鳩山新首相が国際舞台ではまったくの唐突な形で提起した「東アジア共同体」なる構想は国際的にどうみられているか。

 

 これから少しずつ紹介していきましょう。

 

 その冒頭がまずアメリカ議会でのハーバード大学の中国研究学者の証言です。

 

 以下の記事は3年以上前のアメリカ議会の公聴会の報道ですが、この場でも東アジア共同体は正面から論じられています。

 

 記事の一部をコピーしますが、その後半部分に東アジア共同体は中国の策謀だとする見解が証言として出てきます。

 

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「中国、最大の潜在敵」 日米同盟、離反図る 米下院委指摘
2006年02月16日 産経新聞 東京朝刊 国際面


 

 【ワシントン=古森義久】米国議会下院国際関係委員会が十四日に開いた米中関係に関する公聴会で議員側から「中国は米国の最大の潜在敵」という見解が再三、表明される一方、専門家の証人側からは中国はアジアで日本と米国の離反を図り、米国では各種研究所への影響力を強め、中国側に有利な政策を採択させるようになったことが報告された。

 同国際関係委員会の監視調査小委員会(小委員長デーナ・ローラバッカー議員)は「米国の外交政策への中国の影響力行使」に関する公聴会を開いた。
 
 共和党の有力議員の同小委員長は冒頭、「中国の不吉な軍拡、キリスト教徒や仏教徒の残酷な弾圧、知的所有権の厚顔な違反、北朝鮮、イラン、スーダンなど危険な無法国家との協力関係、北朝鮮やパキスタンへの核兵器技術の拡散、民主国家の日本への脅しなどは、中国が世界規模の覇権の樹立を目指すことを示している」と述べ、「この中華帝国の誇大妄想的な野望を抑えられる国は米国しかなく、その意味では中国は米国の最大の潜在敵だ。この明白な事実を指摘すると、これまでは米国のいわゆる主流派の学者やマスコミからあざけられてきたが、いまや米国と世界の安定にとっての最大の脅威である中国に直面するときがきた」と強調した。
 
 

 ハーバード大学東アジア研究所のロス・テリル研究員は「中国の当面の対外戦略は他国と紛争中の領土をすべて獲得するとともに、東アジアでの米国の影響力を減少させることだ」として、そのために日米両国を離反させようとしていると証言した。
 
 テリル氏は中国の対日政策に関連して、中国は
 
 (1)東アジア共同体構想を利用して米国のアジアからの排除を図る一方、日本は中国の意向に従う状態にして同共同体に入れようと努めている
 
 (2)「日本の軍国主義の危険」を喧伝(けんでん)するが、現実には中国自身がいまの世界で最大の軍拡を進め、過去半世紀に周辺の五カ国と戦争をしたのに対し、日本は同じ期間、外国人をただの一人も戦死させていない-などと強調した。
 
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