アメリカの大統領選挙では予想外の展開が続いています。
共和党側でのジョン・マケイン候補の躍進もその一つでしょう。
すでに大々的に報道されたように、フロリダ州で圧勝しました。
つい最近まで、大統領選レースからの撤退までがウワサされたマケイン候補がいまや
共和党側の先頭走者と呼べるところまで進出したのです。
マケイン候補は長年、上院議員として安全保障や外交戦略の諸課題に積極的に取り組んできたベテラン政治家ですが、日本との同盟関係を重視する声明をなんども発表してきました。今回の大統領選に立つに際し、みずからの外交政策に関する論文を改めて大手外交雑誌の『フォーリン・アフェアーズ』に寄稿しています。
その論文で目立つのは、日本との関係の重視です。日米同盟の米国にとっての重要性を説き、その強化を提唱しています。この点はヒラリー・クリントン候補の外交政策論文での日本の軽視、日米同盟の無視とは鮮やかなコントラストを描いています。マケイン候補はしかも日本が「普通の国」になることをも支持しています。
マケイン候補はこの寄稿論文で「アジア太平洋の世紀の形成」という項を設け、まっさきに日本の民主主義推進の実績を挙げています。具体的には「日本の前首相はアジア全体に広がる『自由と繁栄の弧』について語った」と述べて、安倍晋三首相の政策を称賛するとともに、北朝鮮問題では「日本国民の拉致」の解決の重要性をも強調していました。
共和党側でのジョン・マケイン候補の躍進もその一つでしょう。
すでに大々的に報道されたように、フロリダ州で圧勝しました。
つい最近まで、大統領選レースからの撤退までがウワサされたマケイン候補がいまや
共和党側の先頭走者と呼べるところまで進出したのです。
U.S. Senator John McCain - Arizona
マケイン候補は長年、上院議員として安全保障や外交戦略の諸課題に積極的に取り組んできたベテラン政治家ですが、日本との同盟関係を重視する声明をなんども発表してきました。今回の大統領選に立つに際し、みずからの外交政策に関する論文を改めて大手外交雑誌の『フォーリン・アフェアーズ』に寄稿しています。
その論文で目立つのは、日本との関係の重視です。日米同盟の米国にとっての重要性を説き、その強化を提唱しています。この点はヒラリー・クリントン候補の外交政策論文での日本の軽視、日米同盟の無視とは鮮やかなコントラストを描いています。マケイン候補はしかも日本が「普通の国」になることをも支持しています。
マケイン候補はこの寄稿論文で「アジア太平洋の世紀の形成」という項を設け、まっさきに日本の民主主義推進の実績を挙げています。具体的には「日本の前首相はアジア全体に広がる『自由と繁栄の弧』について語った」と述べて、安倍晋三首相の政策を称賛するとともに、北朝鮮問題では「日本国民の拉致」の解決の重要性をも強調していました。
マケイン候補はさらに変化するアジアでの挑戦への対応のカギはアメリカと同盟国との協力強化だと強調し、ここでもまた第一に日本を挙げ、次のように述べていました。
「私は日本のグローバル・パワーとしての登場と国際的リーダーシップを歓迎し、日本の礼賛すべき『価値観外交』を激励し、国連安保理常任理事国入りへの努力を支持する」
言葉どおりに読めば、正面からの日本重視、日米同盟尊重の姿勢だといえるでしょう。
なおマケイン候補をはじめアメリカ大統領選に立つ各主要候補たちが日本についてなにを述べているか、いないか、下記のリンクも参照してください。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/67/
コメント
コメント一覧 (24)
「マケインさんの写真、もっと小さくしましょう。フレーム壊れています(T^T)」
Clintonさんもつい最近「日本を軽視はしていない」ってなこと発表したようですが、大統領選本戦を意識したものかも知れませんね。事にマケインさんとはぶつかるでしょうね。
今後問題になってくるのはマケインさんの経済政策ではないでしょうか。外交や人物像では(年齢を除いて)文句のないマケインさん。ただし、経済政策では未知数な点が厳しいかも知れませんね。
特にIraq問題については「解決策に一番近くにいる」人かも知れませんね。それと、中東和平についても「比較的公平(Israelには厳しい人)」かも知れません。
