鳩山政権の日米同盟に対する混迷ぶりは、なおますますその混乱の度合いを高めています。
ことは日本の国と国民の安全保障です。
主権国家の政府を代表する人間たちが、言葉の遊びを続けているのは、きわめて危険です。
なぜ危険なのか。
その理由や背景をとてもわかりやすく解説した論文を読みました。
拓殖大学の渡辺利夫学長の一文です。
ぜひとも読んでください。
【正論】拓殖大学学長・渡辺利夫 外交に「主義」を持ち込む危うさ
2009年11月18日 産経新聞 東京朝刊 オピニオン面
≪首脳会談に肝心なものなし≫
13日夕刻、鳩山首相はオバマ米大統領との首脳会談に臨んだが、成果は乏しかった。
13日夕刻、鳩山首相はオバマ米大統領との首脳会談に臨んだが、成果は乏しかった。
2050年までに日米の温室効果ガス排出量80%削減をめざす共同文書を発表し、さらに「“核兵器のない世界”に向けた日米共同ステートメント」を出しただけであった。
2つが今世紀世界の最重要課題であることは否定さるべくもないが、いずれもまっとうに過ぎてコメントのしようもない。
そもそもこれが2国間の首脳会談で論じられるべきテーマなのだろうか。
核を保有しない日本が“核のない世界を”と叫んだところで「紙つぶて」である。
2050年における温室効果ガスの削減目標など総論は大いに結構だが、工程表を示すことなく40年先の目標を示されても信じる気にはなれない。
いかにも安直な合意ではないか。
せめてオバマ大統領の“顔をつぶさない”ための外交的儀礼だったのにちがいない。
差し迫った問題をなぜ提起しないのか。
差し迫った問題をなぜ提起しないのか。
肝心な日本の国家安全保障への取り組みはどこへいってしまったのか。
日米間の緊急課題は、米海兵隊普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設に関する、2006年5月の日米両政府合意の実現の可否である。
合意の実現なくして米海兵隊のグアム移転、沖縄本島南部に立地する6施設の全面返還はない。
≪基地合意の見え透いた擬装≫
極東の軍事力抑止と沖縄の負担軽減をバランスさせ、この2つを同時に実現する方途は、目下のところ2006年の合意実現以外にはない。
≪基地合意の見え透いた擬装≫
極東の軍事力抑止と沖縄の負担軽減をバランスさせ、この2つを同時に実現する方途は、目下のところ2006年の合意実現以外にはない。
今回の首脳会談では日米閣僚級作業グループを設置して早期解決をめざすことが確認されたようだが、見え透いた「擬装」である。
アジア太平洋を舞台に展開される米軍再編は、兵器体系の進歩とこの地域の地政学の双方をにらんで長期をかけて練り上げられた計画である。
アジア太平洋を舞台に展開される米軍再編は、兵器体系の進歩とこの地域の地政学の双方をにらんで長期をかけて練り上げられた計画である。
これに齟齬(そご)をきたす条件を米国がのむとは考えにくい。
このことを鳩山首相や岡田外相が知らないはずもないのだが、国外・県外移転をうたったマニフェストを重視しなければ「民主」党の身が立たないということなのであろう。
政党であるからにはみずからの「主義」を貫くことが悪いはずはない。
しかし、国家安全保障についてだけは「主義」は危うい。
しかし、国家安全保障についてだけは「主義」は危うい。
刻々と変化する国際政治環境には柔軟で自在な対応を欠かすことはできない。
北朝鮮が核ミサイルの保有を宣言する時期がいずれやってこよう。
中国が国産空母を完成して東シナ海の制海権を掌握する日もそう遠くはあるまい。
その時点で日米同盟が機能不全であれば、日本の外交的敗北は明らかである。
その時点で日米同盟が機能不全であれば、日本の外交的敗北は明らかである。
外交は本来が変幻自在のものである。
不変でなければならないのは、「外交とは国民の生命と財産を守護することだ」という原則のみである。
この一点にさえ揺らぎがないのであれば、軟弱といわれようが強硬と難じられようが、変節漢だの卑怯(ひきょう)だの罵(ののし)られようとも動じない姿勢が外交には必要である。
国益を守るには他に選択肢なしとして劣勢の日本を日清戦争に向かわしめたのも、他日を期して三国干渉という屈辱に潔く甘んじたのも、陸奥宗光という同一の人物であった。
国益を守るには他に選択肢なしとして劣勢の日本を日清戦争に向かわしめたのも、他日を期して三国干渉という屈辱に潔く甘んじたのも、陸奥宗光という同一の人物であった。
「戦争外交」の全局を精細に描いた希代の名著が『蹇蹇録(けんけんろく)』であるが、全編を通じて情緒の陰りや「主義」など微塵(みじん)もない。
