アジアの開発途上国の貧困削減や経済発展を目的とする国際経済援助機関のアジア開発銀行(黒田東彦総裁、本部・マニラ)の運営方針をめぐり、最大の資金供給源である日米両国が正面から衝突する形となった。
そもそもアジア開発銀行というのは日本の現在の基準からみると、なんとも奇妙な国際機関である。
日本からの出資金が加盟国でも最大額であることを踏み台に日本の財務省高官たちが枢要ポストに継続的に天下りする。
だが同じ財務省高官の日銀総裁への天下りにあれだけ反対する野党はなにもいわない。
その財務省元高官の主導でアジア開銀は中国への援助を続け、内陸部の鉄道、道路、空港という大型インフラの建設に巨額の資金を供する。
だがその種のインフラ建設援助は日本の外務省が軍事的寄与への懸念などからすでに終結しているのに、なにもいわない。
世界最大の外貨を保有し、自らも多数の国に援助を与えている中国に日本国民の税金から巨額の経済援助を与えることは不適切だという結論を出した自民党も、この対中援助には無言である。
かくて財務省元高官たちはアジア開銀を通じ、せっせと対中援助を供し続けるのだ。
日本はアジア開銀の1966年の設立以来、米国と並んで総資本の16%を出すという枢要な役割を果たしてきた。
現在の加盟国は67(うちアジア地域が48カ国)だが、総裁は現在の黒田氏が財務省財務官だったように、一貫して引退した日本の財務(旧大蔵)官僚の天下りポストとなり、他の理事とか局長にも財務官僚が数多く就任してきた。
その結果、「アジア開銀は日本の財務省の物」(世銀の日本人専門職員)と皮肉られるほどの統治度となった。
この財務官僚主導のアジア開銀が近年、中国への資金援助を急速に増してきた。
同開銀は1986年に加盟した中国に対し2004年までに借款、贈与、技術援助を合わせて合計185億ドル、この期間の各国への援助全体の15%ほどを供してきた。
その結果、中国はアジア開銀でも最大の援助受け入れ国となった。
アジア開銀はさらに中国に2005年から07年まで約50億ドルを供与し、今年からの3年間にまた50億ドルの援助を決めている。
これらを合わせると、アジア開銀から中国へのこれまでの援助総額は日本円で2兆8000億円と、日本の30年にわたる対中ODA(政府開発援助)総額の3兆円に近くなる。
2007年こそ中国への援助額はパキスタン、インドに次ぎ第3位となったが、それでも単年で13億ドルと、全体の13%ほどを占めた。
アジア開銀のこうした中国傾斜の理由について同開銀の対中援助の実態に詳しいジャーナリストの青木直人氏は語る。
「従来、財務省高官には米国とは距離をおき、中国と手を組むアジア通貨基金とか東アジア共同体という構想を支持する向きが多かったうえに、中国政府が自国の財務次官をアジア開銀の副総裁に送り込むなどして強力なロビー工作をかけたことが大きい」
そして青木氏はアジア開銀の援助が日本政府がすでにODAの対象から外すことを決めた中西部のインフラ建設に集中し、しかもチベット人、ウイグル人、モンゴル人ら少数民族の中国側への経済手段での強制同化を推進するプロジェクトが多いとして非難した。
アジア開銀のこうしたあり方に対し米国代表はこの4月、同開銀の長期援助計画「戦略2020」の承認を拒んだ。
同開銀は本来の目的である貧困削減に重点を戻すべきで、中国のように市場で資金を十二分に調達できる諸国には援助すべきでない、という考えからの反対だという。
日本側としてもこのアジア開発銀行のあり方をいまやオール日本で論じるべき時機だろう。
=================
なおアジア開発銀行の中国密着の実情や、日本の対中援助の歴史に詳しいジャーナリストの青木直人氏の著書の一つが以下です。
コメント
コメント一覧 (40)
国民の方に視線を遣るのでなく常に組織の為に・・、
本来の使命から逸脱するにはそれなりに彼等にはメリットがあるだと想像できますが、
こうした事を国民は殆ど知らないと思いますから、メディアもアホ番組ばかりに力を入れずに問題提起をするべきですわ。
今のこの国はメディアで話題にならなければ勝利には結び付かない、愚かな国ですから・・たまにはメディアもその使命を果たして貰いたいものですね。
一般の日本の人たちはアジア開発銀行の存在さえ知らないでしょうね。
ましてそこに財務省のOBが天下りをして、中国にせっせ、せっせと、巨額の資金を供与している。その資金の主要部分は日本国民から出ている。
このことを広く知らせたいと思っています。
