは異常でも例外でもない。まして危険なことであるはずがない。ごく正常で普通のことなのである。中国でもいわずもがな。韓国ではおそらくその意識はもっと強いのではないか。ーーーーーーーーー以下、略」
目次
日本の『平和主義』と世界の現実
Ⅰ 中国には毅然と
2 「中国の軍事」から目をそらすな
3 中国「石油外交」の脅威
4 確信犯の偽造大国
5 「東アジア共同体」という妖怪
6 中国の軍拡に備えるアメリカ
7 インターネットは抑圧の道具か
8 橋本派瓦解で変わる対中外交
9 南京大虐殺がハリウッド映画に?
10 「日中戦争」は北京オリンピックの一年後
Ⅱ 東アジアへの構え
11 アメリカが北朝鮮を先制攻撃する日
12 北朝鮮の『悪魔のサイクル』を理解せよ
13 李登輝氏のアメリカ訪問
14 北朝鮮を支える五種類の犯罪行為
15 「家族会」のワシントン訪問
Ⅲ そして日本
16 ロンドン7・7テロ
17 米軍再編の最大のうねり
18 なぜ国連安保理常任理事国入りは失敗したのか
19 2006年、日本は「普通の国」になる
20 靖国参拝反対論は意外なほど少なかった
21 揺れる靖国問題、改めてアメリカ側の本音を聞く
以上
『凛とした日本』
まえがき(の冒頭)
「わが日本では長い年月、自分の国や民族への帰属を自然なこととして前向きに語ることを抑えられてきた。
『私は日本を愛します』
『私は日本を誇りに思う』
以上のようなことを表明するだけでも、これまでの日本ではなにか特殊で頑迷で危険な反動的人間のようにみなされがちだった。なにしろ『愛国心』を教育の指針としてはならないという思潮なのである。
しかし以上の記述の『日本』を『アメリカ合衆国』でも『中国』でも『韓国』でも、置き換えてみたらよい。アメリカでアメリカ人が自分の国を愛する、誇りに思う、というのは異常でも例外でもない。まして危険なことであるはずがない。ごく正常で普通のことなのである。中国でもいわずもがな。韓国ではおそらくその意識はもっと強いのではないか。ーーーーーーーーー以下、略」
目次
日本の『平和主義』と世界の現実
Ⅰ 中国には毅然と
2 「中国の軍事」から目をそらすな
3 中国「石油外交」の脅威
4 確信犯の偽造大国
5 「東アジア共同体」という妖怪
6 中国の軍拡に備えるアメリカ
7 インターネットは抑圧の道具か
8 橋本派瓦解で変わる対中外交
9 南京大虐殺がハリウッド映画に?
10 「日中戦争」は北京オリンピックの一年後
Ⅱ 東アジアへの構え
11 アメリカが北朝鮮を先制攻撃する日
12 北朝鮮の『悪魔のサイクル』を理解せよ
13 李登輝氏のアメリカ訪問
14 北朝鮮を支える五種類の犯罪行為
15 「家族会」のワシントン訪問
Ⅲ そして日本
16 ロンドン7・7テロ
17 米軍再編の最大のうねり
18 なぜ国連安保理常任理事国入りは失敗したのか
19 2006年、日本は「普通の国」になる
20 靖国参拝反対論は意外なほど少なかった
21 揺れる靖国問題、改めてアメリカ側の本音を聞く
以上
コメント
コメント一覧 (22)
外交崩壊の文庫本は内容の充実した良書で勉強になりました。
今度も又そうだと思います。 早速、本屋に買いに行きます。
国や民族への帰属意識の問題ですが、「自由」という言葉を勘違いしていたのだと思います。
誰からも、何者からも干渉されない事が、「自由」と理解した事が誤りだと思います。
自分の帰属している国や民族を大切に思ってこそ、他の国や民族を大切に思えるのだと思います。
そう考えると「自由」は帰属意識を持って、矛盾を感じない心のあり方を指すのだと思います。
帰属意識を捨て去らない心、誇りに思える心が、真の「自由」を実現できるのだと思います。
ありがとうございます。
「外交崩壊」は2年前に出た単行本の文庫化でしたが、「凛とした日本」は新しい本です。
「自由」と国家や民族への帰属意識の関連はきわめて重要なポイントだと思います。
ただし「自由」を突き詰めると、日本国民であることを止めてしまう自由も存在するわけです。だから日本人が日本国民であることは決して強制の結果ではないはずです。
Pledge of Allegiance のシーンを少しは流したらどうでしょうね。
自国を愛することと、時の政権を支持することとは、全く異なるわけです。にもかかわらず、改正教育基本法の「愛国」でまとまれない勢力がどういう連中なのか、タブーをおそれずに、内外で報道すべきでしょう。
日本人が愛国心を持ったら困るという、「日本人性悪説」が根底にあるのでしょうね。
小生、「愛国心」と言われると、こそばゆい気がしたものです。しかし、国家とは「祖先より相続した『世襲の生命体』」(オルテガ)という言葉を知ってから、国家とか歴史に関心を強めるようになって今日に至っています。
