アメリカ政府の北朝鮮核兵器問題の交渉役を務めてきたクリス・ヒル国務次官補はオバマ政権ではイラク駐在大使という重要ポストに任命されました。この任命を審議する討論が上院本会議で20日と21日に催されました。

 

その討論で共和党のサム・ブラウンバック上院議員が強烈な反対演説をしました。ヒル氏は北朝鮮との交渉で無惨な失敗を喫しただけでなく、北朝鮮の人権抑圧を無視し、しかも人権を重視する措置をとることをブラウンバック議員に公開の場で約束しながら、その約束を破り続けた、ウソをついた――というのです。

 

ブラウンバック議員といえば、北朝鮮の金正日政権の人権弾圧を非難し続け、日本人拉致問題でも熱心な支援を続けてくれた政治家です。ブラウンバック議員の上院本会議での発言を紹介します。

 

「北朝鮮政策での主要戦略家、六カ国協議の米側責任者だったクリス・ヒル氏は北朝鮮の人権弾圧を無視して、六カ国協議にアメリカの人権担当大使を必ず含めると私に約束しながら、その約束を破って、ウソをついた人物です。そんな人物がアメリカにとって超重要なイラクの駐在の大使となる。北朝鮮の人権弾圧問題を無視した人物なのです」

 

「私は上院公聴会でヒル氏に質問しました。『北朝鮮の人権弾圧問題を取り上げるために、6カ国協議をはじめこれからの北朝鮮との交渉のすべてに、アメリカ側の人権問題担当大使を出席させますか』と。ヒル氏はこれに対し『喜んで、必ず出席させます』と答えました。しかし実際にはヒル氏はただの一度も、人権問題担当大使を北朝鮮との交渉には入れなかったのです」

 

「この2週間ほど北朝鮮に関して、なにが起きたか。北朝鮮は日本列島を越えて、アメリカ西海岸の方向に向けて弾道ミサイルを発射しました。北朝鮮はアメリカ市民二人を拉致しました。北朝鮮は六カ国協議から脱退し、自国内の国際査察官を追放しました。さらに核施設を再稼働しました。北朝鮮は濃縮ウランをイランに向けて輸送したという情報もあります.。アメリカの北朝鮮との交渉が失敗した証拠の数々です」、

 

ブラウンバック議員はまた20日、アメリカ政府が北朝鮮を再度、「テロ支援国家」に指定することを求める法案を提出しました。