中国がアメリカの政府債や株式を大量に保有していることにより、アメリカ側が弱い立場に追い込まれている、という説があります。

 

 中国がアメリカの債券類を一挙かつ大量に売るとアメリカの経済が崩壊してしまう、という説もあります。

 

 中国は政治的な理由や安保上の理由で自国が保有するアメリカ債券類をどっと売る、つまり政治売り、報復売り、威嚇売りをすることが実際にあるのか。実際にそういうことができるのか。

 

 アメリカ議会でそんな点が論議されました。

 

 その報道記事を紹介します。

 

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米議会公聴会 「対中債務」に危機感相次ぐ
2010年02月27日 産経新聞 東京朝刊 国際面


 

 【ワシントン=古森義久】米国議会の対中政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は25日、「米国の対中債務」と題する公聴会を開き、米国が財政面で中国の資金に依存していることの危険性について議員や専門家の見解を聞いた。

 マイケル・ウェッセル委員は中国が世界最大の外貨保有国として2兆ドル近くを保有し、米国に対しては巨額の貿易黒字を米国政府債の購入などにあてることで、米側に財政面での対中依存を生んできたと提起し、「中国は米国の依存をさらに高めようとしており、政治や安全保障面への考慮が必要だ」と述べた。

 フランク・ウルフ下院議員(共和党)は「米国政府が巨額の財政赤字を中国からの資金で埋めるという現状は中国に潜在的な強みを与える。中国は米国とは基本的に異なる世界観や政治体制を持ち、イラン、北朝鮮、東アジア全般でも米国の利害とぶつかる政策を推進している」と述べ、中国に財政面で米国を動かしうる力を与え続けることは危険だと強調した。

 証人のダニエル・ドレズナー・タフツ大学教授も中国人民解放軍の将軍が最近、オバマ政権の台湾への武器売却に反発して、「米国政府債を大量に売ることで米国に懲罰を与える」と発言したことを指摘して、米中の財政関係が中国側に安保面などでの圧力の道具を与えていると証言した。

 しかしデレック・シサーズ・ヘリテージ財団研究員は「逆に中国側の米ドル依存は米国債の購入と保持を必要としており、政治的な理由でそれを大量売却できるような柔軟性はない」という異なる見解を述べた。

 エスワー・プラサド・ブルッキングス研究所研究員も「中国は貿易でも投資でも米国に依存しており、米国債などを大量に売るとなると、巨額の損失を覚悟しなければならない」として、対米揺さぶりの能力にも限界があると述べた。
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 中国にとっても現実はそう簡単ではない、ということでしょうか。
 
 俗説を信じてはいけない、ということのようです。