若宮コラムの批判はこのブログでも数回にわたり展開してきましたが、その集大成がこの『諸君!』論文だともいえます。
論文のタイトルは以下のようです。
「若宮啓文朝日論説主幹の毀れた『風向計』」
このタイトルは私ではなく、『諸君!』編集部がつけたのですが、若宮氏のコラムの「風考計」という題をもじったのでしょう。私のこの論文は同誌では「言論人の品格を問う」という特集の一部になっています。
この論文の冒頭は以下のとおりです。
日本も小泉政権から安倍政権にかけてのこの数年、やっと戦後のハンディキャップ国家を脱却して、普通の民主主義国家へと着実に歩み始めた。「普通の国家」とは世界の他の諸国並みの国家という意味である。他の主権国家と同じ要件を満たすようになる、ということだ。とくに安全保障の面で国際社会での特異や異端の存在から他と同じ普通の存在になるということである。自国にとっての脅威があれば、それに備える安全保障上の措置をとる、とれなくても、少なくとも、とることに努める、ということでもある。そのための法律や制度を備えることが当然の前提となる。
北朝鮮が核兵器を開発し、爆発させ、ミサイルを乱射し、中国が大規模な軍拡を続け、日本領海に潜水艦を侵入させてくれば、日本という国の安全を保つために、なんらかの対応策を考える、というのが「普通の国」の安全保障政策の最少要件だといえる。国際的にみて、ごく普通で自然なことである。
しかし日本をそもそも潜在的、顕在的に敵視する中国のような存在の視点からは、日本の「普通の国」志向も「危険な軍国主義復活」となる。日本側の一部勢力も同様にみる。日本は普通の国になってはならず、いつまでも他者依存、しかも自国の存亡に関して幻のような「他国の善意」に頼るという例外的な存在に留まらねばならない、と主張する。
この一部勢力にかかると、「普通の民主主義国家」になる道の前進も、戦前の危険な軍国主義や侵略への復帰と断じられてしまう。日本を普通の国にしようと唱える人間さえも、危険なテロリスト扱いされてしまう。普通の国への前進を提案する言論も、他の言論への弾圧というレッテルを貼られてしまう。こんな非民主的な思想警察の役割を演じる勢力の代表が朝日新聞である。
この朝日新聞の詐術的なレトリックの虚構や虚偽をあばいてみよう。朝日新聞ではその言論を代表する若宮啓文論説主幹の種々の主張が検証の対象としてはもっともふさわしいだろう。その種の「虚」のレトリックの象徴例に満ちたコラム類を一貫して書いているからだ。
論文の最後は以下のように結んでいます。
以上、朝日新聞の主張を若宮啓文論説主幹の言論を例にとって考察してきた。その特徴を「論敵の悪魔化」「現実の無視」「論理の欠落」「日本という概念の忌避」という四つにわけて、指摘してきた。
これらの特徴のなかでもとくに第四の「日本という概念の忌避」は重要に思われる。なあんだ、朝日新聞はけっきょくは日本という概念が嫌いなのだとわかれば、あとの特徴はすべて簡単明快に説明がつくからである。
コメント
コメント一覧 (27)
韓国・北朝鮮、中国などから、頻繁に歴史問題を出され、日本の国の国会議員まで一緒になって、なにより学校で 読みなさいと推奨される新聞や、茶の間テレビにまで「日本人が大陸で、アウシュビッツのような大量殺戮をした」などと それが映画化され 今年は本も米国や中国で上映される。>という話を見聞きして、将来に希望が見つけれたり、周辺の大人達や、先祖の祭司も 信じて敬い感謝の祈念は捧げません。もう誤魔化しは辞めた方が良いのです!
では、 従軍慰安婦を、 大陸・中国の現代の若者や、 米国を始め、遊牧民族の国家の人々に、どのように勘違いされて受け取られてるのか?
