小沢媚中朝貢団の北京での言動が広範な批判の対象になっていますが、私はその中国についての新しい本を出しました。
これまで日本では詳しく伝えられることがほとんどなかった中国の実態について初めての情報が多々入った新刊書です。
アメリカの中国研究の報告書を日本語に訳し、注釈をいろいろつけ、日本にとっての意味を解説した、という形式の本です。
タイトルは『アメリカさえ恐れる中国の脅威!』です。
アメリカにとって、そして日本にとっての中国の実態に迫った書でもあります。
12月20日ごろには書店に出ると思います。
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この書の序文は以下のとおりです。
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はじめに
中国とは一体、なんなのか。
中国とはなにを築き、なにを目指す国家なのか。
アメリカにとって、さらに日本にとって、いまの中国はどんな意味を持つのか。
いや世界にとっての中国とはなんなのか。
世界の経済を揺るがし、政治や軍事の面でも、ますますパワーを発揮する中国は、全世界の注視の的である。
私の駐在するアメリカの首都ワシントンでも、ときには中国を語らずして、世界を語るなかれ、とさえ思わされるほどの中国論議のにぎわいとなる。
そのような存在感を劇的に強める中国の実態に奥深く光をあてたのがこの書である。
日本での中国情報には制限や偏向がある。
中国は日本のすぐ近くに位置し、経済をはじめとする交流がきわめて広くなってもなお、日本で公開される情報では、枢要部分がベールに包まれたままである。
たとえば新鋭のミサイルや潜水艦の登場が物語る中国の軍事力拡大の実態、東シナ海で国威を発揚する国家主権の拡大の思考、宇宙やサイバーという領域での攻撃準備、そしてハゲタカとも称される巨大な中国の国家ファンドの内幕・・・などについては、日本での情報はきわめて少ないようである。
この書は日本ではわかりにくい中国のそうした領域の実情を報告している。
アメリカ官民が総力をあげて実施した中国の研究と調査の結果である。
アメリカ議会の常設政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」が長い時間と膨大なエネルギーを投入して続けてきた中国についての調査の二〇〇八年度報告書の翻訳と解釈がこの書の内容である。
中国の実態はどうかということと同時に、その中国をいまのアメリカがどうみるかも、これまた重要である。
オバマ政権下のアメリカにとって中国とはなんなのか。
この命題は国際社会にも、日本にも、きわめて大きな意味を持つ。
中国の実像をどのようにつかみ、その中国にどう対処していこうとするのか。
この作業はアメリカにとって切迫した重大課題である。
そしてアメリカが中国にどう対応するのかは、日本をはじめとする諸国にとって、これまた重大な関心事となるのだ。
アメリカの対中政策やその結果としての米中関係のうねりが日本にとっても重い意味を持つことは言を俟たない。
アメリカのそうした最新の中国への認識や態度を知るのにきわめて価値の高い資料がこの「米中経済安保調査委員会」の二〇〇八年度年次報告なのだ。
同年十一月末に公表された。
アメリカの中国研究は官民ともに日本よりはずっと幅広く、奥行き深く、しかも鋭い切り込みで活発に進められている。
そうした中国研究に取り組む多数の組織のなかでも、この米中経済安保調査委員会は中国に対して最も広範に、最も深層へと踏み込む機関だといえよう。
二〇〇一年に発足した同委員会は「米中両国間の経済関係がアメリカの国家安全保障に及ぼす影響を調査する」ことを活動の主目的とする。
そのためには中国側の経済だけでなく政治、外交、軍事、そして金融やエネルギー政策まで実に広い領域に光をあて、それぞれの動きがアメリカの安全保障にどんな意味を持つかを探究する。
その結果を議会や政府に政策勧告として通告する。
(中略)
さて、では最初に年次報告の内容の概要を紹介しよう。
この報告は二〇〇八年の同委員会の調査や研究、分析、そして提言の総括である。
同委員会はこの公表分の報告書とは別に政府諸機関や上下両院議員向けに秘密の報告書を提出した。
同年次報告は内容全体のなかでの主要な調査結果として以下の諸点をあげていた。
▽中国の人民元の対ドル交換レートは中国当局の操作により不当に低く抑えられている。
▽中国当局は政治や経済の利益を追求する手段として主権国家資産ファンド(SWF)を使うようになった。
