ニューヨーク・タイムズ東京支局長ノリミツ・オオニシ記者が月日付同紙に「日本の右翼が北朝鮮拉致への怒りを煽る」という見出しの東京発の記事を載せています。
その要旨は記事の中の以下の記述に総括されている感じがします。

「(北朝鮮による日本国民の)拉致問題というのは、北朝鮮指導者の金正日氏が4年前に、その犯罪が起きたことを認め、拉致された生存者5人を日本に返したあとは、日本の外では、もうずっと以前に終わってしまったと言える。しかし日本国内では拉致問題はまだ民族主義的な政治家や組織によって彼らの念願の目標である消極平和主義の憲法の破棄や愛国心や道徳の学校教育への導入と同じように、連打されることによって、なお燃えさかる問題として、保たれている」

つまり拉致問題はもう本来は終わったのに、日本国内ではナショナリストたちにより改憲などの政治目的のために、政治的、人工的に利用され、煽られている、というのです。
オオニシ記者の記事は長文で、拉致の解決を求める団体や政治家はみな「右翼」だと断じて、拉致解決の運動もみな反北朝鮮の政治活動だとも断じています。日本国民多数の生命を憂う日本国民の人道的な懸念を一切、認めず、みな「右翼の政治活動」と片づけるのです。
もしアメリカ人やカナダ人の若い男女がキューバ政府工作員に拉致され、消息不明となっていたら、どうでしょうか。アメリカは国家を総動員して、その救出に全力を投入するでしょう。
アメリカ政府は朝鮮戦争でも、ベトナム戦争でも行方不明となった自国の将兵の捜索や消息の探索には、他の外交案件すべてを凍結しても、必死になって、取り組んできました。死亡が確認するまでは生存という扱いで、対処するのです。
であるのに、オオニシ記者は日本国民に同胞の安否を気遣うことさえ、認めず、その気遣いを「右翼の政治的操作」と決めつけるのです。日本国民への誹謗のようにも響きます。アメリカ人やカナダ人なら当然することを日本人がすると、「右翼の政治活動」と断じるのですから、民族や人種への偏見までも感じさせます。

なおこの問題記事の概要は20日付けの産経新聞朝刊にも山本秀也記者の記事として掲載されています。