これは重要な問題です。人間は身近な経験や 自国の文学・書物から、想像し、考えるのです。
遊牧民族や 奴隷制度の有った国々と 日本は違い、奴隷など所有してた歴史すらありません。売春婦にされた韓国の女性を、騙したり売買していたのは、皇軍では無いし、民間の女衒という 韓国人の「男が多かった事もはっきりとした方が良い。又 ヴェトナム戦争での 韓国兵士の強姦、障害、虐殺も問題にするべきです。
日本人兵士が 戦時中に利用していたのは、売春宿{ピー屋」と呼ばれる場所で、 休暇になると遊びに出かけて 金銭を支払い、酒食も伴う形で利用していた。奴隷は一度所有者になると主人は無料で金銭等支払わない。 売春婦は、ちゃんと出来高払いで金銭授受があり、奉公に来た時は借金があっても、(騙されて置屋に売られようと女衒に騙されて親の借金より高額で売られようと、 その借りたお金を返し、自由を得ても、辞めないで、置屋で場所代を支払い、故郷へ帰ってからの商売や嫁入りの元手を作る者が多かった。
事実、宮尾登美子氏の著書におると、当時の官吏の給料より高額だったと記されてる。宮尾氏は高知県出身で、実家が売春置屋業を営んでいたので、当時の通貨の勘定等も、正確に小説に書き残されてる。
「従軍慰安婦など居なかった」とはっきり宣言するべきだし、 戦後も長く有った「赤線」と言う公娼制度と置屋の商売手法を、間違ってとり売春婦という、公娼と公娼の商売をする店が 大日本帝国陸軍所属の性奴隷者で 性奴隷の管理室など備えて無かった事をはっきり証明するべきです。書類など何処を探しても見つからないし、生存者の旧日本兵だった爺さん達に問いあわせても、否定された。
単なる売春婦を(Sex・Slave)と性奴隷と勘違いしてるから、始末が悪い。
売春婦は欧米では公的に認められていて合法的に商売して、ちゃんと税金も納めている市民で、職業が夜の性的サービスというのに過ぎないし普通の市民と代わらないのです。買い物も自由に出かけれるし、休みも自分の裁量で決めれる自由サービス業です。
ところが従軍慰安婦を(Sex・Slave)と翻訳すると、本当に金銭で売買され、一生涯を奴隷として牛馬のように主人のために奉仕するし、主人の子供を妊娠し出産しても、その子供は決して自由市民にはなれないで、主人の所有物として売買の対象になる。だから主人は金儲けのために黒人奴隷女を暇さえ有れば
妊娠させて子供を孕ませ生ませて、利殖に励んだ。
日本兵は中国の戦場を、性奴隷という牛馬同然の女の集団を引き連れて、移動してたとか、兵営内でそういう性奴隷用の飼育小屋を設営して、軍隊で主計課が管理して、兵士からお給料を巻き上げていたなどと言う事実は無いのです。
「従軍慰安婦など居なかった」とはっきり宣言するべきだし、 戦後も長く有った「赤線」と言う公娼制度と置屋の商売手法を、間違ってとり売春婦という、公娼と公娼の商売をする店が 大日本帝国陸軍所属の性奴隷者で 性奴隷の管理室など備えて無かった事をはっきり証明するべきです。書類など何処を探しても見つからないし、生存者の旧日本兵だった爺さん達に問いあわせても、否定された。
今は街の中で夜にならなくても、 数人が 客を待ち、女の方から声をかけて金額が合えばホテルへ行くと言う、街娼行為を普通に見られるそうで、6チャンエルで夕方のテレビで放映する時代です。2月1日、2日、連続で放映してました。
欧州のように、「飾り窓」で商売して、税金を納めて、身体もちゃんと検査し性病の無い、プロ女性として認定された商品が好みで選べる方が、男性も良いだろうし、売春行為などしない大多数の健康な女性に性病を移す危険も無くなる。
従軍慰安婦=性奴隷(Sex・Slave)と言う意味と取り違えの説明をする事とは日本人にも大事です。売春など援助交際と名前を変えて今では小学生も中学生も普通の日常行為ですよ。謝罪外交でお茶を濁されたり、身体の下半身部分に対しての説明を大の大人の経験者が照れたり顔を赤らめるような事では無い。
政治家ならもう不名誉な誹謗・妄言ははっきり国際社会を相手にして論陣を命をかけて弁じなければ政治家など辞めるべきです。
ご懸念の趣旨はよくわかります。
アメリカ議会での「慰安婦」非難決議に対しては日本政府としての正面からの反論が必要でしょうね。安倍政権がその方向に動いている兆しもあるようです。
おっしゃる通りだと思います。