小生のつたない知識では、日本の歴史はすばらしく(戦後の風潮を除けば)、世界に誇れる歴史だと思っています。
ブッシュがイラク戦争を始めるとき、占領政策として「日本スタイル」と言う趣旨のことを言ったと思うのですが、この意味は何だったのだろうか?アメリカの日本占領政策のことだったように思えます。
しかし、そうではなく、日本の台湾、朝鮮半島の植民地政策のことを言っているのだったとしたら、・・・
日本の植民地政策は、前近代的国家(地域)を近代的国家(地域)に変質させたと言う意味ですごく画期的(革命的)なことだと思っています。世界に類例を見ないすばらしい行為であり、今日の非近代国家への格好の実例であると思います。搾取、残虐行為の支配だったと言うのは嘘で、プロパガンダであることが明らかになってきています。
とにかく。日本の真実の歴史を知ってもらわなければならないと思います。(嫉妬を伴うかもしれませんが)
早速、本屋さんにいくことにします。
愛国心については、ブログに書きましたので、ご高覧いただければ幸いです。
http://plaza.rakuten.co.jp/sponta/diary/200611150000/
http://plaza.rakuten.co.jp/sponta/diary/200611150001/
思うに、日本は、朝貢外交、元寇、鎖国、富国強兵など、他国に占領される不安を感じながら、なんとかひとつの国としてまとまってきた歴史だと感じています。その最たるものが、大政奉還ではないでしょうか。
※大東亜共栄権構想も、専守防衛の一貫であって、欧米の帝国主義とは異なる…。
だが、いまの日本は、先祖たちがけっして経験することのなかった占領を経験してしまい、昨今では、世界有数の経済国として、他国を占領することもけっして不可能ではない能力を持ってしまった。
そういうことが、いまの日本の迷いの源泉であり、それがゆえに愛国心を肯定しきれぬ。そういう気がしております。
私の愛国心が必要だという根拠は、
「スモールワールドとしての日本は、世界という母集団の中で有機的に活躍するモジュール(取扱い可能な集団の単位)として重要な意味を持っている」
外を感じてまとまるのが愛国心というのはアンシャンレジームだし、そういうものに捉われた論議が続いていることに落胆しております。
ありがとうございました。
ご指摘のように愛国心も中国人や韓国人が持つのは自然だが、日本人が持つのは危険だという二重基準、つまりは日本人への人種差別があるように思えます。
アメリカの左派の日本研究者らには、この思考が多いようです。
オルテガの言葉、知りませんでした。
でも日本の台湾統治はすばらしかったということ、統治された当事者たちが次世代に語り継いでいるのだから、客観的な事実だといえますね。
私も台湾へいくたびに日本人であることに快適な気分を覚えます。
ブログも拝読しました。
クローズアップ現代というのは、まともにみていると、気分が悪くなるくらい、ゆがんだ視点だとよく感じます。
今日、偶然書店でこの本を見かけて買ってきたところです。
まえがきを読むだけでも、中身に期待できそうなんで、楽しみにしています。
「愛国心」とは? 言葉で説明するのはなかなか大変です。
私の家では、祖父が生きていた頃は、祝日に玄関先に国旗を掲げていました。国旗の準備は私の仕事でしたが、それが当たり前だと思っていました。
幸い、学校でもおかしな左巻きの教師に遭遇する事も無く、月曜日の全校朝礼ではまたも国旗掲揚役をやっていたので、国旗や国歌に対する礼は自然に身につきました。
だから、現在の国旗・国歌に対する「馬鹿騒ぎ」が不思議でなりません。「そんなに日本が嫌いなら、日本国籍を捨てる自由もある」まさに仰る通りです。
でも、彼らは決して「日本」を捨てようとはしません。これは、在日韓国・朝鮮人にも言えますが、そろそろ我が国も「普通の国」に戻るべき時期に来てるんじゃないかと思います。
日本ほど国旗を掲げる頻度が低い国はまずないという指摘を外国人から何度も聞きましたが、いまベトナムの首都ハノイにきて、痛感しています。小さく貧しそうな家に軒並み国旗が掲げられているのです。APECという国際会議のために命令されて掲揚した家も多いでしょう。でも明らかにふだんから掲揚されているような感じの家も多いのです。
<国家とは「祖先より相続した『世襲の生命体』」(オルテガ)>
<オルテガの言葉、知りませんでした。>
てっきりオルテガの言葉だと思っていました。バークだったかもしれません。今後調べてみます。
中川八洋著「正統の憲法 バークの哲学」では(出典が示されれていませんが)この言葉が記載されています。
多分、私の混同したのだと思います。失礼しました。