さて、民主党はエドワーズさんがretireしたとか。エドワーズさんは誰を支持することになるのでしょう?(Clintonさんは支持欲しいでしょうけど)
助言、ありがとうございます。
こんな程度でよいでしょうか。
さを証明してしまった。
なんとも恥ずかしい限りです。
それにしても米国という国は、思わぬ時にその魅力を世界に輝かせます。
オバマ氏の大躍進と言い、日本にはないdynamismです。
私たちは当然、マケイン氏の当選を望むものです。
ちょっと気になるのは「自由と繁栄の孤」は概念なんですよねぇ。
麻生氏の著書も読んだんですが、思い違いすると失望するけどなあ。(笑
あの内容であの値段はちょっとムッとしたもん。(笑
価値観外交だから、そういう意味ですよ~...と国民は知るべし。(笑
マケイン議員の日米同盟重視は単なる選挙戦でのスローガンやリップサービスではないでしょう。長年、その趣旨の見解を明快かつ強固に発表してきた実績があるからです。
まだマケインが共和党候補に指名されるか否か、不明ですが、ここまで活躍することはアメリカの選挙プロも予測できなかったのが現実です。
だから「愚かさ」ではないと思いますよ。
マケインに対しては保守本流が「十分に保守ではない」と反発してますが、
ショーン・ハナディという全米で有数の人気を誇る保守トークラジオの担い手がこれまでのマケイン批判をぐっと弱めて、支持の構えをみせてきたこと、注視に値します。
やはり、マケインさんは『保守本流』ではないという評価になるのでしょうか。ただし、このことが『大統領選挙に不利益』とは今回はならない気がします。元々Clinton前大統領も『保守よりのリベラル』だったわけで、仮にClintonさんが民主党の候補となれば共和党のマケインさんにも十分な勝機が出てくるような気がしますね。(確か、しばらく前に「共和党の候補者がマケインさんだと、民主党Clinton候補では勝てない」という世論調査結果が出たんではなかったでしたっけ)マケインさんが候補となるようなら民主党はオバマ候補に票が流れるかも知れませんね。(どっちにしろClintonさんには厳しい状況になってきたのかもしれませんね)
ご配慮ありがとうごいます。
まさか、まさか、まさかというのが実感です。
その「まさか」には私自身、マケイン氏を侮っていたのが大きいと
思います。
この選挙、ご指摘通りどうなるかわかりませんが、より良い選択、選択肢
を出そうとする米国民には教えられます。
オバマ、ヒラリーに対抗するなら、確かにマケインになりますね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080131-00000003-mai-int
ジュリアーニ撤退表明。
世論調査ではマケインが勝つかも知れないとも読める。
共和党大統領が誕生すると、破滅が待っている国、党がある。(笑
先日、マケイン上院議員について、彼の政治姿勢が保守派に嫌われているから予備選に勝つのは難しいのではと寄稿させていただきましたが、フロリダでの結果を見る限り、杞憂だったようですね。フロリダでの投票パターンを見る限り、伝統的な共和党支持層は未だに彼に対して複雑な思いを抱いているようですが、ヒスパニックや穏健派という共和党がどちらかといえば苦手にしている人たちが圧倒的に彼を支持していることがわかりました。これを見ると、民主党を含めてマケイン氏だけが分裂したアメリカをまとめる力を持つ候補者なのだということを改めて認識させられました。
わたしは、共和党はマケイン氏以外の候補者を選出した場合、民主党の候補者がヒラリー、オバマのどちらになったとしても共和党は敗北すると思っています。マケイン氏の対抗馬であるロムニー氏やハッカビー氏からは、アメリカ大統領にふさわしいと国民を納得させる'IT'を感じないからです。もちろん、これはわたしのような門外漢の(願望込みの)カンに過ぎませんし、どんな政治評論家も、こんな視点で政治を語ることはありません。ただ、(日本の首相とは異なり)アメリカの歴代大統領のほとんどからはそれを感じました。古森さんは、このような言葉にはしづらい大統領としての資質について、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
いよいよマケイン氏が出てきましたね。以前の同氏を紹介頂いたエントリーで、同氏は毅然とした、強い外交姿勢を持つという話が印象に残っています。