それにこのアジア開発銀行はテロ支援国家の指定を解除される見通しの北朝鮮が援助を獲得しようと狙っている標的の一つなのです。
重大な犯罪行為です。数年前、世界銀行がこのようなプロジェクトへの融資を凍結しましたが、その裏でアジア開発銀行が積極的に融資していたとは全く知りませんでした。これでは、日本国民がチベット人達の民族浄化に加担してきたことになってしまう。中国や北朝鮮のような軍事独裁政権を強化するアジア開発銀行の問題が明らかになれば、世界から大きな非難を浴びることになるでしょう。
是非、この問題を広く知らしめてください。
実は中国政府が宣伝し、日本のマスコミもそれに同調して、報道しているチベット鉄道建設も、チベットの漢民族化だとして、チベット人側は反対してきましたが、このプロジェクトにもアジア開銀からの援助融資が出ています
。
東京のチベット法王庁代表部は日本政府に抗議したそうですが、カエルの面だったそうです。
人事構成がそうなっているとは。
国連と逆ですね。
cobra さん のご発言の
>日本国民がチベット人達の民族浄化・・・・
インドネシアのアチェでも、この様な批判があったと思います。
取りとめも無く、失礼
こそこそ、という表現も根拠がありそうです。
アジア開発銀行の日本語サイトをみても、大切な情報が載っていません。
英語や中国語のサイトには載っています。
アジア開発銀行の総裁に財務省の官僚が毎回毎回、自動的に就任するなんて、なんの根拠もないのです。オール日本という考え方で選出されるべきです。
天下りは大嫌いな日本の民主党もここには口を出しません。
>yosi29 さん
>天下りは大嫌いな日本の民主党もここには口を出しません。
ご返事ありがとうございます。
国連に対する、日本の出資費考えると。
日本人職員の比率は、非常に少ないですね。
内部からの、日本の意見は、反映されず
表では、理事会の席も取れない。
アメリカなどは、自国の意見が反映されないとすぐに、支払いストップ
理事会で一番でかい顔
世銀の席は、アメリカ様の独断場
考えさせられます。
ウガンダの中央銀行支援で行かれた官僚が書かれた、顛末記
非常に感動した覚えがあります。
あのような活動が一つの道で無いかと今でも思います。
>To yosi29 さん
>>インドネシアのアチェでも、この様な批判があったと思います。
>こう言う話を、ちゃんとやってくださいよ。
前回ご指摘いただいた、手島氏など早速ブログねた拾いました
ありがとうございます。
中国関連の情報で、今一番おもしろいのは青木直人氏ですね。もちろん個人的にですが。
「報道2001」あたりで、青木氏の地上波デビューを是非みてみたいものです。
北朝鮮のテロ解除問題も、私は青木氏的視点でみています。
米国の中国利権に深く関与しているスコウクロフト、元部下のライス国務長官、天津を中心に北朝鮮・韓国まで巻き込んだ中国の東北地方開発(胡錦濤利権らしいですが)、東北開発に積極的な日本の財界(特にトヨタ)…
東アジアの安全保障とか日本の拉致被害者など二の次三の次で、米朝中日の経済利権が一致したんでしょう。しかしこの問題、米中韓に安全保障上の災いがなかったとしても、日本だけは安全保障に深刻な問題です。日本だけ核ミサイルが飛んでくる可能性があるわけです。
日本の財界がカネ儲けに目が眩み、安全保障や国民の生命をないがしろにしたとしても、政治は国家としての原理原則を守り、カネ儲けより安全保障や拉致被害者の奪還にウエイトを置くべきだと思います。
しかし福田「全方位土下座」外交は外国のみならず、日本の財界に対しても土下座ですね。もうどうしようもないですね。
>yosi29 さん
>
>アジア開発銀行の総裁に財務省の官僚が毎回毎回、自動的に就任するなんて、なんの根拠もないのです。オール日本という考え方で選出されるべきです。
友好協会まで政治家
日中ゆ友好団体。これで有力7団体全て政治家又は、元政治家
是など最悪だと思います。
ひどすぎる
私はアジア開発銀行の実態は知りませんでした。というか、普通は知らないと思います(苦笑)。地味な記事でしがいい記事だと思います。どうも有難うございました。
産経で「日中再考」を連載されたときアジア開銀の話があったと記憶します。あれから5,6年たつと思いますが事情は変わらない訳ですね。
思えばあの頃からシナにたいして遠慮のないストレートな表現が目立つようになったと思います。日中再考がひとつのきっかけではないでしょうか。
宣伝 読者の新しい政治談議目指してます ハンドルOneクリックご批判など・・・ いぬ派は嫌いですか?