国益を守るためにはいかなる外交戦略が必要か。
それだけを徹底的に考え抜いた指導者が陸奥であった。
陸奥の外交官人生は、外交の「原型」を示して余すところがない。
≪「同盟」を機能させるには≫
友邦をもたず戦われた孤絶の戦いが日清戦争であった。
≪「同盟」を機能させるには≫
友邦をもたず戦われた孤絶の戦いが日清戦争であった。
現在の日本は世界最大の覇権国家米国を同盟国として擁しているではないか。
日本を取り巻く周辺国が挑戦的な外交を繰り返し、彼らが日本に照準を合わせているのは核兵器やミサイルである。
専守防衛の日本が日米同盟を堅固なものとする努力を怠っていいはずがない。
同盟とは2国間のものでなければならない。
同盟とは2国間のものでなければならない。
日本が第2次大戦での敗北によって亡国の危機におとしめられたその淵源(えんげん)をたどっていけば、日英同盟の廃棄に行き着く。
明治末の10年と大正期を通じて日本の安全保障を確たるものとしたのが日英同盟であった。
第1次大戦後の覇権国家米国はもう1つの覇権国家日本の弱体化を目論(もくろ)み、そのためには日英同盟を廃棄に追い込むよりほかなしとして日英に迫ってこれに成功したのである。
代わりに与えられたのが日英米仏から成る4国同盟であったが、この同盟が機能することは一度たりともなかった。
同盟とは本来が利害を共有する2国間のものである。
同盟とは本来が利害を共有する2国間のものである。
日本の安全保障が完璧(かんぺき)に守られたのが、日英同盟と日米同盟の時代であったことがその何よりの証である。
民主党政権は東アジア共同体の提唱にみられるごとく、多国間の安全保障をより優れたものだとみているようだが、日本の近現代史はそれが無効であることを教えている。(わたなべ としお)
コメント
コメント一覧 (38)
>国外・県外移転をうたったマニフェスト
これはマニフェストになかったと思います。鳩山さんの選挙膏薬じゃなかったですかね。
日本人は米軍に守られてぬくぬくしてるんで覚醒することはなかなかに難しい。まあ、ヒッキー(引き篭もり)が親に難癖つけてるようなものです。
古森さんのような方には、釈迦に説法ですが、愚論を書かせてください。
・世界には「本気で戦争したら絶対に負けない(痛み分けまではできる)」という国が3つあります。アメリカ、ロシア、中国です。広大な国土、巨大な人口、そして大量の核兵器。
・日本人は、忘れがちですが、わが国はその3大軍事国に囲まれた国なのです。ですから、その3カ国とは戦争をしています。(どこが一番強いか身にしみてわかった筈)
・中立論を唱える人が昔からおりますが、中立とは「みんなと仲良くする」という事ではなく、「誰とも仲良くしない」という意味です。(スイスをみればわかります)3大軍事国に囲まれた日本には、その選択はありません。
・日本が同盟を組むのはアメリカしかありません。まず、ダントツの海軍国です。(海洋国家日本には、何よりこれが重要です。)そして、価値観を同一にし、自国の利益優先ながら、信義にもとることはあまりありません。領土問題を考えてください。沖縄や小笠原を返還したアメリカに対し、ロシアは北方領土を分捕ったまま、中国は資源があるとわかった途端、尖閣諸島の領有を主張し始めました。
沖縄の問題においては、民主党およびマスコミは、沖縄の地政学的な重要性を、そして沖縄の軍事力が下がったら、中国と北朝鮮が喜ぶこと、おそらくは故意に無視しています。
日本に選択の余地はありません。にもかかわらず、小沢の飼い犬である鳩山が問題を引き伸ばすのは、中国を喜ばせたいから、それにつきます。
>主権国家の政府を代表する人間たちが、言葉の遊びを続けているのは、きわめて危険です。
本当に仰る通りです。
歴史を(歪曲/偏向して)利用すれど、歴史から学ぶことはしない。
党利党略のみを追求する民主党。今日のNEWSで岡田外相のその表情を見ていて、
一体何処の国の外相なのかと、反吐が出る程の憤りを感じました。
世間の目先を、また誤魔化す為に新たな(NEWS)仕掛けを行う民主党+売国メディア。
その陰に隠れて売国運動を行う民主党連立政権の行動言動。
日本国民・日本の国益を守る為と感じる機会が皆無です。
そして護衛艦関連NEWS。腸が煮えくり返るほどの憤りを覚えます。
【護衛艦衝突】「海自は国民に謝罪せよ」「自衛艦は関門海峡を通るな」 社民党や労組が申し入れ
