日米関係の摩擦が思わぬ展開をみせ始めました。

 

まず11月中旬に予定されているオバマ大統領の来日が中止になるようだ、という未確認情報に基づく報道が流れたのです。内容を読むと、単に観測の報道のようにも読めます。

 

 

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オバマ来日中止も!?普天間問題先送りに米側が激怒 title end

date 2009.10.28 date end

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オバマ大統領率いる米民主党政権の要求に対し、四苦八苦している鳩山首相と岡田外相

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で迷走する鳩山由紀夫内閣に対し、米国のオバマ政権の怒りが頂点に達しつつある。何と、来月12、13日のオバマ大統領来日を見合わせるべきだとの意見が急浮上しているというのだ。こうした情報を受けてか、岡田克也外相は急きょ訪米を検討している。安全保障や経済の基軸である日米関係は大丈夫なのか。

 「日替わりメニューのように変わるのはいかがか。具体的内容がないまま、あちらこちらで発言している。そんな簡単なものではない」

 沖縄県の仲井真弘多知事は27日夜、普天間移設問題をめぐり鳩山内閣の閣僚発言が二転三転していることに関し、こう苦言を呈した。

 それもそのはず、27日の鳩山内閣の足並みの乱れはひどいものだった。

 口火を切ったのは北沢俊美防衛相。27日午前の記者会見で、キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市など)に移設する現計画について「われわれの選挙公約を全く満たしていないと認識するのは、少し間違いだ」として、容認する姿勢を打ち出した。
                      (以下、略)
 

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実は私は東京発で上記のような情報が流れていることを知りませんでした。

 

なぜ知ったかというと、ワシントン在の中国関係者からの問い合わせが回り回って、届いたからなのです。こういう報道があるが、なにか知っているか、という問い合わせでした。

 

その後、日米関係に関連する大きなレセプションがあったので、旧知のアメリカ政府当局者に雑談のような会話のなかでちらりと尋ねると、即座に否定されました。オバマ大統領は予定どおりに日本を訪問することになっている、というわけです。

 

だからオバマ大統領の訪日が中止になるというショッキングな事態はいまのところまず「ない」と断言できるようです。

 

しかし不思議なのはこの報道に中国政府関係者が異常なほどの関心を抱いていることです。北京からワシントンの日本関係者にさりげなくにせよ、この件での質問があったことです。

 

聞くところでは、中国政府はこの報道に強い興味を覚え、本当にそんな事態が進行しつつあるのかどうか確かめようとしているようです。しかもこのオリジナルの報道の内容は日本語から中国語に翻訳され、政府関連部局の間で流通しているとのことでした。

 

でも中国がなぜ関心を持つのかは想像がつきます。

中国は日米同盟のあり方にいつも戦略的な関心を抱いてきました。アメリカと日本が摩擦や対立を起こし、日米離反というような事態となれば、実はひそかに歓迎なのでしょう。

 

中国が歓迎するような事態は起きないほうが日本にとってはプラスだという点、自明だとは思うのですがーーー