ええ。もちろん犬も好きですよ☆
特にRAMさんの犬の画像は、その切れ味鋭いコメントと相まって好きですね(笑
>To yosi29さん
>ええ。もちろん犬も好きですよ☆
ありがとうございます
アジア開発銀行の重要な特徴は加盟各国の投票権が出資金の額に比例していることです。国連の一国一票とは異なるのです。
だから出資金全体の15・8%を出す日本はアメリカを除く他の諸国よりもずっと多くの「投票数」を持っているのです。
新聞の記事にはスペースの制約で、ここまで書けませんでした。
「日中再考」はおかげさまで文庫本となってからも、ずいぶん部数が出ました。(売れたから重要だった、というわけではありませんが)
思えば、中国の状況について率直かつ客観的に報じたという意味で、前例をつくったかも知れませんね。「突破口」とまでいうと、おこがましいいでしょうが。
アジア開発銀行について、なにも知らなくても、いまの日本では普通でしょうね。
マスコミのせいだといえましょう。
青木直人さんはこの関連テーマについては非常に詳しいですね。
私も教えられました。
ブッシュ政権の今回の北朝鮮指定解除の理由は北朝鮮の鉱山資源など商業的要因だという見方は、一部には真実を突いているのかもしれませんが、全体としては証拠がありません。
アメリカのシステムとしてこの種の外交政策転換が経済的な理由だけでなされるというのは、過去の例からするときわめて稀です。
日本の対中ODAの効果については私は著書の「日中再考」や「日中友好のまぼろし」で詳述してきました。
あなたの認識に反する事実関係も報告してあります。
いずれも文庫本になっているので、書店で立ち読みでもされること、願っています。
>古森記者こんにちは
>
>「報道2001」あたりで、青木氏の地上波デビューを是非みてみたいものです。
>北朝鮮のテロ解除問題も、私は青木氏的視点でみています。
横レス御免。
同感ですね、青木氏の情報量、分析は非常に鋭く、説得力もあり、いつも興味深い内容です。 8−10時台の地上波に出てもらいたいですね。
>日本の財界がカネ儲けに目が眩み、安全保障や国民の生命をないがしろにしたとしても、政治は国家としての原理原則を守り、カネ儲けより安全保障や拉致被害者の奪還にウエイトを置くべきだと思います。
>
>しかし福田「全方位土下座」外交は外国のみならず、日本の財界に対しても土下座ですね。もうどうしようもないですね。
財界も「政経分離」を今まで言って来たのだから、政治問題が経済に影響を与えるとか、経済関係に影響を与えない政治を求める注文をするべきではない。 本来、国民そして国があっての日本企業だと云う事を再認識するべきです。
福田...この様な無能力、無資格、資質皆無の「人間モドキ」がなぜ大国の首相の座にいるのかが大問題です。
>
>今中国は、少なく一部のは日本のODAのお陰でしょう。幾ら金をつきこんでも結果がないよりましでしょう。
横レス御免
支那の環境破壊、軍国覇権主義化、反日政策の強化を考えれば、負の結果が圧倒的でやらない方が良かったというのが私見です。あなたの様に日本からのODAを認識している支那人も少なく、中共の「援助隠し」をしながらも「より多くの援助」を乞う姑息な態度に支那の伝統を強く感じます。
>ヤクザに金をやってしまった悔しさみたいに、やはり悲しくなります。
そうですね、中共は黒集団そのものです。
>昔中国が友達が居ない時代、世界哲学を持つ毛沢東と外交手腕を持つ周恩来は、かなり落ち着いて戦争賠償を諦めたという話を聞いたことがあります。
毛沢東が自ら策略した対日戦争だから、さすが毛沢東でも図々しく援助の要求はできなかったのでしょう。 むしろ日支戦争が毛沢東の中国奪取を助けた事実に、中共は日本に感謝するべきです。
>その代わりに、誠実な日本人は、ODAでお返しをなさったという儒教の”信”で、日中の新しい時代を作りました。
上記のように日本は感謝こそされても、ODAなど支那に援助供与する理由も必要もなかったと思います。
>