▽中国は高度技術製品の取引や開発を従来の規範に違反する形で進めている。
▽中国はなお問題のある大量破壊兵器の拡散に関与している。
▽中国は国家の主権という概念に特異な見解を示し、国際合意を無視する形で主権の拡大を図る。
▽中国のアメリカのコンピューター・システム侵入や宇宙での動きはますます脅威となってきた。
本書は以上の大別六つの領域についての報告である。
しかし元の報告にはさらに以下の諸点についての記述もあった。
▽中国の海産食品の対米輸出にはアメリカ国民の健康への脅威が存在する。
▽中国の活発な動きが世界のエネルギー供給を激変させ始めた。中国の炭酸ガス排出も急増してきた。
▽中国は種々の新たな手段で外交的影響力を強化している。
▽中国の韓国、日本、台湾との関係のうねりはアメリカにも大きな意味を持つ。
▽中国の国内でのニュース・メディアやインターネットの規制は国際的な懸念を生んでいる。
▽中国の刑務所労働による製品のアメリカへの輸出がなお問題となっている。
以上の項目については本書では紹介はしていない。
日本にとってそれほど重要な部分ではないということではなく、あくまで一冊の書として紹介するには量的に多すぎたことからの省略となった。
報告はその全体の「序」では二〇〇八年が鄧小平氏による改革開放の開始から三十年にあたることを指摘していた。
鄧氏が求めたシステムは「中国的特徴の資本主義」とか「市場社会主義」と評されてきたことを強調する。
その上で基本認識として次のように述べていた。
「中国の経済自由化への道がやがては自由市場経済の資本主義、さらには民主主義にまで通じるだろうという西側の期待はまったく打ち砕かれてしまった。この報告が詳述するように、中国当局はまったく異なる道を選んだのだ。その長期の経済成長の疾走は政治改革への足がかりではなく、むしろ逆に中国共産党の永続統治の正当化に利用されてしまった」
「二〇〇八年夏の北京五輪は中国の金メダルの大量獲得こそ実現させたが、その一方、世界の視線を中国の急速な経済成長の環境問題への悪影響や自由な言論、自由な思考、自由な報道への政府当局による無慈悲な抑圧へと向けさせることとなった」
この報告全体が特徴づける中国のいまのあり方は、このへんの記述によって浮き彫りにされるといえるだろう。
きわめて批判的、警戒的な対中認識なのである。
このへんはオバマ政権自体の中国への姿勢よりはずっと強固だといえる。
オバマ政権はこのところ中国への批判や非難はできるだけ抑えるという方向へ傾いているのだ。
しかしこの報告も「序」の部分で中国の前向きな動きにも光をあてていた。
「二〇〇八年中に中国はより多くの国際的な責任を負担することにもなった。六カ国協議への中国の関与は北朝鮮の核兵器を破棄させるための交渉に寄与する結果となった。中国は核兵器の拡散防止自体に対し協力を増してきたのだ。中国はインドとロシアとのそれぞれの国境紛争を平和的に解決した。世界貿易機関(WTO)でもさらに積極的な役割を果たすようになった。二〇〇七年は衛星攻撃兵器の実験を突然、断行して、宇宙に危険な破片をばらまく結果となったが、二〇〇八年九月には初の有人宇宙飛行を平和裏に実現させた」
つまりは中国の動向はアメリカからみれば、光と影、明と暗と、安全と危険と、多様なコントラストを描くこととなる。
だがそのなかでもアメリカにとってはまだまだ脅威や懸念の元となる中国の動きが多いというのがこの年次調査報告が描き出す全体像だといえそうである。
さて、では報告の主な内容を分野ごとに区分して伝えることにしよう。
原文のそのままの引用と要約と解説を組み合わせながら各部各章ごとに紹介していくことにする。
二〇〇九年十一月
古森義久
コメント
コメント一覧 (28)
「中国の経済自由化への道がやがては自由市場経済の資本主義、
さらには民主主義にまで通じるだろうという西側の期待は
まったく打ち砕かれてしまった。
この報告が詳述するように、中国当局はまったく異なる道を選んだのだ。
その長期の経済成長の疾走は政治改革への足がかりではなく、
むしろ逆に中国共産党の永続統治の正当化に利用されてしまった」
これはその通りだと思いましたし、空しさを感じました。
中国人は、誰かが何かを善意でしても、それはその人にとって得だからするんだろうと理解すると、どこかで読みましたが、
日本の巨額の対中ODAも、同じ結果だったなと。
民主党政府は露骨に媚中反米ですが、アメリカの傘を捨てて、中国の傘に入れてもらうつもりなのでしょうか。