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20091121ddlk42040518000c.html
愚生には、あの民主党のキャッチコピーが『他国民の生活が一番』と見えます。
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"The economist"で、この様な記事を見かけました。ご参考まで。
Japan's government
Out of tune Nov 12th 2009 | TOKYO
From The Economist print edition
The Democrats’ debut has been worryingly unharmonious?and the “bond vigilantes” are starting to make groaning noises, too
The economist
http://www.economist.com/world/asia/displayStory.cfm?story_id=14853256&source=hptextfeature
私は普天間の本土移設は日米が真剣に話し合えば可能だと考えています。
一部で関西国際空国への移設案が出るなど、全国に98カ所あり、その中の赤字経営で閉鎖の危機を迎える空港への移設なら、埋め立て工事が無くなる分、早く出来るのではないかと思うので、
辺野古移設の現計画と地方空港移設案との予算、期間、機能を比較、検討する価値はあると思います。
地元が反対する、という理由は沖縄も同じですから理由にはならないと思います。
古森さまは沖縄に嘉手納基地やハンセン、シュワブ、その他の基地を残し、自衛隊基地も残る中で、普天間基地を本土の関空や静岡空港などへ移設した場合、日本の抑止力に悪影響が起こると考えますでしょうか?
朝雲新聞社:コラムより
http://www.asagumo-news.com/f_column.html
>不変でなければならないのは、「外交とは国民の生命と財産を守護することだ」という原則のみである。
そもそも民主党に最も欠けていたのが、上記のことです。小沢氏の第7艦隊発言、拉致は金で解決発言、外国人参政権は韓国政府の要請などの無責任な言動がまず浮かびますね。
中国の軍拡や独裁弾圧体制への無批判や危険認識ゼロの恐ろしさ、それどころか徹底した媚中姿勢、対北朝鮮認識のなさにも表れています。
政権を社民党と連立すること自体、安全保障を無視した政党であることを示しています。もしやむを得ず連立するなら、それは内政だけに限定するべきでした。
野党時代は情報が限定していて考え不足だったのなら、それを国民に説明すればまだ間に合います。安全保障は根幹中の根幹ですから。
>同盟とは2国間のものでなければならない。
日本にとって日英同盟廃棄の教訓は大きいですね。特に日本の場合は一国一文明という特殊性の認識が必要です。
日英米仏の同盟では、英米仏が同じ西欧文明とすれば、日本だけが異文明であり、人種的差別が残り、利害のからむ国家間では日本だけ無視、あるいは軽視されることになるのは必然的でしょう。
NATOという多国間同盟は同じ文明圏の同盟であるからこそ、なんとか機能していると見るべきです。
現在は当時ほど文明間の違いや差別意識は減少しています。それでも民主主義、基本的自由という個人の尊厳を認めるかという根幹の共通価値観の共有がなければ同盟は決して成り立つものではありません。
この面からも中国の中華文明との東アジア共同体のような同盟以上の関係は前提として成り立ちません。
>しかし、国家安全保障についてだけは「主義」は危うい。
> 刻々と変化する国際政治環境には柔軟で自在な対応を欠かすことはできない。
この主張は妥当だと思います。
問題はアメリカがこれからどれだけ覇権国でありつづけるか、ということ。
少しも自明ではない。
一市民の目線から言うと東シナ海で勝手な行動する中国や竹島や対馬を占領する韓国なんて国としては友達にはなれないだろ。どちらか言うと敵に近い野蛮人国だな。
利害が一致するのは米国だけだろ。彼(米国)の身になってあげる事も必要だろ。
すると沖縄の基地問題も前政権の辺野古の海岸移転だし、難しい事は無いはずだったけど、反日左翼の沖縄島民の意見をまともに聞いていたら他県や外国にすべて持っていってになる。
無能の上にバカなオカダあたりは唯一の友人を怒らす事しか出来ない糞だろ。この件じゃポッポも似たり寄ったりのバカチンだろ