日本も小泉政権から安倍政権にかけて、やっと「普通の民主主義国家」へ歩み始めたように思います。
いつも朝日新聞を始めとする左翼系の人達の主張を聞いて、不思議に思う事があります。
彼らはしばしば「いつか来た道」とか「軍国主義復活」というのですが、日本が自然にそう「なる」訳ではなく、国民がそう「する」訳です。
しかしながら、誰がそう「する」のでしょうか。
古森さんは「普通の国になれ」と言っておられますが、決して「軍国主事国家になれ」と言っておられる訳ではないと思います。
私も同じような意見です。
このグログにコメントされる方も、決して日本の軍国主事化を望んでおられないだろうと思います。
誰が日本の軍国主事化を望んでいるのでしょうか。
一方、左翼系の人達も、多分、日本が「軍国主事化する事」は望んでいないように思われます。
しかし彼らの主張は、自分達は大丈夫だけれど「他の日本人は判断力がない、信頼できない、軍国主義化するかも知れない」と考えているようです。「自分は大丈夫だけど、他の人は信頼出来ない」というのは、なんと思い上がった考え方だろうか、と思います。
或いは、軍国主義化する国民ではない事を分かっていても、中国の口車に乗って、阿るために、そういう主張をしているのでしょうか。
或いは日本を「普通の国にする」事自体が嫌い、なのでしょうか。
(最近、古森さんが書かれた「朝日新聞の大研究」を読みましたが、大変参考になりました)
冒頭の一文だけでも期待感が持てます。
諸君を読んでみます。
ネット右翼と言う勘違いして言っている人々がおりますが、事実を素直且つ正確に見れば日本人は言わなくてはいけない事まで遠慮しすぎです。
古森義久さん大変とは思いますが、誤解を解くため今後も中立の報道を期待いたします。
余談ですが、サンケイ新聞・iza等の英語版は発行されないのでしょうか?
日本を軍国主義の国にしたいと願っている日本国民など、まず存在しないですよね。
それを存在するかのごとくに書く。自分と異なる意見の相手を悪魔として描く。もちろん実在しない悪魔です。これが朝日新聞の「悪魔化」手法です。
こんどの若宮氏批判の論文に同氏のコラムの第一の特徴としてあげました。
ご関心、ありがとうございます。
英語での発信の必要性はご指摘のとおりですね。
ただし在日アメリカ大使館の翻訳部では毎日、多数の日本の報道、論評を英訳して本国の関係者に流しています。日本側としてはもちろんそれに依存はできません。
日本側にも政府機関から出る「Japan Echo」などの英文出版物があります。そこに日本の国内雑誌の主要論文の英訳が掲載されています。ただしどの論文を選ぶか、選択する人が左傾という場合もあります。対外発信の最大当事者はやはり日本国民全体を代表する日本政府とその関連機関であるべきようにも思えます。日本側の民間での個々の発信ももちろん重要です。
産経新聞やイザの英語版の発行はその予定はないようです。
私人、言論人としての若宮氏を区別しておられる書き出しも好感を持った次第です。
若宮氏をトップとする朝日の一連の論評は、産経の某記者が評して曰く「家の芸風」みたいなものですから、最初からその気持ちで読めば別段腹を立てる気持ちにはなりません。「おっ、今日の踊りはのりがいいな」「見栄を切ったつもりだろうが、手足がばらばらだな」ってな感じです。その「家の芸」を支えてきた若宮氏が、第一線から退くのでしょうが、惜しい気もいたします(笑)。
若宮氏の竹島と韓国に関する評論を読むと、
"The Sadomasochistic Relationship Between Fanatics and American Liberals"
(http://www.orgonomy.org/article_terrorism_responding_harman.html)
を思い出してしまいます。
若宮氏の評論に先の戦争の贖罪意識が加味したリベラル特有のマゾヒズムを感じた次第です。おそらく、彼の「夢」にはその、深層心理、性癖が反映しているのだと思います。
サドとマゾへの喩えは、おもしろいですね。
若宮氏の評論にマゾヒズムを感じるというご指摘もうなずけますが、その内向き姿勢に加えて、自分と異なる意見の持ち主を悪者(たとえば軍国主義切望人間)扱いする点は攻撃性の強い志向だと感じます。
原文