これは注目の書ですね。早速購入して読ませていただきます。
本日、高山正之氏の講演会に行ってきましたが、古森さんの名前も出てきましたよ(^^)。
今手元に「シナ人とはなにか 内田良平の『支那観』を読む」があります。先日の「関東大震災『朝鮮人虐殺』の真実」とそれに「NHK捏造事件と無制限戦争の時代」となかなか読むのが大変な本があって、コッチまでてが出るか難しそうです。(^^;
しかし、こんなに支那が問題になるなんて、もうちょっと先のことだと思っていたのに、いらないことをしてくれる人たちっているもんですね。
こういうものなら興味深い。ともあれ買ってみようと思う。
今月の17日に東京で電車に投身自殺した人が合計で3人出ました。もちろん3人ともテレビにも新聞にも報道も記事にもなりません。数年前ですが近所の公園の木に首吊り自殺した男の人がいました、それも新聞記事にも載りませんでした。年間3万人も自殺すれば珍しくないのか、それとも報道自粛規制なのか知りませんが、異常な人数です。
今度生まれ変わったら同じ日本で生まれたいとした人は2割ないぐらいです。反対に日本より遥かに貧しいブータン王国は9割以上の人が幸福と感じていて生まれ変わってもブータン王国でと言う人がいます。2000年までテレビ放送が禁止されていた事も理由かもしれません。
国民は国王を慕い尊敬しています。また昭和天皇が崩御させた時は国民が一ヶ月も喪に服したことも感嘆に値します。
翻って今の日本の現状は何のでしょうか? 公務員の人件費や税金、光熱費などで物価高で仕事が海外に移転して大失業時代になり、民主党の政治家は何をしてるんでしょうか?
日教○という組織が日本を解体しているのに民主党は何しているのか?天皇陛下の政治利用、公共事業の縮小、米国軍事同盟の決裂間際、など。
するべき事をせず、よけいな事をする民主党政権。どの道巨大な反日マスコミがバックについているから選挙は楽勝だろうが・・・
今に自殺者4万人5万人時代が来る、そんな不幸な国は誰が作ったのか?マスコミに騙された国民か?反日マスコミか? 罪は重い。
その通りです、テレビや左翼新聞や中央や地方のマスコミ、ジャーナイズムが反日なのですから、それが民主党に政権交代して、増々、民主党の機嫌を伺う様になって、本当に民主党独裁政治日本、の様な風潮に日本の民主主義の危機を覚える。
>この書は日本ではわかりにくい中国のそうした領域の実情を報告している。
本当に分かりにくい中国ですね、それを反日のジャーナリズムが勝手に、己の都合の良いように、親中国、親朝鮮の、評論家が中国は「バラ色の國になりますよ~」という様に、日本国民を誘導しているのですよね、「東アジア共同体」が、そのいい例ですね。 その中国と仲良く手を携えて「恋の道行」の果てが、日中の心中ではなく、日本が死んで中国が生き残るという事なのだ。 「大が小を飲み込む」のは当たり前な事ではないか、中国は巨大な竜だ、舌舐めずりして獲物を待ち構えているのだ。
「中国の経済自由化への道がやがては自由市場経済の資本主義、
さらには民主主義にまで通じるだろうという西側の期待は
まったく打ち砕かれてしまった。・・・」
中国に勝手に幻想を持って、尻尾を振れば脅威ではない、
というようなことをサヨクマスコミやサヨク評論家がいいますが
簡単に篭絡されるような、つまり詐欺に簡単に引っかかるような
アホに思えてしかたがありません。
最近では中国のCOP15での暗躍でもそうですね。
ちなみにわが首相は、25%目標と途上国へのバラ撒きで、
国際社会において環境対策を主導すると言っていたが、どうだったのか。
麻生氏の出した数字を恥ずかしいと言っていたが、
麻生氏以下の中国や他国に対して彼は何と言ったのでしょうか。
高い目標を出すことで自分は立派な人間になったと
お目出度い姿態をさらして自己満足するのは勝手ですが
先進国の高い目標とばら撒きは、途上国のごね得を誘発したのです。
中国のやったことなんて、生活保護や道路工事での立ち退きと同じ。
先進国の実現性のない高い目標が、他国の排出権の利得を期待させ、
低い目標を志向させた。
おまけに他国が反発すればするほど支援額を増やす。
つまり鳩がネギを背負って国際社会に乗り出してしまったのです。
鳩山氏は主導したというより、国際社会を逆方向に向けたのです。
本当にCO2排出を抑えたいのであれば、
目標数値でなく、実績数値を下げること。
実績に対して報酬を与える仕組みでなければ進展するわけがない。
途上国による「先進国の責任だ」理論が正しいのなら、
途上国は今後も途上国であり続けさせる、支援などしない、