折れなんかに言わせると沖縄基地だけでなく、彼らが困っているGMなんかもトヨタあたりに救済させるぐらいいい友達関係にならなければ軍隊も核兵器もない日本の未来は暗い。
所詮国と国も人間関係と同じだろ。オカダのバカのように核兵器の持込があったかどうなんかの、友人のアラ探しに力入れる事しか頭にない香具師が外相なんて国民にとって不幸でしかない、そんな事も報道出来ないマスコミなんて要らんだろ・・・
左翼の政治蚊や左翼マスコミは自国日本の批判ばっかりするが、旧ソ連や中国北朝鮮韓国の批判や批評はしない、だから信用出来ないど・・
お初です。私は正直、民主党の政治姿勢を評価しています。あなたがおっしゃるような『言葉遊び』も感じないし、皆さんのコメントにもある『売国』も感じない。
国民不在、官僚主導の政治の上に、ぬくぬくと胡座をかいて、甘い汁ばかり吸って来た自民党に比べたら、遥かに政治家主導ではないか、と見受けられます。
勿論、国事は1日にしてなるものではなく、大局を見据える器という点で、民主党の行動の全てが評価出来るという訳ではない。
しかし、民主党の姿勢は日米同盟を危機に陥れるものではない。冷戦が崩壊した今日、北朝鮮の脅威はダミーの匂いが濃厚ではないか。日本はアメリカに対して、属国ではなく対等な立場で、口をきかねばならぬ。普天間問題を先送りにしたのは、経済の立て直しの問題が先と考えたのであると同時に、もうアメリカの操り人形にはならぬという、独立国日本としての、鳩山政権の新たな決意ではないか。
古森さんがおっしゃるご批判やご懸念は、些か誇張ではないか、と思われますが。
思うに、かって「日ソ不可侵条約」を一方的に破棄して、終戦の一週間前に日本に宣戦布告をした、ロシアが一方的に南樺太、千島列島に侵入して、その日本領土を奪った、あまつさえ北海道の北半分をマッカーサーにくれと言って断られた例がある。 共産主義国家とは簡単に条約を破るという、歴史的教訓である。
初めまして。
米軍基地を関西のど真ん中や、静岡に新たにつくるというのは、まず地元の反発が激しいのではないでしょうか。いまの沖縄の問題も結局は地元の反発という要因が最大となっているわけですから、国内政治的にこのオプションは難しく思えます。
地元の反対は理由にならないと、あなたは書かれていますが、米軍基地を関西に開設するという場合の日本側としての全体の反応は、一気に次元も規模もジャンプして、日本国全体を揺さぶる新たな論議の炎上が予想されます。
そんな事態に対する政治的リスクをあえてとろうという日本の政権は現状では考えられないのですが。
第二に、地理的に緊急時に米軍が出動できる場所というのも、沖縄と関西や静岡とでは、比較にならないと思います。有事の起きるのが東シナ海とか台湾周辺である公算の高さを考えると、抑止力という点でも、かなり効率がさがるでしょう。
ご質問へのお答えです。
日本国を滅ぼさない政権にするよう主張を続けたいですね。
なにしろ民主主義は数が勝負ですから、地道な説得、主張、教宣が大切だと思います。その場合に、相手をバカ、アホと断じてばかりいても、効果があがらない気がします。
マニフェストの再点検が必要ですね。
自分たちが人間として、社会として、国家として、どのように生きたいかの基礎となる価値観を共有できる相手の国の一つがアメリカだといえます。
この価値観について、価値観の共有について、鳩山政権の首脳たちはひと言も語りませんね。「友愛」というのは国のあり方としての価値観ではありません。「人間は正直でいきましょうね」という程度の通俗的な言葉の遊びですね。
お怒りはわかりますけど、バカとか糞というような言葉の頻度をもう少し減らしていただきたいですね。そのほうがコメントの重みが増えると思います。
お初です、なんていう言葉をかけられると、なんとなくうれしいですね。
日本の独立とか自主性を求めるというご趣旨のようですが、鳩山政権は日本という概念や認識がきわめて薄いと思いませんか。
日本列島は日本人だけのものではない、という言明。外国人参政権の推進。
日本の領土を自分たちのものだと主張する国に対して「友愛」という言葉を差し出し、へりくだる(つまり日本という国の利益を守ろうとしない)
もし日本がアメリカの属国ならば、いまごろは自衛隊が完全な軍隊となり、防衛費もGNPの4%ぐらい、東京都心にはまだ米軍の巨大な施設が残り、米軍日本人部隊がイラクやアフガニスタンで激しく戦っているでしょうね。
沖縄も日本の領土ではなく、全島が軍事基地になっていると思います。
目を覚ましてくださいよ。
その他、多々あります。
国民の利益とは何かを考えると国益を決して無視できない事。
