伊藤忠商事から中国駐在大使に起用された丹羽宇一郎氏が中国の軍拡に理解を示しました。
中国の代表なら中国の軍拡に理解を示すのは当然でしょう。
中国とのビジネスい生きてきた日本商社の代表としてならば、同じように中国に理解を示すことは、それほど不自然ではないのでしょう。
しかし丹羽氏は日本の国民や国家の代表に任じられたのです。
中国の行動は中国にとって有利になるなら、それはよいとする、というのでは中国の大使と変わりありません。
あくまで日本にとってどうか、という視点が欠かせないはずです。
そんな感想とともに、丹羽氏の問題発言についての産経新聞記事を紹介します。7月27日付です。
=====
丹羽大使 中国の軍事力増強 「大国として当然」
2010年07月27日 産経新聞 東京朝刊 1面
今月末に赴任する丹羽宇一郎駐中国大使(元伊藤忠商事社長)は26日、都内で開かれた歓送迎会であいさつし、2009年まで21年連続で国防費が2けたの伸びを記録するなど中国の軍事力増強が続いていることについて「大国としては当然のことといえば当然のことかもしれない」と述べた。中国の突出した軍拡には日本や米国が警戒感を示しているだけに、菅直人政権の「目玉人事」である丹羽氏の発言は波紋を広げそうだ。
丹羽氏は経済面でも「この先、日本が2%、中国が8%の成長を続ければ10年後には中国の国内総生産(GDP)は日本の2倍になる」と指摘した。
また、政治力に関し「日本は中国に比べ世界的に落ちている」とし、「日本はあまりにもリーダーが代わりすぎる」と述べた。そのうえで菅政権に対し「現政権は少なくとも数年間、世界の信頼が得られるような長期政権を続けていただきたい」と要望した。中国側に対しては、「世界に大きな影響を与える大国であり、その自覚を持ってもらいたいと申し上げたい」と強調した。
丹羽氏はこれに先立ち同日、都内の日本記者クラブで記者会見し、1ドル=6・78元台で推移する人民元相場について「1ドルは4、5元にならざるを得ないだろう」と語った。「大使が言うのは問題なので、個人的に言う」と前置きしたが、大使が駐在国の為替相場について具体的に発言するのも異例だ。人民元問題をめぐり中国は6月にドルとの相場連動を解除したものの変動幅はごくわずかにとどまっている。多額の貿易赤字を抱える米国は反発しながらも、今後の推移を監視するため、「為替操作国」の認定を見送るなど、「極めてデリケートな問題」(外交筋)となっている。
一方、大使館員がホステスの接客するカラオケ店に出入りすることを禁止する方針を継続する考えも表明した。丹羽氏は「(中国では)スパイ行動や盗聴が起きている。国に多大な被害をもたらす可能性がある。『君子危うきに近寄らず』だ」と述べ、赴任後館員に注意を促す意向を示した。
丹羽氏は「農家補償を出すなんていうのは本当に愚策だ」とも述べ、戸別所得補償制度を暗に批判した。
また、政治力に関し「日本は中国に比べ世界的に落ちている」とし、「日本はあまりにもリーダーが代わりすぎる」と述べた。そのうえで菅政権に対し「現政権は少なくとも数年間、世界の信頼が得られるような長期政権を続けていただきたい」と要望した。中国側に対しては、「世界に大きな影響を与える大国であり、その自覚を持ってもらいたいと申し上げたい」と強調した。
丹羽氏はこれに先立ち同日、都内の日本記者クラブで記者会見し、1ドル=6・78元台で推移する人民元相場について「1ドルは4、5元にならざるを得ないだろう」と語った。「大使が言うのは問題なので、個人的に言う」と前置きしたが、大使が駐在国の為替相場について具体的に発言するのも異例だ。人民元問題をめぐり中国は6月にドルとの相場連動を解除したものの変動幅はごくわずかにとどまっている。多額の貿易赤字を抱える米国は反発しながらも、今後の推移を監視するため、「為替操作国」の認定を見送るなど、「極めてデリケートな問題」(外交筋)となっている。
一方、大使館員がホステスの接客するカラオケ店に出入りすることを禁止する方針を継続する考えも表明した。丹羽氏は「(中国では)スパイ行動や盗聴が起きている。国に多大な被害をもたらす可能性がある。『君子危うきに近寄らず』だ」と述べ、赴任後館員に注意を促す意向を示した。
丹羽氏は「農家補償を出すなんていうのは本当に愚策だ」とも述べ、戸別所得補償制度を暗に批判した。
=======
コメント
コメント一覧 (24)
そういえばスパイや諜報機関のない国って日本以外にもあるんですかね。
タイやインドネシア、フィンランドやブラジル、インドといった温厚そうな国にも諜報機関やインテリジェンス機関はしっかり存在するんでしょうか。
でも財界人の国際センスなんてこんなものかもしれませんね。中国で車売りたいから、「首相は靖国に行くな」なんていう経団連会長がいたくらいですから。
一応、すぐにソロバンに影響する為替の事は非常に気になるようです。この点は民主党よりはまもと一応評価しますが、国家100年の事を考えているのかというと、ちょっと疑問。
国際センスと経営センスは全く別物ですが、根底に相通ずるものがあるような気がします。目先の金儲けしか目がいかないか、国家100年のことを考えるのか。
現在の日本経済の低迷の理由のひとつは、目先の金儲けしか考えない経営者の質的低下のような気がします。
>「大国としては当然のことといえば当然のことかもしれない」
平和賛成、戦争反対の国民の多い、日本の国民感情を鑑みれば、
>中国の軍事力増強が続いていることについて
たとえ、大国であろうと、北朝鮮のような小国であろうと、
懸念を示すのが、外交家の常識的センスではないでしょうか。
こんな無能アカちゃんが大使になっている現実を、大手マスコミは躊躇せずに指摘すべき。しかも、よりによって中国の軍拡を許容するかの言説は、はっきりと日本政府の立場と矛盾している。
日米同盟についての認識を明らかにしてから、かかるバカ言説を垂れ流すならまだしも、こりゃとても大使どころか、オトナでさえないよ。
ロジカルなところが皆無なんだよね、このオッサンだきゃ...