>見返りというものは、いずれに帰ってくるよ。恩を忘れぬというのは、アジア共通、伝統な哲学だから、
中共の洗脳教育しか受けていない民に哲学など期待するのは、無から有を求める以上に不可能ではないでしょうか。
>yosi29 さん
>
>アジア開発銀行の重要な特徴は加盟各国の投票権が出資金の額に比例していることです。国連の一国一票とは異なるのです。
>だから出資金全体の15・8%を出す日本はアメリカ・・・
いつもながら、ご指摘ありがとうございます。
金出す人の、趣味が反映される組織が結局うまくいくと思います。手より
営業忘れる、部下を持った北京のデスクは大変ですね。
>To 曹布1C2ジさん
>>
>>今中国は、少なく一部のは日本のODAのお陰でしょう。幾ら金をつきこんでも結果がないよりましでしょう。
>
>横レス御免
>支那の環境破壊、軍国覇権主義化、反日政策の強化を考えれば、・・・
下から失礼します。
私、金重要だと思いますよ
私金が無いので、金に執着心強いんです
本日退場します、毎度飛び跳ね失礼いたしました
青木直人さんは地上波のテレビといえば、実はチャンネル櫻には頻繁に登場しています。
この番組は日本版youtubeなどで、いくらでもネット上でみることができます。
私もネットでみましたが、ずいぶんと役に立ちました。それに青木さんは非常に勇気のある発言をするので、胸がすっきりします。
>parkmount さん
>
>青木直人さんは地上波のテレビといえば、実はチャンネル櫻には頻繁に登場しています。
>この番組は日本版youtubeなどで、いくらでもネット上でみることができます。
>私もネットでみましたが、ずいぶんと役に立ちました。それに青木さんは非常に勇気のある発言をするので、胸がすっきりします。
わざわざ有り難うございます、古森さん。
私は当然、北米では地上波が見れないのでyoutubeでチャネル桜のクリップにアクセスしています。 私は日本人でありながら「総入れ歯に猿ぐつわがはさまった政治家、メディア」には多いに不満を感じていますから、青木氏の切り口のファンです。ところで、私は日本と猿(福田)の相性は非常に良くないと思っています。
>To yosi29さん
>>下から失礼します。
>>私、金重要だと思いますよ
>>私金が無いので、金に執着心強いんです
>
>小生も全く同感でございます。
>小生も、給料日過ぎたばかりで、謝金返済をして、折角の休日出かけられなく、仮想世界で時間を潰しております。
誰も金が重要ではないと思わないでしょう。しかし、日本の企業は政治家に「オンブにダッコ」を期待するなということです。支那や香港では誰も政治家をあてにしていないように。
>To 曹布1C2ジさん
>>To yosi29さん
>誰も金が重要ではないと思わないでしょう。しかし、日本の企業は政治家に「オンブにダッコ」を期待するなということです。支那や香港では誰も政治家をあてにしていないように。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080629AT3S2701K28062008.html
サミットの主導権も取れない、政治が企業におんぶに抱っこしてる方が多いようですよ
護送船団方式は農業以外全て撃沈されてます。
私が、政治家だったら
尖閣列島をキリバスに贈呈
保護条約結び、資源頂
憲法改正を一気に実行し、サミットで日本は領土手放すほど誠意あります。
中国尖閣に手を出すな、二酸化炭素皆で減らしましょ。
政治じゃないかと思います。
>To yosi29さん
>ええ。もちろん犬も好きですよ☆
>特にRAMさんの犬の画像は、その切れ味鋭いコメントと相まって好きですね(笑
私早速営業行ってきました。RAMさんとこ
でもあまりうまくいきませんでした、残念です。
感情を害したのでは、と心配です。
昨日夜更かししたんで帰ります。
お邪魔したの、初めてじゃなかったんですけど、
サスペンスとかスパイ物に弱いんで、軍事なんか少し興味あるんで