首相が書生的な事を言っている様では日本の将来が危うい
のは自明です。我々日本国民は選択を誤りました。
>お怒りはわかりますけど、バカとか糞というような言葉の頻度をもう少し減らしていただきたいですね。そのほうがコメントの重みが増えると思います。
我々読者も世俗的な所が有り、お行儀は必ずしも良くないです。
尤も玄人の物書きを目指されるのでしたら確かに頂けない
表現ではありますが(^◇^;)
ちなみにイタリアの首相もこの程度の事を平気で言ってのけて
いますしね。'`,、( ´∀`) '`,、
ご回答ありがとうございます。
確かに鳩山総理には日本の国益という意識は薄いですね。というか、国益というものが彼の場合、内需拡大に向きすぎている可能性がありますね。
日本の同盟国は確かにアメリカですが、今後来年のASEANの議長国として、アジアとの友好を維持しなければならず、リーダーシップを発揮しなければなりません。
総理就任後の彼の海外へのパフォーマンスは、国益というより自己アピールの為という印象は、拭えませんね。
ですが古森さん。
貴方のご指摘のごとくであっても、麻生政権に到る一連の自民党政権よりは、あの鳩山パフォーマンスは国民にとって、遥かに有益という気がするのです。
アメリカに対する「一線を引く姿勢」は、これからの外交に必要なものを示唆しているように、私には感じられるのです。
と申しましても、明確な根拠はありません。すみません。
コメントありがとうございます。
>米軍基地を関西のど真ん中や、静岡に新たにつくるというのは、まず地元の反発が激しいのではないでしょうか。いまの沖縄の問題も結局は地元の反発という要因が最大となっているわけですから、国内政治的にこのオプションは難しく思えます。
>
>地元の反対は理由にならないと、あなたは書かれていますが、米軍基地を関西に開設するという場合の日本側としての全体の反応は、一気に次元も規模もジャンプして、日本国全体を揺さぶる新たな論議の炎上が予想されます。
>そんな事態に対する政治的リスクをあえてとろうという日本の政権は現状では考えられないのですが。
>
沖縄の反発は何とか抑え込もうと考えて、大阪、静岡の反発は抑え込もうと考えないのは、沖縄県民は納得しないのではないかと思います。
たとえば、大阪、静岡意外の本土の方は、沖縄なら仕方ないけど、大阪、静岡なら絶対嫌だ。と考えるのでしょうか?
移設先以外の国民はどこに移設でも大きな考え方の変化は無いのではないでしょうか?
安全保障が国民的議論になる事が悪い事だとは思えません。「日米同盟の更なる深化と発展」を望むのなら、普天間移設を辺野古で決着させるのではなく、本土移設を提案する事は将来的にはプラスになると思います。
なぜ、沖縄ならよくて本土はだめなのかもっとマスコミに書いてもらいたいと思っています。
>第二に、地理的に緊急時に米軍が出動できる場所というのも、沖縄と関西や静岡とでは、比較にならないと思います。有事の起きるのが東シナ海とか台湾周辺である公算の高さを考えると、抑止力という点でも、かなり効率がさがるでしょう。
>
嘉手納基地には沖縄、台湾の有事に対応する能力が無いという事でしょうか?
ロシア、北朝鮮周辺では有事は起こる可能性は無いのでしょうか?
渡辺学長のこの論文先日新聞紙上で拝見しましたが、全くこの通りですね。先の日米首脳会談、今まであれほど空疎な会談はなかったのではないかと思いました。歴代の米大統領と我が国の首相の会談の中では、恐らく「最低のレベル」だったのだろうと思います。こんな事ばかりやっていたのでは我が日本は世界中の笑い者になります。いやもう既に笑い者になっているという事でしょう。
それもこれも鳩山由紀夫に国防の意識も国民を守るという気概も何もない事が大きな要因なのだと考えます。一人シナの高笑いだけが聞こえてきますね。
別に貴兄と論争するつもりはないが・・・。
徴兵制があってもなくても、どこの国の国民だって「自分の国は自分らで守る」ぐらいの気概があって当然だと思いますがね。
現在米国政府は普天間問題について不気味なほど沈黙を保ち続けている。
日米首脳会見の直後,ホワイトハウスが出した声明に続いての翌日の大統領の演説を最後としたまま,その後の日本の総理や外務大臣の一連の(挑発?言い訳?)発言が繰り返される中でも米国は沈黙を保ち続けている。
この「沈黙の意味」を日本は読み誤ってはいけない。
アメリカが考えていることは,日本人が考えていることの数倍以上のスケールだ。
彼らは立ち止まらない。米国の頭脳(マシーン)がフル稼働している?
