週刊新潮が「朝日新聞の金正雲訪中は大虚報」という記事を載せたところ、朝日新聞は「記事は事実だ」と抗議したそうです。
 
週刊新潮よりも先に中国政府が「朝日新聞の記事は007だ」と否定しているのですから、朝日新聞は中国政府にも抗議をしなければ、話が合いません。
 
さてそんな事態を踏まえて、6月25日の中国外務省(外交部)の定例会見ではあらたに以下のやりとりがあったそうです。
 
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日本人記者の質問
 「金正雲と胡錦濤が会談したとの朝日新聞の先週の記事について、18日の会見で外交部報道官は否定したが、今日に至るまで、朝日新聞は確かな取材による記事であると繰り返し強調している。これに対する見解をうかがいたい。日本のあるメディア(週刊新潮)は外交部報道官の発言を引用して朝日報道の真実性に疑問を提起したが、朝日はそのメディアに対し抗議し、訂正を要求した。これまでに朝日新聞が中国外交部に抗議したかどうかうかがいたい」
 
秦剛報道官
 「あなたが出した質問について私は既にはっきりさせている。あなたは彼(朝日新聞記者)を信じるのか、私を信じるのか、あなた自身で判断し選択してください。われわれはこの件に関し、朝日新聞から連絡を受けていない」
 
この後、他の問題についてしばらく質疑応答があったが、秦剛報道官は突然思い出したように(というより、他の質問に答えている間、の質問にどう答えるか思案していた感じで)「さきの記者からの質問について思いだしたのだが」と切り出し、さらに以下のように述べました。
 
秦剛報道官
 「あなたは朝日新聞が抗議したとか何とか言ったが、それこそ007小説の続編ではないか」
 
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中国政府の朝日新聞報道の否定は揺らがない、ということのようです。
それにしても「007小説の続編」とは、きついですね。
 
さて朝日新聞からの中国政府への抗議を期待したいところです。