古森様のブログを拝見するようになってまだ半年ほどですが、今日はじめて投稿させていただきます。いつも内外の反日勢力に対し怯まず凛として孤軍奮闘されている姿に真のジャーナリストの姿を見る思いで、心のなかで大きなエールを送っております。
今日たまたまチャンネル桜のオンデマンドで古森氏と金美齢女史との対談(金美齢とおいしい仲間たち)を拝見しました。嫌い、恨み、嫉妬の嫌日情緒論の金氏に対し、中共政府の反日政策論を強調する古森氏、両者とも恐らく正論であり、長年の豊かな経験と知識に裏付けられた主張はそれぞれ興味深いものでした。ちなみに私は金美齢女史の大ファンでもあり、櫻井よし子女史と並ぶ(台湾人ながらも)日本を代表する論客と敬愛しています。両氏とも実に凛としていますよね。
対談のなかで、古森様は、10年前と比べると少しずつではあるが着実に日本人は変わりつつあると仰っていますが、私もその一人です、この一年ほどで以前では考えられないほど別人のようになりました。もちろんリベラルから保守へです。きっかけはネットや各種保守論壇誌で知った中国における反日運動、反日プロパガンダ、軍拡、チベット問題、台湾問題で、その後海外のインターネットフォーラムで中国人の若者と話をした経験もこの危機感に拍車をかけました。また、日中戦争や第二次世界大戦(戦前、戦中、戦後)の歴史も積極的に勉強し、知れば知るほどいわゆる敗戦の呪縛から開放されつつある自分を感じ、と同時に日本国に対する愛国心と責任感も湧いてきました。うそのようですが本当の話です。すべてこの一年足らずの間に起こったことです。この私のような経験をもっと多くの日本人、特に若者が持ってくれることを今は切に願っています。
以上、オフトピックの話を長々と大変失礼いたしました。今後の古森様のご活躍を心からお祈りするとともに、陰ながら全力で応援しております。
「愛国心」は、人によって様々な表れ方があるものだと思います。「悪法も法である」として、逃亡を拒否して祖国の法に殉じたソクラテスの生き方もそうですし。
「愛国心など必要ない」という人に限って、決して日本を離れようとしない人が多いのも皮肉な現象ですね。言葉の上では国家を否定しながら、実際には国家に深く依存している人がいかに多いことか。
「愛国心」を否定する人びとは、あるいは自国の運命を自分たちでコントロールできているという自信がないからこういう態度をとるのかもしれません。実際、冷戦時代の日本は外交について真剣に考えてこなかったし、そしてそれでもやっていけたわけですから。
いやいや、単に私がそのオルテガの言葉を知らないだけで、あなたの引用が間違っていると示唆したわけではありません。念のため。
実は私もあなたと似た経緯でいまのような思考、認識を抱くにいたりました。ただし日本の外で暮らして、日本で積み重ねてきた日本観、世界観が現実とは異なること痛感していったのです。そのへんの精神の彷徨は「国の壊れる音を聴け」という本で詳しく書きました。
でも日本でも上記のギャップは立証できます。たとえば8月15日に靖国神社の至近にあるインド大使館で催される「
独立記念日」に集まってくるインドの人たちに「日本の第二次大戦での軍事行動はアジアへの侵略だったのですか」と聞くと、日本国民の間での比率よりずっと多い人がノーと答えるはずです。この答えが間違っていると断ずるのも一つの考えです。でもノーという答えがあるという事実を消すことはできません。
こんな実証的な体験を重ねていくと、どうしても日本の戦後の「常識」や「教育」を根幹から問い直すことになってしまいます。少なくとも私の場合はそうでした。
非常に興味ある、説得力の満ちたコメントを感謝します。
「自国の運命を自分たちでコントロール」というのがまさにこの種の課題のカギですね。
愛国心も自分たちが支配する国家への愛であれば、自分たちの意思と関係のない独裁国家への「愛」とは当然、違ってくると思います。
国を愛するという基本的な純粋な想いを持たない人は、自分をも他人をも愛せないでしょう。
今、この国に欠けているのはそういう基本的な人間としての核を少しでも取り戻したい、という想いからのように感じます。
物事を捻くれて考えることは幾らでもできます。やがてそういう想いを抱いている人自信が捻くれてしまう危険があるでしょう。
ここは健全な前向きな姿勢をとりたいものです。
なるほど、わかりました。
ありがとうございます。
著書拝読しました。家族会の辺りで涙が出てしまいました。
横田早紀江さんだけじゃなく、ハンミちゃん一家を含めきちんと記事にされていて、他のメディアや本とは全く違いますね。
古森さんや奥さんのご苦労に感謝します。一人の日本人として。ありがとうございます。
ありがとうございます。
おかげさまで「凛とした日本」は発売されてすぐに増刷となりました。著者としてできるだけ多くの日本人に読んでもらいたいと願っています。