日中関係では話題になりにくい中国の軍拡の近況です。

「中国が核戦力増強」 米サイバー攻撃も懸念
2008年06月27日 産経新聞 東京朝刊 国際面


 【ワシントン=古森義久】米国防総省のジェームズ・シン次官補(アジア太平洋安全保障問題担当)は25日の下院軍事委員会公聴会で中国の安全保障状況について証言し、中国が軍事態勢を不透明にしたまま、米国本土を攻撃できる核戦力の増強やサイバー攻撃の強化などを続けているとして懸念を表明した。

 シン次官補は米国政府が中国との安保関係でも建設的な関与を保ちながらも、中国の実際の軍事動向に懸念を抱いているとして、中国側は、

 (1)実際の軍事費の半分以下の額しか公表せず、不透明な軍事態勢を変えていない(2008年の公表額は580億ドルだが、外国からの新鋭兵器調達、核戦力の研究開発、軍事汎用技術の開発などの費用を含めておらず、実際の軍事費は年間1390億ドルにも達する)

 (2)核・非核両面での各種兵器を大幅に増強している(米国本土に届く大陸間弾道核ミサイルのDF31の性能をあげ、基数を増す一方、潜水艦の増強は空母の開発をも進めている)

 (3)軍のソフト、ハード両面での能力増強を進め、とくに人事の改善や訓練の強化を図っている(軍の指揮系統、兵站、通信などのシステムと要員の強化により事実上の臨戦態勢を固めている)

 (4)宇宙軍事化、サイバー攻撃の能力増強などにより通常の規範を逸脱する非対称作戦を構想している(米国の国防総省を含む政府機関や防衛関連の研究所のコンピューター・システムに中国内部からのサイバー攻撃がかけられ、すでに侵入されている)-

 ―ことなどを証言した。

 シン次官補は中国側のこうした活発で野心的な軍事強化策の結果、

 (1)台湾と中国の軍事力比較が中国側に有利に大きく傾き始めた

 (2)アジア地域の駐留米軍と米国の同盟諸国の軍隊が脅威と危険にさらされる

 (3)中国にとって軍事力強化により対外戦略のオプションが増した-―

 こと―などを指摘し、米側も対抗策が必要だと強調した。

 シン次官補は対抗策としては米国が

 (1)情報収集能力を高め、中国側の軍事面での能力や意図をより正確に知る

 (2)米軍も装備の改善などにより能力を高める

 (3)アジアの同盟諸国との補完や協力を強める

 (4)中国軍との関与の幅を広げる-―

 ―などという方針を明らかにした。


中国人民解放軍の大陸間弾道ミサイルDF31の写真です。