首都ワシントンの中心に近い場所にある柔道クラブからのささやかなお知らせです。
 
このクラブは日米友好の象徴、あるいは日本と他の諸国からの人たちの柔道という肉体言語を通じての交流の場だといえます。
 
なおこのクラブの情景の写真をいくつか載せました。
よい写真ではないですが、空気は少しは伝わるかもしれません。
山下泰裕氏が指導のために訪れた際のグループ写真もあります。
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【外信コラム】ポトマック通信 全盲柔道選手のパワー
2010年03月01日 産経新聞 東京朝刊 国際面


 

 私の通う「ジョージタウン大学・ワシントン柔道クラブ」に最近、目の不自由な選手が入ってきた。
 
 2008年夏の北京パラリンピックの柔道部門100キロ超級で米国代表として戦い、3位となったグレグ・デウォール選手である。

 彼の顔を最初に間近にみたときは正直にいって、ややたじろいだ。
 
 すっかり変形して鉄仮面のようになっていたからだ。
 
 だが話してみると、ごく明るい米国人青年だった。
 
 いま29歳の彼は17歳のときに自殺を図り、散弾銃を自分のアゴにあてて引き金を引いたのだという。
 
 一命はとりとめたが、両目を傷つけ、視力を失った。

 カリフォルニアの大学に通ううち知り合いの医師に勧められて6年ほど前に柔道を始め、すぐに熱中して、めきめき強くなった。
 
 北京での競技後、体育学の勉強を続けるため首都ワシントン地区の大学に通うようになったという。

 デウォール選手は全盲だが、一般の黒帯のかなり強い連中とでも果敢に練習をする。
 
 相手の柔道着を両手でしっかりと握れないうちは投げられてしまうことも多かったが、いったん握れば大外刈りなどでパワーを発揮した。
 
 そして寝技となると、すごい強さだった。

 彼は毎週3回のこのクラブでの定期練習のうち2回は必ずくるようになって、他のメンバーたちとの会話にもごく自然に加わるようになった。
 
 柔道は米国の身体障害者にもこれほど愛好されるのである。(古森義久)

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Sensei (Instructors) of the Washington Judo Club

James Takemori

Tad Nalls

Tsuyoshi Miyazaki

Yoshihisa Komori