北朝鮮の無法で危険な軍事行動に対して、日本側では国政レベルでも、その危険な行動を抑止するための、敵基地攻撃能力を保有すべきではないか、という議論が高まってきました。

 

日本を守るためには当然の議論でしょう。日本に核ミサイルを撃ち込もうとしていることが明白な敵基地をそのミサイルが発射される前に攻撃して破壊するというのは日本の国家と国民の防衛の自明な範疇です。

 

しかし日本の幻想的非武装志向論者たちはこの国家としての当然の防衛への動きを「他国を危険に挑発する」「日本の軍国主義を復活させる」などとして反対しようとしているようです。いずれにせよ、この問題での議論が展開される際に重要な指針の一つとなるのは日本の同盟国であるアメリカがどう対応するかでしょう。

 

この点できわめて注視すべき報道が5月31日の朝日新聞に掲載されました。なんとアメリカは日本の敵基地攻撃能力の獲得を支持するというのです。

 

シンガポールでの「アジア安全保障会議」に出たオバマ政権のウォレス・グレッグソン国防次官補が朝日新聞の加藤洋一記者のインタビューで「日本が「敵基地攻撃能力の獲得を)決めれば、米国は当然できる限りの方法で支持する」との考えを明らかにした、というのです。

 

この記事はさらに以下のように報じています。

 

「グレッグソン氏は『日本にどのような防衛政策を取るべきか指図するつもりはない』と断ったうで、これまでの『日本は盾、米国は矛』という役割分担を変えることは理解する姿勢を示した」

 

以上の発言は文字どおりに解釈すれば、日米同盟の根幹の構造を変えることにつながる超重大な新スタンスを意味しています。日米同盟ではこれまでの長い年月、一貫して、日本は純粋な日本領土防衛のみに責任を持ち、日本の外の潜在敵の脅威や軍事行動に対してはあくまで米国が責任を有する、という仕組みでした。

 

日本の領土外の脅威や軍事行動が純粋に日本本土の攻撃を意図していても、日本はなにもしない、そのかわりに米軍が対処する――という枠組みでした。「日本は盾、米国は矛」という表現はその枠組みを描写してきたわけです。

 

ところがオバマ政権の国防政策を代弁する立場のグレッグソン国防次官補は「日米の役割分担を変えることは理解する」と言明したのです。だから日本が北朝鮮などの敵基地攻撃の能力を持つことも、アメリカは支持するというのです。あるいはアメリカは日本の敵基地攻撃能力の保持は支持するから、役割分担を変えてのよい、というわけです。

 

この発言は驚くべきです。重大ニュースといえましょう。

 

ただし朝日新聞は主張として日本の敵基地攻撃能力ということにはすべて反対するでしょうから、オバマ政権がそれを支持するというのは都合の悪い見解となります。だからこそこの大ニュースも二面の左下の片隅、しかも見出しはほんの二段という目立たない扱いなのでしょう。

 

しかしこのグレッグソン発言は繰り返しますが、大ニュースです。