また、「変化するアジアでの挑戦への対応のカギはアメリカと同盟国との協力強化」であるとというのも妥当な考えだと思います。
そして、「自由と繁栄の弧」という日本の価値観外交に共感し、拉致に強い関心を持つなど、日本とも力強いパートナーになり得る人物ですね。
日本側では現在こういう毅然とした、希望に満ちた価値観外交が、一旦後退した感がありますが、私見ではこの考えは歴史の指し示す道のように思いますので、また復活すると信じます。
実際、東アジアでは未だイデオロギーに縛られた非民主で基本的な自由のない国が存在し、中東では宗教の悪い面に翻弄され続け、民主化や人権尊重なども果たせない状況が続いているわけです。そしてまだまだ独裁政権の国も多いのです。
決して手をゆるめていい状況ではありません。やはり、毅然とした指導者が望まれますし、日米EUの連携は非常に大切だと思います。
ただアメリカも景気後退にあれば、経済中心で、外交面では内向きの消極姿勢になることも考えられますね。
共和党側でマケインに反対する勢力を、保守の本流と呼ぶのは、もしかすると、不正確かも知れませんね。保守のなかの保守主義の強い勢力のことなのです。この人たちはマケイン候補が妊娠中絶は違法入国者など、いわゆる社会問題で保守主義のスタンスをみせていないと批判するわけです。
このことは逆にマケイン候補は共和党の外にもアピールが強いといえるかもしれません。無所属票を多く獲得できそう、ということです。
ロムニーやハッカビーでは一般選挙で勝ちにくいという見方は共和党内にも広範に存在するといえます。二人の資質というよりも、従来の支持基盤、明確な政見が一般アメリカ人にはやや強烈すぎるということでしょうか。
マケイン氏が対外政策で「毅然」というのは、そのとおりでしょうね。
なにしろ1994年には北朝鮮の核兵器開発を阻止するために拠点爆撃を明確に主張していたわけですから。
しかし単に強硬だけでなく、アメリカが拠って立ち、全世界のほとんども普遍的とみなす民主主義に基づく「価値観外交」をも一貫して主唱しています。
『20世紀特派員』サイゴン陥落-23 “ボート・ピープル”
私はサイゴン陥落後のアメリカ側のベトナム戦争認識にも関心を払い続けた。アメリカにとってベトナム戦争は国内的には歴史上、最も不人気な戦争だったといえる。戦争だったのか、内戦への軍事介入だったのかもはっきりされなかった。地下になかば沈んだ形のワシントンのベトナム戦死者の記念碑の重苦しい風情は、その黒い墓碑に名を刻まれた58,214人の死が栄光とは無縁だったことを語りかけてくる。(中略)歳月が流れ、ベトナム共産党政権が独裁と抑圧を強め、カンボジアを軍事占領し、中国と戦争をするという事態が展開されると、アメリカ側の認識も少しずつ変わってきた。戦争中に北ベトナム側を政治色のない民族和解の平和志向勢力として位置づけ、自国の政策を激しく糾弾していた歌手のジョーン・バエズ、女優のジェーン・フォンダらが、あいついで「私は間違っていた」と認めるようになったのである。私も戦争中に北ベトナムの捕虜だったジョン・マケイン上院議員から直接「勝利への筋道を描けない軍事介入は間違いだが、介入の目的は正しかったと信じます」という言葉を聞いた。北ベトナムを明確な敵として全面攻撃すれば、いくらでも勝てたのに国内政治がそれを禁じた、というのだ。
長らく空席だった駐ベトナム・アメリカ大使にダグラス・ピーターソンが指名され、赴任してきたのもこの時期(*1977年)だった。実はピーターソンもハノイは初めてではない。1966年、アメリカ空軍パイロットとして、F4ファントムに搭乗し、ハノイ爆撃に何度か出動した。いわゆる第一次北爆である。何度目かの出撃のとき、地上砲火で撃墜されて捕虜(POW)になった。捕虜の収容先は、あの「ハノイヒルトン」だった。彼はそこで6年半を過ごした。ピーターソン大使はこの体験についてあまり多くを語らないが、“同宿者”だったジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州選出)はよく覚えている。「個室は奥行き1・8メートル、幅60センチで、床に埋め込まれた鉄の輪に足を固定された。窓もなく、夏場には鎖で繋がれたまま熱射病になった。ホテルとしてはまあ、三流だね」
