VOICEの古森論文の紹介の継続です。
チベット人擁護の国際組織は「北京五輪を人権改善の触媒に」と主張しています。
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「チベット国際キャンペーン」(ICT)理事会は「国際オリンピック委員会が人権蹂躙の共産主義国家にオリンピック開催の許可を与えたことは不適切だが、もうここまできた以上、逆に北京オリンピックを人権状況改善の触媒に使いたい」とも言明している。

 チベット民族の人権のために活動するもう一つの国際組織は「自由チベット」(FT)である。

 1987年に旗揚げしたFTは本部こそロンドンにおくものの、アメリカでの動きも活発である。

 アメリカの政府、議会、マスコミへも恒常的に訴えをぶつけている。

 このFTはその活動目的として「チベット民族の自決権を推進する」とうたい、チベットの現状を「中国による不法な占領」と断じているように、言動もときにはかなり過激となる。

 メンバーもICTとくらべてチベット人がずっと多い。

 正規の会員として約1万9千人という数字が公表されている。

 チベット人の会員ではもちろん在外チベット人が主体ではあるが、チベット亡命政権やダライ・ラマ周辺とも明らかに密接な連携をとっているようにみえる。

 そのFTはこの3月から4月にかけての中国当局によるチベットでの僧侶や住民の殺戮に対しても、もっとも敏速に、もっとも激烈に反応した。

 明らかに中国内部のチベット人居住地域から直接に入手した写真や情報をいちはやく全世界に流し、抗議の声明をあいついで出したのはFTだった。

 FTは北京オリンピックに対しても一貫して厳しい姿勢をとってきた。

 まず中国が主催国となることに「人権弾圧の国家にその資格はない」として反対を表明し続けた。

 2001年7月に北京開催が決まると、国際オリンピック委員会に対し、開催条件である中国の「人権の改善」を履行させることを要請し続けた。

現在ではFTは「各国スポーツ選手の北京オリンピック参加を阻むことはしない」として、北京オリンピック全体のボイコットなどは呼びかけていないものの、イギリスのブラウン首相やチャールズ皇太子など重要人物が開会式に出席しないことを要求している。

 そしてFTは中国政府が開催の条件として誓約した「人権の改善」をまったく履行していないとして中国批判を強めている。実際のオリンピック開催のときには、北京の現地でなんらかの抗議運動を断行するような構えもちらほらと感じさせる。

(つづく)
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