ドイツでの中国についての講演の紹介を続けます。

今回は日中間での経済のきずなの広がりにもかかわらず、2006年ごろからは日本の中国への直接投資ががっくりと減ってきたことを指摘し、その理由は中国側の大規模な反日デモと関係があるのかどうか、疑問の提起と解明です。

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 しかしそれでもなお、中国全体としては経済の高度成長を毎年、続けています。

nアメリカ側には中国の統計自体に疑問を呈する学者たちもいますが、年間9%以上という高い成長率は全世界から注視されています。

 賞賛さえされます。経済面ではいまの中国は全世界にとっての大きな魅力であり、プリマドンナだといえます。

 ダイナミックな中国経済へのかかわりは日本の企業にも必須とされ、現在では大小合わせて約1万の日本企業が中国になんらかの拠点をおいています。

 中国在住の日本人も約10万、アメリカ在住の34万には及ばないとはいえ、相当な数となっています。

 

 このように日中両国の経済関与は急速に高まり、中国で生産活動をするための日本からの直接投資も近年、着実に増えてきました。

 その業種は繊維、電機、機械、自動車、食品などの製造業の多彩な分野にわたります。

 この対中投資は日本全体の海外投資ではなお6%ほどとはいえ、その伸びは顕著でした。

 ところが2005年には実行額で65億ドルだった新規の年間対中投資は2006年には45億ドル、2007年には37億ドルへと大幅な減少を示しました。

 37億ドルというのは10年前の1998年ごろの日本からの年間の対中投資額の水準です。

 最近2年ほどのこの大幅な投資の減少が単に一時的な増減の結果なのか。それとも新しい傾向の始まりなのか。まだ即断はできません。

 しかしこの転換点となった2006年というのは、先にお話しした大規模な反日デモが中国各地で吹き荒れた年のすぐ翌年です。
中国反日デモ

このデモが果たして日本の対中投資の大幅減の原因なのかどうか、これまた即断はできません。

 しかしこの暴力的なデモが象徴した中国側の日本への態度が日本側の中国への経済関与の努力にこれまで影を投げてきたし、これからもそうであろうことは日中関係の悲しい現実として認めざるをえません。

 日本の企業も中国側の対日感情はいつも気にかけて、細心の注意を向けています。

 中国国民一般の日本への認識は明らかにネガティブだからです。中国社会では日本や日本人は好かれていない対象なのです。
(つづく)