昨年の共和党大統領候補だったジョン・マケイン上院議員までが日米同盟の揺らぎを懸念し、鳩山政権に対して批判的と受け取れる言明をしました。

 

マケイン議員は年来、日米安保関係には強い関心をみせ、日本をも何度も訪れて、日米同盟の効用の高さを説いてきました。日米同盟堅持の立場をとる有力政治家なわけです。

 

そのマケイン議員が昨12月15日、日米同盟が揺らいでいる状態についてコメントしました。その内容はトーンとしては穏やかですが、よく行間までも読むと、いまの鳩山政権の日米同盟への対応、とくに鳩山政権の普天間基地問題への対処には明らかに批判的であることが歴然としています。

 

John McCain

 

 マケイン議員は現在、上院の軍事委員会の有力メンバーです。

普天間基地や沖縄在のアメリカ海兵隊について議会で審議する立場にあります。

 

 同時にマケイン議員のこの発言は鳩山政権への批判が共和党側へも広がっていくことの兆しかもしれません。

 

 マケイン議員のこの発言を産経新聞で報じました。

 

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「アジア、新政権を疑問視」 普天間問題でマケイン氏


 

 【ワシントン=古森義久】米国の昨年の共和党大統領候補だったジョン・マケイン上院議員は15日、沖縄の米軍基地をめぐる日米間の論議に触れ、アジア全体から日本の新政権の態度へ疑問が向けられていると述べ、在日米軍はアジアの安定要因だと強調、従来の合意の実行を促した。
 

 ワシントンの大手研究機関「ヘリテージ財団」でアフガニスタンに関する主要演説をし、演説後の質疑応答で日米同盟と沖縄米軍基地問題について論評した。

 

 マケイン議員は、アフガンでの米軍の対テロ作戦に関連して自衛隊がインド洋で実施してきた給油活動に対し「非常に重要な寄与であり、日本の国民と政府に感謝する」と述べた。

 

 さらに日米両国間では「沖縄の米軍基地などに関して非常に慎重を要する交渉がいま進行している」と語り、「日米両国が海兵隊やその他の米軍部隊の基地の問題について合意するだけでなく、従来の非常に緊密な安全保障関係を保持することを心から望んでいる」と述べ、普天間問題を含む日米安保関係の諸課題がこれまでの日米同盟を堅持する形で和解を見ることへの期待を強調した。

 

 マケイン議員はまた、「日本に駐留する米軍はアジア全体での安定要因だ」と強調して、日本が従来の合意どおりに在日米軍の再編成を履行することに期待を見せた。

 

 そのうえで、「日本の新政権の態度のために今、日米関係がどうなるのかアジア全体から疑問が向けられている」として、現在の日米間の交渉ができるだけ早期に解決することを望むと語った。

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