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民主党が政権を握れば、その政策の明瞭、不明瞭にかかわらず、日米同盟の弱体化は不可避だとする見解も表明された。

 

ブッシュ政権の国務省で二〇〇三年から二〇〇六年まで核拡散防止部門に勤務し、北朝鮮の核開発阻止を担当して寧辺地区の核施設の検証にもあたったことのあるキャロリン・レディ氏である。

 

二〇〇六年から翌年まではホワイトハウスの国家安全保障会議に移って反拡散戦略を担当したが、対アジア政策全般にもかかわり、日米安保関係にも詳しい。

 

「日本の民主党の安全保障関連の声明類を読むと、全体に日米同盟への依存を弱めようとしている基本が明白となる。日米同盟の枠内で日本側の防衛力を強化するという志向だろう。だが日本の経済や財政の現状では日本独自の防衛力の増強はとても望めない。となると、日米同盟での日本の役割が弱くなり、安全保障面での日本自体が弱体化することになる。アメリカ側からみれば、歓迎はできない傾向だといえる」

 

レディ女史のコメントは論旨明快である。

 

日本の民主党政権は日米同盟でのアメリカ依存を減らそうとする。

 

だが日本独自の防衛努力は増強できない。

 

その結果は日米同盟の弱化となり、日本の防衛の弱化ともなる、というわけだ。

 

ちなみにレディ氏は今年十月から日本の防衛研究所の客員研究員となり、半年ほど日本の安全保障を専門に研究することになっているという。

 

レディ氏はさらに語った。

 

「民主党の志向は防衛面でより強い日本を求めるという印象を受ける。私も『より強い日本』は日米同盟の枠内である限り、大賛成だ。だが日本の不況下ではアメリカ依存の減少も日本の防衛力の減少に終わりそうなのだ」

 

アメリカ議会の対日認識についてもレディ氏は歯切れよく語った。

 

「議会では日本や日米同盟に関心を向ける議員の数はきわめて少ないです。民主、共和両党とも日米同盟維持という基本は変わりません。しかし日本がアメリカの同盟パートナーとしてアメリカの国際的政策や安保関連政策に着実に協力してくれることをも当然視する議員たちが大多数だといえます。だから日本に特別な関心をそれほど払わないということになります。その結果、日米同盟を特別に強化する政策をとくに強く推進するという動きも出てきません」

 

「そういう状況下で日本に日米同盟を縮小する傾向の新政権が出てくれば、議会での日本の存在はまたさらに小さくなるでしょう。その動きはアメリカ議会側の中国への関心の増大によって加速されるかもしれません」

 

このへんは前述の下院民主党スタッフの言葉とほぼ同じでである。

 

レディ氏は共和党系n専門家だが、「アメリカ議会と日本」というテーマでは、共和、民主の党の別にかかわらず、考察は同じようなのである。

 

(つづく)

                ======= 

 

    (終わり)