チベット問題の実態を知るために非常に貴重な書が出版されました。

 

『約束の庭 中国侵略下のチベット50年』という本です。

 

この本はチベット亡命政府によって2001年に発行された下記の書の翻訳です。

 

    「Tibet Under Communist China: 50 Years」

 

この書の「はしがき」では筆者を代表する形で「中央チベット行政府情報国際関係大臣」が以下の趣旨の説明をしています。

 

 「本書は肥大した中華帝国の隣に位置する民族地域を確実に支配するために、中国政府が従来から行ってきたさまざまな植民地戦略について詳しく、そして総合的に検証しています」

 

 本書は日本ではチベット民族支援組織の努力によって出版されました。その組織の代表の朝野玉美さんから私にも一冊、寄贈されました。

 

 この書の発刊によせて、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表のラクバ・ツォコ氏が次のような「解説」を載せていました。

 「チベット亡命政府は、中国からの分裂・独立を求めてはいません。ダライ・ラマ法王ならびにチベット亡命政府とチベット人は『中国が嫌い』でもなければ、『中国人が嫌い』でもありません。ただ、中国の政策を握っている一部の指導者に対して『改善』をしてほしい、中国政府がチベットで行っている政策が間違っているだけである、とチベット亡命政府は主張しています。今のチベットには自由がなく、実質的な権限を握っているのは中国政府です。

『自治区』とは名ばかりであるのが現状です。(以下略)」

 

 なおこの書の書評が産経新聞11月8日朝刊に掲載されました。 

 

 

 

 

 

【書評】『約束の庭 中国侵略下のチベット50年』  

■中国による偽装排した真の姿

 青蔵鉄道開通で漢人の植民が加速するチベットで、中国が強行するチベット人に対する民族浄化、ウランや森林、水といった豊富な天然資源略奪などの実態を生々しく描く。中国軍が1950年に武力侵攻して以来、これまで120万人が犠牲になった弾圧は、軍事攻撃だけでなく、性器への電気ショックなど拷問による死者も数え切れない。核実験も繰り返され、放射能の影響を調べるチベット人を使った人体実験も行われた。

 現在、核ミサイル基地には数万人の中国軍が配備されているという。また、モンゴル帝国が中国を支配した際も“政教分離”で独立を保ったチベットの歴史も簡潔に紹介。中国による偽装を排した、真のチベットがわかる。(チベット亡命政府・編 南野善三郎・訳/1680円、風彩社)