中国海軍がいよいよ自国独自の航空母艦を建造し、アジアの海に配備する、という話です。

 

【ワシントン=古森義久】

 

 

 米国議会調査局は上下両院議員の国防関連議案審議用の資料としての中国海軍近代化についての最新報告で中国が2015年から5年ほどの間に6万㌧から7万㌧の航空母艦最大限6隻を建造する見通しがある、と警告したことが明らかとなった。

 

 中国はすでに空母搭載用の戦闘機パイロットの訓練を開始したという。

 

 同調査局がこのほど作成した「中国の海軍近代化=米海軍の能力への意味」と題する報告は中国人民解放軍の海軍の戦力強化の主要領域として航空母艦をあげて、「長年の議論や推測を経て、いまや中国が空母建設の計画を開始することが確実となった」という結論を打ち出した。

 

 同報告はそのうえで米国の海軍や情報機関から得た情報を主体として中国海軍が

 

 ①ウクライナから購入した旧ソ連海軍の空母ワリャーグを近く訓練用の空母として配備する

 

 

 ②同時に2015年から5年間に中国独自の空母1隻から6隻を建造する計画に着手する

 

 ③当初は4万㌧程度の通常推進空母の建造を目指すが、やがて6万㌧から7万㌧の原子力空母の製造を目標とする

 

 ④4万㌧級だと艦載機は垂直上昇の小型機に限られるが、7万㌧級だと通常の艦載戦闘機40機以上の発着が可能となる

 

 ⑤ロシア製の空母発進の艦載戦闘機Su33を約50機総額25億㌦程度で購入する交渉をすでに始め、同機の中国人パイロットの養成を開始した

 

 ―ことなどを記している。

                 Su33

 

 同報告は中国の国産空母の実戦配備は早くとも2015年以降になるとしながらも、中国軍空母は台湾攻略にはとくに必要な戦闘能力とはみなされないと述べ、台湾有事を越えるパワー・プロジェクション(兵力の遠方への投入)への効用を強調した。

 

 同報告は中国の空母保有を純軍事的な大国化だけでなく、政治や外交の面での大国の威力の発揮を可能にする軍事手段として定義づけ、空母開発は中国の世界での比重の増大に直結するとも解説した。

 

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