結構噂もお好き見たいで、ひょっとして私のことも・・・・
私自己顕示欲ありすぎます。
さよなら皆さんによろしく
お知らせ、ありがとうございます。
なんだかヘンな話ですね。
すばらしい記事ですね。
でも、読後、日本の一納税者としては、どっと落ち込みました(-_-;)
こういう情報に接すると、本当に納税意欲を削がれます。
いえ、納税「意欲」なんて最初から無い、というのが事実ですが(笑)。
長野聖火リレーで日本の警察官たちに「中国人を保護し、日本人を排除しろ」と命じた(としか思えない)福田首相の外交姿勢といい、財務官僚の仕事ぶりといい、なんだか日本国民は自国政府によって二級市民扱いされているような感じです。
一級市民は、もちろん、中国人サマです。
日中友好のために、日本国民は理不尽なことも我慢しろ、収めた税金を中国でばら撒いても黙認していろ、ということでしょうか。
>昔中国が友達が居ない時代、世界哲学を持つ毛沢東と外交手腕を持つ周恩来は、かなり落ち着いて戦争賠償を諦めたという話を聞いたことがあります。
「世界哲学を持つ」毛沢東ですか。
チベット侵略も世界哲学から来ているのですね。
それはさておいて、「かなり落ち着いて戦争賠償を諦めた」と本当に信じていらっしゃるのですか?
当時、世界は、アメリカとソ連が対立する冷戦のまっただなかにありましたが、同じ共産圏である中国にとっても、ソ連は脅威だったことをお忘れですか? 米中接近、日中接近→国交樹立の背景には、ソ連を牽制する意味がありましたよね。
毛沢東&周恩来は戦後賠償を「放棄してみせる」ことにより、ソ連に対して、中国は「これからは日本と協調関係を築くのだ」と誇示する意図があったのではないですか? もちろん、賠償放棄は日中共同宣言に盛り込む文言の問題に過ぎず、日本が実質的な賠償支払い(円借款、無償援助、技術援助など)に応じるということは、舞台裏で両国により合意に至っていたのです。
しかも、毛沢東&周恩来は、日中共同声明文書の中でだけ賠償放棄を宣言するだけで、中国人の美点を全世界に知らしめすことができ、さらに、中華平和条約において既に賠償放棄を宣言した中華民国と「同じく」、中華人民共和国も「日本に対して寛大である」と示すことを意図した、と考えられないでしょうか?
いずれにしても、毛沢東&周恩来の二人だけで賠償放棄を決めてしまい、舞台裏の実質合意のほうは他の共産党員にも一般市民にもまったく知らされてこなかった――このことが今日の中国人の反日感情の原因になっている、という見方もあるようですね。困ったものです。
>その代わりに、誠実な日本人は、ODAでお返しをなさったという儒教の”信”で、日中の新しい時代を作りました。
いえいえ、儒教精神なんて関係ありません。
日本は、戦後23年間をかけて、北朝鮮を除く全ての関係国に対する賠償を完了しました(1977年に完了)。賠償を放棄した国に対しては、中国に対してと同様に、円借款なり無償援助なり技術援助で応じてきました。
なにしろ、日本は道義無き東京裁判で裁かれた敗戦国です。「戦争を始めたツケ(責任)は、きちんと負うほかない」と理解していたのです。それだけのことです。
ところで。
北京政府は、終戦直後、ソ連と共に満州やその他の地域の日本資産を没収し、日本海軍の残存艦艇を入手したりしています。一応、つけくわえておきます。
中華平和条約 → 日華平和条約
日本から中国に流れている金額を知りたいと思い
検索しましたら、古森義久さんのここのブログに
たどり着きました。
アジア開発銀行のこと初めて知りました。
アジア開発銀行のことを
国民に知ってもらうために私の楽天ブログにリンクさせてもらいます。
宜しくお願いいたします。
http://plaza.rakuten.co.jp/sumiecom/
初めまして。
どうぞ、リンクしてください。
なおアジア開発銀行の中国への湯水のような資金援助については単行本でも詳しく述べています。
「終わらない対中援助」(青木直人・古森義久 PHP研究所)
ご参考まで。