米国下院外交委員会の共和党側筆頭メンバー、イリアナ・ロスレイティネン議員がこのほどライス国務長官に書簡を送り、日本が要請する北朝鮮の「テロ支援国家」指定の継続などを強く申し入れました。

この動きはすでに産経新聞1月27日朝刊で報道されています。同議員のライス国務長官あてに書簡は日本がインド洋での給油活動を再開したことへの感謝の意の表明が主ですが、それと引き換えにアメリカが拉致問題で日本に全面協力することを求めています。その協力は当然、北朝鮮の「テロ支援国家」指定を続け、その解除をしないことで、日本側への連帯を示すことをも含んでいます。

ロスレイティネン議員は昨年11月、日本から平沼赳夫議員らがワシントンを訪問した際、その合同訪米団が真っ先に面会して、日本側の要望のすべてを強く訴えた相手なのです。その同じ議員が平沼訪米団の要望どおりの拉致問題での協力をブッシュ政権に求めたということは、平沼訪米団の必死の要請が米側議員に届き、その要請が行政府であるブッシュ政権の中枢にまで届いた、ということでしょう。

ここにそのロスレイティネン議員の書簡全文があるので、その重要部分を紹介しましょう。平沼訪米団の要望が明確に浮かびあがってきます。

「日本の政府や与党が努力してくれた結果、日本の海上自衛隊の艦隊がインド洋にもどって、給油活動を再開したが、これに対し、われわれは日本の政府と国民に対し、謝意の最も深い表明をする必要がある」

「われわれが日本側のその善意に報いる特別な方法は日本の政府と国民にとってきわめて重要な外交問題に対しアメリカ側が最大の考慮を与えることだ。北朝鮮政権の敵対的な行動は日本のある学者が述べたように、『日本のキューバ・ミサイル危機』に等しい」

「日本にとっての北朝鮮政権との枢要な未解決案件は日本人の拉致被害者の運命に関する問題だ。日本にとっては北朝鮮政府からこのテロリズム行為の不運な犠牲者たちに起きたことの完全かつ透明な説明を受けることが致命的に重要である。それを受けたときのみ、被害者家族や日本国民一般はこの拉致事件に対し、終結という受け止め方をすることができる。われわれアメリカ側は友好的な同盟相手に対し、その拉致被害者たちを支援する努力に対し誠意と活力にあふれた援助を続ける責務がある」

「私が懸念するのは、アメリカが北朝鮮の核問題を解決する目的の六カ国協議の一部として、完璧でもない取引を実行するために、拉致被害者やその他の人権問題への懸念を放棄してしまうことだ」

「アメリカはテロに対する闘争への誓約を改めて実行する誠意のある同盟国を裏切るような合意に署名することはできない」

さあ、こうみてくると、このロスレイティネン議員のライス長官への要望は、そっくりそのまま北朝鮮問題での日本側合同訪米団の意向を率直に表明しているに過ぎない、という感じになってくる。日本側の平沼訪米団の強い要請や講義をそのまま素直に聞いて、その内容をライス国務長官にそのまま伝達したように思えてくる。つまりは平沼訪米団の効果がそれほど広まった、ということだろう。


給油感謝「拉致」支援を 米共和党議員 国務長官に書簡
2008年01月27日 産経新聞 東京朝刊 国際面

 【ワシントン=有元隆志】米下院外交委員会のロスレイティネン共和党筆頭理事は25日までに、ライス国務長官に書簡を送り、海上自衛隊のインド洋での給油活動の再開を称賛するとともに、米国として日本人拉致事件の解決に、「積極的な支援」を行うよう求めた。

 書簡は23日付で、日本政府が昨年11月に失効したテロ対策特別措置法に代わり、新テロ対策特別措置法を57年ぶりとなる衆院再議決で成立させたことを「驚くべき努力」と、高く評価した。

 そのうえで、「給油活動再開に対し感謝を示す特別な方法は、日本が重要と位置づける政策に最大限の配慮を示すことだ」と指摘。拉致事件などの解決を目指し、米国として支援する必要性を訴えた。

 同議員は核問題をめぐる6カ国協議の進展に向けて、「完ぺきではない合意」のために、拉致や人権問題が置き去りにされることへの懸念を表明。日本や新政権が発足する韓国という同盟国を、「裏切るような合意を結ぶことは望まない」と強調した。

 同議員は昨年11月、訪米した拉致被害者家族会や拉致議連(平沼赳夫団長)などの合同訪米団と面会した。今回書簡を送ったのも、拉致事件の解決への協力を求めた訪米団の働きかけが影響しているものとみられる