普天間問題は日本の国内問題?良いだろう。しかし,普天間だけが合意の全てではない。
グアムの件で本当に逃げ続けるつもりなのか?
先の首脳会談で既に見切ってはいるが,最終的には,そちらの予算編成の結果で判断するとしよう。。。
判断した結果は,来年以降,明らかにしていくこととしよう。。。
日本からアメリカに一線を引く云々以前に,既にアメリカから一線が引かれているのかもしれない?
政権与党の一角を占める社民党も含めた鳩山政権は非核2.5原則の意味を理解しなければいけないし,理解しているのであれば国民に明らかにする説明(説得)責任を果たすべきと私は考えます。
横レスすみません。
日本には在日米軍の演習場、訓練場、駐屯地、通信施設、飛行場、海軍基地、兵舎などが134施設あります。米軍専用施設が85施設で沖縄県34施設あります。
北海道18施設、青森県7施設、宮城県3施設、東京都7施設、神奈川県14施設、(横須賀海軍基地・第七艦隊司令部、キャンプ座間・在日米陸軍司令部ほか)埼玉県4施設、静岡県4施設、山口県2施設、広島県7施設、熊本県3施設、長崎県13施設、岩手・山形・茨城・群馬・千葉・新潟・石川・山梨・岐阜・滋賀・鳥取・岡山・佐賀・大分・宮崎の各県に1施設
それぞれ戦略的な意味合いがあってロシア、朝鮮半島、中国に備えています。
古森さんが述べられてますように、東シナ海とか台湾周辺の有事に備えての沖縄の米軍基地と考えるのが自然かと思います。北海道、青森県はロシアに備えて、九州周辺の施設は朝鮮半島に備えていると考えるのが自然ではないでしょうか。
大変貴重な情報まことに有難うございました。私も迂闊でしたが在日米軍の基地・施設等全体像を承知していませんでした。こうしてみると普天間を県外に移転などと云うのはなかなか難しいですね。
渡辺学長が述べられていることは全くそのとおりと思います。
民主党は日英同盟の教訓を忘れ、今日において再び過ちを犯そうとしているる様に見えます。日本を取り巻く近隣諸国において価値観、社会体制を共有できる国はなく、東アジア共同体などは尤も危険な考えであり支持できません。仮に東アジア共同体を進めるのであれば、アメリカを積極的に含め、近隣諸国を牽制できる体制であればそれも良いでしょう。
民主党の外交、安全保障の危うさに危惧を抱く毎日です。
古森様の奮闘を祈ります。
詳しい情報ありがとうございます。
自衛隊単独施設とは別に、自衛隊・米軍共同施設が134施設で、米軍専用施設が85施設という事でいいでしょうか?
私は米軍専用施設の把握はしてますが、全国にどれくらいの自衛隊施設があるのかは把握していません。
>古森さんが述べられてますように、東シナ海とか台湾周辺の有事に備えての沖縄の米軍基地と考えるのが自然かと思います。北海道、青森県はロシアに備えて、九州周辺の施設は朝鮮半島に備えていると考えるのが自然ではないでしょうか。
>
本土にも沖縄と変わらない量の自衛隊・米軍施設があるのだという事だと思いますが、
面積で言うと米軍専用施設の75%が沖縄にあり、共同施設を入れても22%が沖縄にあると聞いてます。
県土の面積の10%、1割が米軍基地で、自衛隊施設を入れればもっと基地の割合は増えます。
これはほかに県と比べて多すぎませんか?
私は他の県で面積の0~5%の負担で済んでいる都道府県に、普天間の移設を求めてもいいと思います。現在大阪の負担は1%も無いと思います。
繰り返しになりますが普天間が沖縄から移設する事になっても、嘉手納基地が残り、自衛隊を含めて県面積の10%が軍事基地の沖縄で、抑止力が大きく下がる事は無いんじゃないかと思うのです。
今現在の本土の施設で、中国、韓国、北朝鮮、ロシアの脅威に対する抑止力は万全と言えるのでしょうか?