http://www.exordio.com/1939-1945/codex/Documentos/report-49-USA-orig.html
翻訳済み
http://www.geocities.com/theaterapo689/
翻訳
http://www.geocities.com/theaterapo689/
2月2日の貴紙・正論で、作家・深田祐介氏は、「なんのことはない、15年戦争は日本の軍閥ではなく、ソ連と中国の共産主義者の陰謀であり、世間知らずの日本は15年にわたって共産主義者の手のひらで踊っていただけの話だったのだ」と記されています。
私は、深田氏の根拠になった原典にあたっていませんが、そのように指摘されてしまうと、戦前の歴史のすべてが納得できる気がします。
もし、深田氏の説が真実ならば、左翼言論人たちの立ち位置は大きく変わっていくのではないでしょうか。
☆
他国を支配・統治するために、ポルトガル・スペインはキリスト教を使い、イギリスは中国でアヘンを使った。そして、かつての枢軸国は、思想をつかった…。
などと、世界史を読み取ることもできるのではないかと思っております。
VENONA文書で、ルーズベルト大統領の補佐官であった、ロークリン・カリーはソ連のスパイであったこと、フライングタイガーを組織して、蒋介石に肩入れするとともに、真珠湾攻撃より遙か前に、日本を空爆する計画があったことが明らかになっています。
パットブキャナンは米国は、間違って日本とドイツと戦争してしまったとさ言っています。
英文レポート、読ませていただきました。
このレポートについては断片的に知っていましたが、全文を原文で読むのは初めてでした。とても貴重だと思いました。
深田祐介氏の論文は私も拝読しました。
歴史の重要な真実の一端だと思います。
日本側としてはこういう史実を指摘し続けることは不可欠でしょう。
しかしその一方、共産主義者の陰謀だけで戦争が起きたわけではないことも史実といえるので、日本国として対外的に、その陰謀をいま強調しても、外交的にはあまり得ることはないように思えます。
その一方、日本国内での議論で、戦争はすべて日本が悪いからだという左翼の論者に対しては、こういう共産主義者の陰謀についての事実を突きつけることも必要だと思います。
ネットでも少し話題になった中日新聞の社説も改憲に反対しない人は無気力だとか酷いもんですが、若宮氏にしろ、世の中には自分とは違う価値観を持つ人がいるということがわからないのかな
自分と異なる意見の持ち主は「無気力」だなどという主張は、若宮氏の「論敵の悪魔化」と同じですね。
自分の言論への反対の言論は言論とみなさないという傲慢な感情だといえましょう。
おっしゃるとおりで、激しく同意いたします。
日本では、柳沢大臣の言葉尻をとりあげて、女性出産機械説を野党がでっちあげました。
その前は、本間税調会長が不倫問題で更迭されました。
そのような言論の本質と違うやり方で相手の発言権を奪うやり方は卑劣ですが、それを批判するものたちは、同じ手法を使ってはならぬということですよね。
ありがとうございました。
日本人意識の否定、日本国家の否定という戦後の傾向は、敗戦に始まり、教育、マルクス主義、媚中、アメリカ依存などなど、多様な要因からの現象でしょうね。
しかし中国でも韓国でも、国民として、国家として、ごく当然とされることを日本がすると、「軍国主義」とレッテルを貼られ、日本国内でも同じ叫びをあげる勢力に日本全体が動かされる、という状況はもうそろそろ終わりという感じがします。
↓おぬし自身のことを自信ありげに自身に向けて論じて?いる感じですな。
>「バカの篭り堂の内部」のような感情ですね、一般的には「ナイーブ(naïve)」とでも表現するのでしょうか<
日本を愛することができなくて、日本人と言えますかな。
どんな論よりも、そのことが先決ではないですかな。
ならず者国家が厳として存在している限り、その現実を直視することこそ、平和を愛する者の姿勢・責任ではないですかな。
「平和を!平和を!」と叫ぶ偽りの平和論を、烏合の衆宜しく付和雷同する者の言い分には、組みできませんな。
諸君、拝読しました。
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どうもありがとうございます。