と言わねばならないのです。
今の仕組みは甘っちょろい福祉政策と同じなのです。
それにしても、中国が義務を負わねば意味がない、
と言ったブッシュの認識がいかに正しかったか。
ブッシュ以後、小泉以後、を見るにつけ、一層彼らの正しさが明らかになります。
向こうからメールが来るのが早いかもわかりませんが、早く一読したいものです。
高校生の模擬議会、模擬閣議でももう少し建設的、賢明な運営がはかられると言う気がするほど、現内閣の幼稚な行政運営に末恐ろしいものを感じます。
鳩山自身が先の国会で、公約違反なら世論に問うこともやぶさかでない(といった単語を使ったかどうかあやふやですが)そうですから、ぜひ実行して貰いたいものです。
もとろん、党主にどなりあげられていつもの詭弁を弄するだけでしょうが。
御著書の出版、楽しみにしています。
ブログの記述を拝読して、日本外交・国防は中国の脅威に対する警戒が最重要だと改めて思います。
今問題の普天間には、沖縄旅行で行ったことがあります。
タクシーから降りた途端、戦闘機の爆音で腰を抜かさんばかりに驚きました。住民の方の苦労や憤懣、如何ばかりかと思います。
しかし、だからといって日米安保破棄はあまりに危険すぎます。
沖縄基地問題に関して誰もが万歳と喜ぶ政策はあるはずがなく、少しでもベターな道を探るのが政治だと考えます。
そのベターな道が辺野古移転だと思うのですが…
ムック「別冊宝島 2010年日本v.s.中国!」で、藤井厳喜氏が、沖縄の基地がなくなって一番喜ぶのは中国共産党です、と述べていたのが印象に残ります。
報道では「大雪で交通機関混乱=首都は非常事態宣言」との事ですが大丈夫ですか?
非常事態宣言って大変そうですよね。
日本の民主党も媚中反米なら、その思考をはっきりと政策で表明すべきですよね。
なのに、日米同盟が日本外交の基軸だなんて、本音を糊塗しているのは本当に卑劣であり、危険だと思います。
ご心配ありがとうございます。
記録破りの大雪はたしかにものすごいです。
こういう雪でもほぼ自由に動ける四輪駆動の車の威力に感嘆しています。
普天間は、米軍が上陸して滑走路を作りはじめたときには、畑だったそうです。沖縄の人口はそれ以来増え続けて約2倍ほどになりました。たしかいま1300満人。普天間の周りにでも住宅を新築しないといけなくなったんでしょう。あのあたりの人らにいつ引っ越してきたのか聞いてみると興味深いかも。
失礼します。
沖縄の人口はH21年11月1日現在 1387020人です。
基地が出来て周辺が開かれていったようですが、まあ自然の
流れですね。
<United States-China Economic and Security Review Commission>
http://www.uscc.gov/index.php
あと,
2009年年次報告書と同日に発表されたもう一つのレポート
「中国が用いる認知操作と戦略的ごまかし(策略)」
<China’s Use of Perception Management and Strategic Deception>
http://www.uscc.gov/researchpapers/2009/ApprovedFINALSAICStrategicDeceptionPaperRevisedDraft06Nov2009.pdf
今度,帰国された折に,このテキストを使って日本人向け古森塾など期待したいです。
おはようございます。
ご関心を感謝します。
2009年度分、そのとおりです。
>
>今度生まれ変わったら同じ日本で生まれたいとした人は
>2割ないぐらいです。
私の見た昨年の国際統計では、80%の日本人がもう一度
日本に 生まれ変わりたいと言っていますよ。
お隣の韓国では、もう一度、生まれ変わりたいと言ってい
人は20%でしたが。
世界を旅すれば判りますよ、日本が一番幸せな国だと言う
ことがね。
民主党のマニフェスト「沖縄ビジョン」には、沖縄を日本から独立(自治領)させ、中国語を大々的に普及させ、諸々の中国化を図るように記載されていますが、小沢氏の一連の中国詣でを傍観していると、本気のようにも思われます。
当然、沖縄が独立(自治領)になれば自衛隊は撤退だし、米軍も今のままでは済まないでしょう。人民解放軍がやって来るのでしょうか(笑)。
左翼の戯れで終わって欲しいですが。
NHKの偏向・捏造報道の頃から小森様のブログを興味深く拝見しております。
本日神保町に用事があったのでの某書店に立ち寄りましたら
平積みになって目立つところにありましたので早速購入!