特に北朝鮮への対応は強化した方がいいと思うのは私だけでしょうか?
本土移設は日本全体の抑止力向上につながると思います。
普天間は、海兵隊の基地。海兵隊というのは陸兵です。
嘉手納は空軍基地で、性質が違います。
海兵隊は、陸地へ送られるので、近いほうがよいのです。本土移転すれば抑止力が落ちます。特に、台湾が危険になります。
お書きになっていることを見ると、いまだに騒音問題みたいに扱っておられますね。
私も、鳩山首相が国連で25%削減を公約したときには、
自分は削減のために何の苦しい努力をすることもないくせに、
自分が立派な人になる自己陶酔のためだけの演説だ、
と本気で批判しました。
ところが今回は2050年80%削減。
怒りと言うより、哀れ、という形容のほうがぴったりですね。
迷走・いいかげん・支離滅裂。
自民政権の末期のような出鱈目の政治状況ですが、
茶番パフォーマンスとサヨクマスコミの偏向報道が支え。
民主政権が延命されればされるほど、日本の傷は深くなりますが、
これも民主主義のコストなんでしょうか。
普天間基地の辺野古への移転案は日米政府がすでに合意を成立させたという大前提を無視することはできません。
その合意の成立にいたる過程では、あなたが書かれている本土の他の地域への移転という案もいろいろ検討されたという経緯があります。
その経緯を無視して、いままた出発点に近いところにもどるという考えの利点がわかりかねます。
それになによりも鳩山政権が米軍海兵隊基地を関西に開設するという案をまともに取り上げるとお思いですか。そういうことをよく理解していて、挑発の議論を提起されているようですね。
横からすみません。
>自分たちが人間として、社会として、国家として、どのように生きたいかの基礎となる価値観を共有できる相手の国の一つがアメリカだといえます。
についてですが、今朝、CNNインタヴュー番組にて、インドのシン首相が考えを明快に語っておられる姿を拝見しました。
こちらの過去のリー・クアンユー氏演説に関するエントリーとあわせて、
「他のアジアの民主主義国は、米国排除という発想自体が民主主義を危機に陥れる」、という考えを共有でるのに、なぜ、日本の首相やその周辺は、米との対立部分しか語らないのか不思議でしかたがありません。
下記は印象に残ったシン首相の言葉です。
●中国をライバルだとは思っていません。わたしたちはデモクラシーをベースに物事をすすめているのです。デモクラシーにおいては変化はスローなのです
●My success is a tribute to Indian Democracy.
●米国とは同じゴールを目指し,同じ価値観を持っています。
こんばんは、
在日米軍に関わることは安保条約に沿って解決されるんだと思います。双方が協議して合意することが前提ですので、辺野古への移転案は古森さんも述べられているように日米が合意成立していますから、これは無視は出来ないでしょうね。
こんばんは、
そうです。米軍専用施設が85施設という事です。
全体面積に占める割合は北海道が33.55%
沖縄が22.68%それ以外の合計が43.7792%です。
数字を見れば全体面積に占める割合は北海道が一番大きいですね。
さて、
冷戦後の両国は戦略面で自衛隊と在日米軍の役割分担や在日米軍基地の再編の見直しについて日米両政府が協議を重ねて合意した経緯があります。
再編の見直しは沖縄にある米軍基地だけではありません。例えば厚木基地の第5空母航空団が岩国基地に移転。 アメリカ軍の航空機訓練を自衛隊施設で行う。陸上自衛隊がキャンプ・ハンセンで訓練を行う。航空自衛隊航空総隊司令部を米軍横田飛行場に移転し、第5空軍司令部と併置する。など色々あり、普天間基地移転もこの中に入ります。
そもそも、民主党は県外、国外移転は米国と合意無しで公約にしたのですから米国が合意出切る案を速やかに出す責任が鳩山政権にあるのです。
出来ないのなら、選挙の為に県民感情を利用したと言われても仕方がないと思いますね
それと後は古森さんが述べている通り出発点に近いところにもどるという考えの利点がわかりかねもす。
大事なのは日米が合意することなんだと思いますよ。
>普天間は、海兵隊の基地。海兵隊というのは陸兵です。
>嘉手納は空軍基地で、性質が違います。
>海兵隊は、陸地へ送られるので、近いほうがよいのです。本土移転すれば抑止力が落ちます。特に、台湾が危険になります。