>日本人にもアメリカの選挙に参加させてもらいたいという言説を、実現してもらいたいと思う、私の心境です。
批判を覚悟の上で言いますが、日本は五十何番目かの州にすることもありかもと思います。
GDPでも人口でも、50%ありますからね、相当の政治勢力になるのではないですか。少なくとも、それくらいの戦略的な思考を持って外交や安全保障を考えなくてはならないのではないですか。
マケインに関する私の以前の記事の紹介、ありがとうございます。
他にもいろいろ彼について書いた記憶があるので、調べてみます。
>To thinkingさん
>GDPでも人口でも、50%ありますからね、相当の政治勢力になるのではないですか。少なくとも、それくらいの戦略的な思考を持って外交や安全保障を考えなくてはならないのではないですか。
まあ、何ですな、隣国のシナ共産党政府に日本が吸収されるより、アメリカの属国の方が、はるかに良いと思う。 アルビン・トフラーの提唱するジャメリカ(JAMERICA)という連合国は僕も賛成です。
北京で中国人の識者(知米派であって、日本専門家ではない政府高官)と率直な会話を交わしたときのことを思い出します。
中国人識者「中国と日本はけっきょくは一つの国になることがいいと思いますよ」
古森「しかし政治体制も文化もあまりに異なりますよね。言葉も違うし。
もし一緒になる場合、言葉なんか、どうすればいいんですかね」
中国人識者「そりゃあ、大きいほうの国の言葉を使うことになるでしょう」
要旨はこんなことでした。彼がまじめに話をしていることに気づきました。
「隣国に吸収されるより」という記述でつい上記の体験を思い出しました。
今晩のフジのプレミアAではヒラリー候補とオバマ候補に、日本についてどう思うか突撃インタビューをしていましたが、ヒラリー候補はとってつけたような笑顔で「Good」と一言、オバマ候補ははき捨てるように「I Love Japan.」と答えていました。二人ともアジア政策の中心に中国を据えていますから、日本なんか眼中にないだろし、彼らがアメリカの大統領になれば、逆に強烈に日本叩きを始めるだろうと背筋が寒くなりました。慰安婦、南京問題、捕鯨、etc...ネタはいろいろあります。敗戦国というのは、戦後60余年を経ても、叩かれつづける立場にあると物悲しく思います。
イラク問題に関するマケイン候補の信念は本当に強いですね。
ブッシュ大統領よりも強く、早く、米軍増派を主張して、いかに孤軍奮闘でもいささかも揺るがなかったのです。そしていまやその増派が明らかな成果を生みました。
マケインについて付記するならば、彼のモットーは、duty, honor,
country です。三番目にcourage という語をあげることも多いです。
戦後の日本の価値観とは正反対ですね。
>マケインについて付記するならば、彼のモットーは、duty, honor, country です。三番目にcourage という語をあげることも多いです。
戦後の日本の価値観とは正反対ですね。
権利、捏造、個人を強調する朝日あたりが嫌う信条です。
>しゅうさん
>あの突撃インタビューの記者はアホなんでしょうか。
あれは中尾彬氏のコメントや桜井よしこ女史のコメントこそがキモで、インタビューはフジらしい笑いを大切にした掴み部分だったんじゃないでしょうか?まあ、もともとバラエティやトレンディー・ドラマが強いテレビ局で、視聴率の取れない報道では時間を裂いていない印象ですが、それでもフジなりに抑えるべきところは抑えているんじゃないでしょうか?私の友人(女性)は、予備選でヒラリーが勝ったことをなぜか嬉しそうに話していました。もともと政治に興味なんかない人ですから、女性大統領誕生と勘違いしていたようです。そんな人にはちょうど良い番組だったんじゃないでしょうか?私の身の回りにはそういう人がとても多いですw
私もたまたまサンデープロジェクトを見ましたが、全般的に胡散臭いと思いながら番組をみたせいか、”やたらヒラリーに特化しているな”くらいしか印象に残りませんでした。むしろ木村 剛氏(㈱フィナンシャル社長)が、ヒューザーや堀江貴文を擁護し、金融政策で市場経済が行き詰まっていると恨み節を訴えるのに対し、いちいち田原氏がそれはパチンコ屋やサラ金のことですね?と突っ込みを入れていたところが、”なんてナイスな突込みだろう!”と、一番印象に残りました。