これからじっくり読ませていただきます。
新参者ですがよろしくお願いいたします。
初めまして。
ありがとうございます。
この書は自画自賛かもしれませんが、新しい情報が満載だといえます。
> この書は自画自賛かもしれませんが、
とんでもありません。とても貴重な情報です。
だからこそ,言葉の足りなかった先のコメントで私は提案しました。
今年度のレポートとセットで,日本における「古森塾の開催」が必要という提案との繋がりです。
それは,前後の繋がりを視野に入れた動的な状況判断の必要性です。
それは,今の日本において,アメリカと歩調を合わせつつも日本独自の客観的な視点をアメリカにフィードバックしていける日本のスタンスのあり方です。
少なくとも,私の英語力ではダメなのです。。。
失礼しました。
jiro.siwaku
中国は日本の沖縄に対する主権を認めたことがない。
アメリカの学者たちもよく指摘することです。
中国が自国の主権をいかに拡大解釈しているか、この書の主要な章のひとつです。
アメリカが持つ中国情報は、やはり日本とくらべ、情報収集の手段が異なります。
偵察衛星で上方から常に観察し、人民解放軍の内部の交信を準備し、というのが、その手段の氷山の一角です。
日本では中国の軍事行動の偵察、なんて、述べたとたんに、「危険な軍国主義」(中国ではなく、日本の軍国主義ですよ!)だなんて、同じ日本人から非難されるのだから、クレージーです。その結果、中国が日本に照準を合わせて配備した核ミサイルの情報さえ、日本独自では得られないということになります。
天安門事件は不良学生の暴動、チベットとウイグルは独立をもくろむ悪人の暴動、四川大地震は共産党政府によって救われた、こんなバカな報道を鵜呑みに信じている若者たちに囲まれて、時々語る言葉を失います。
ある中国人は、共産党政府の教育の一つが、人々から多様な価値観で物事を深く考える力を失わせることであり、その矛先が今大学生に向かっていると言っていました。思考能力を失った大学生の短絡的な愛国主義、その大学生が今の自分の生活が苦しい、あるいは仕事がみつからないのは、政府の失策だとも思わず、ただただ国外脱出を考える様子は異常です。
たまに日本に帰るたびに中国人の多さに、大丈夫かなと思います。付き合うなというのではなく、ちゃんと付き合う方法を知らない日本人が大半でしょう。親切にすればするほど利用され、はっきりNOと言うことが彼らとまともに付き合うこつなんですが、「優しくしてあげればわかってくれる」と考える日本人の甘さに歯がゆい思いです。
>st-judy-comet さん
>
>普天間は、米軍が上陸して滑走路を作りはじめたときには、畑だったそうです。
それは初めて知りました。
遅くなりましたが、ありがとうございます。
> st-judy-comet さん
>
>おはようございます。
>
>ご関心を感謝します。
ご著書、読み終えたばかりです。
経済、科学技術、外交、軍事、あらゆるルートで中国がしたたかに国益を追求し覇権を拡大していこうとするさまが、ありありと伺えます。
私は理工系大学で応用数学の研究・教育をしてますが、中国の科学技術レベルが想像以上に高くなっているという印象をもちました。
日本の教育界は、よく言われるように、学力低下が問題となっています。
この問題は科学技術立国の危機ということで問題視されることが多いですが、学力低下が産業力・国力の低下を引き起こすと他国の覇権を許してしまうおそれがあるという意味でもこの問題を考えるべきかと思いました。