>
>お書きになっていることを見ると、いまだに騒音問題みたいに扱っておられますね。
>
普天間の海兵隊は沖縄から中東に支障なく展開出来ていたと思いますので、私は普天間が関空に移設になっても、台湾へは問題なく展開できると思っています。
あえて騒音だけを取り上げたのは、沖縄が最大限の残留を県民が認める事を考えた場合の私なりの条件で、理想は一部の指揮系統を残して空港は関空に、陸上部隊は関空、静岡駐留です。
再びのコメントありがとうございます。
>普天間基地の辺野古への移転案は日米政府がすでに合意を成立させたという大前提を無視することはできません。
>
>その合意の成立にいたる過程では、あなたが書かれている本土の他の地域への移転という案もいろいろ検討されたという経緯があります。
>
>その経緯を無視して、いままた出発点に近いところにもどるという考えの利点がわかりかねます。
>
現計画の決定は06年ですが、その際に本土移設を日本が提案した事は無いと聞きました。アメリカが北海道を提案したら日本が断ったと聞いてます。理由は地元が反対するから。だそうです。
その前のSACOでは北海道、高知といくつか検討したようですが、演習場も必要だと言われ、大規模な土地が必要で場所が見つからなかったらしいです。
今は状況が変わり、グアム、沖縄、本土、と分けて移転も可能になったのと、赤字の地方空港への移設は一度も検討してないはずですから、
改めて現時点での最良の移設計画を話し合うのは日米双方に利益になると思うのです。
関空なら現計画よりも予算を大幅に抑えることが可能だし、期間も辺野古埋め立てよりも早く出来ると思います。
日米合意は2014年までに米軍再編を行うことであり、関空移設でも可能だと思います。
辺野古の場合は環境アセスメントの判断次第では2014年に間に合わない可能性があります。グリーンピースが騒げばますます厳しくなるかもしれません。
>それになによりも鳩山政権が米軍海兵隊基地を関西に開設するという案をまともに取り上げるとお思いですか。そういうことをよく理解していて、挑発の議論を提起されているようですね。
>
すみません。お察しの通りです。
保守系の方が「普天間は軍事上絶対に沖縄から動かせない。」というのを良く聞くので、
私は、
「嘉手納には沖縄を防衛する十分な能力があるのではないのか?普天間が本土に移設しても軍事的空白は生まれないのではないか?」
という疑問に対する答えを探してますが見つからないので、ぶしつけながら古森さまに質問をさせていただきました。
質問が不快でしたら答えて頂かなくてもいいです。
>普天間の海兵隊は沖縄から中東に支障なく展開出来ていたと思いますので、私は普天間が関空に移設になっても、台湾へは問題なく展開できると思っています
普天間から台湾のほうが近く、米軍としては普天間のほうが良いでしょう。バカげたご主張だと思います。
こんばんわ。
更に詳しい情報ありがとうございます。
よければもう少し自衛隊施設の情報をうかがいたいのですが、134施設は自衛隊全体の施設なのか、米軍との共同施設で、134以外に別に自衛隊専用施設もあるのかどうなのでしょうか。
>そもそも、民主党は県外、国外移転は米国と合意無しで公約にしたのですから米国が合意出切る案を速やかに出す責任が鳩山政権にあるのです。
>出来ないのなら、選挙の為に県民感情を利用したと言われても仕方がないと思いますね
>それと後は古森さんが述べている通り出発点に近いところにもどるという考えの利点がわかりかねもす。
>大事なのは日米が合意することなんだと思いますよ。
>
古森さんへのコメントにも書きましたが、
「2014年までに米軍再編を完了する事。」が日米合意だと思うので、
お互いに政権交代をしたわけだし、3年前には検討しなかった赤字の地方空港への移設案を現計画と機能、期間、予算を比べて辺野古以外の可能性を検討していく事は、合意の履行の障害になる事は無いと思います。
辺野古移設自体も2014年完成はギリギリですし、環境に配慮しないで強引に建設を進めれば国際的な環境問題になりかねず、期間は守れない可能性があります。
最終目標を米軍再編の確実な実行。として取り組めば関空移設は実現可能な案だと思います。
民主が実現させるかは別問題ですから、裏切られることも考えられますが。。。