いつ見ても思いつきのような言葉の切れっぱしを連続しているだけの空気読みガクセーなんだよ本質が。
胸が悪いよ...(泣)
わたしは資本主義の体制の国に居ながら、共産主義をを信奉できるひとの意識構造が不思議に感じています。
丹羽宇一郎氏は、一国二制度を語る中国共産党独裁国に駐在する日本国の大使として赴任されるのです。自分の立場を自分で守る方便として、「現状の追認」として理解ができませんか。
彼が言う「中国は大国だから、それをわきまえてふるまえ。」の気持ちで今後どのような外交が展開できるか期待したいと思います。
大使の唯一拠りどころである国が、自国の防衛手段である潜水艦の増強すら口にできない総理大臣を戴いている。輝かしい実績のあるひとです。国に対する最後のご奉公。決死の気持ちではないでしょうか。
まさか老醜を晒すようなことはしないと信じます。
職業外交官では出来ない仕事を期待しましょうよ。
カネさえ儲かれば、政治も外交もどうでもよいという人が大使だとすれば、その大使を送り出す国民は悲劇の主人公となりますね。コメディかな?
増大する中国の軍事費について丹羽氏は「透明度を高める努力をしているが、まだ世界各国に比べれば不十分だ」と懸念を示し、「透明性を高めて行くように、日本としても要望していく必要がある」と指摘した。さらに「世界の平和と安定のために、大国としての言動の重みをもう少し自覚し、行動することを期待している」と語った。
大使としての活動を注視して行きたいと思います。
>コメディかな?
それもかなり安物の...(泣)
丹羽はくだんのサブプライムローン危機の後
「今回の金融危機はその歯止めが利かずに生じた資本主義の暴走以外の何ものでもない。その過程では自分たちの能力を過信した数々の強欲や傲慢が跋扈したことだろう。」
てなことをくりかえし発言しているが、当のサブプライム危機がそもそも当時のセネター・オバマら「全ての人に住宅を」てなケインジアン丸出しの市場原理を無視した民主党系のアカい人々によって産みだされ、拡大させられたことも知らないらしいんだよね。
よくこのていどのナレッジで経済人ヅラしていられるなあ、と、そのあまりの臆面なさにびっくりしたのを思い出すよ。
ファニー・メイ自体が市場原理を無視してるってのに、そのバブルを
「市場原理主義」
呼ばわりする何も知らない日本左翼やNHK、バカ・ガクセーが何千人集まってケインジアン風吹かせて丹羽をかばったところで一円のなぐさめにもなりゃしない。
バカは一万人集まってもバカだ。
問題は、そのバカがわが国の大使様だってこと(泣)
これが米国の駐中大使の発言だとしたら全米のTVで
糾弾大会ものでしょう。そうでなくても「オバマはアカ野郎」
と公言して憚らない米国人も居るようですしね。
この売国銭ゲバ野郎を一日も早く辞めさせたいものです。
衆参ねじれ解消!衆院解散総選挙で信を問え!
同氏は私とほぼ同年代であり考え方の軸足もそれなりにしっかりしているとみなし、さらには社会的にも十分な経験を積んでいるだけにどのような立場になろうとも、同氏の余生のあり方はこの日本に貢献し得るのではないかと考えていました。
しかるに、今回中国大使就任確定後の歓送迎会での発言として本稿にありますように次の二か所即ち、①「大国として当然のことといえば当然のことかもしれない」、②「現政権は少なくとも数年間、世界の信頼が得られるような長期政権を続けていただきたい」、の発言にはびっくりしました。
これらは社会でそれなりの仕事を成し遂げたと思われる人の発言とはとても思えません。先ず第一の発言内容についても中国にストレートに楯突かないまでももっと適切な言い回しがある筈です。これは一つの憶測として今の外務省の主流はチャイナ・スクールの人脈が支配的と言われていますが,これに迎合しているのではないかということ、もう一つは外務省が丹羽氏の大使就任に対しての中国政府のアグレマンを得るに際して中国政府は戸惑いを感じたとの風説もあるのでこれを打ち消すための言動とも考えられること、これらの背景が、もし、あるにしても丹羽氏の今回の発言はこれに乗っていることになりこれは自らの生活信条(もし,あるとすれば)を否定することになります。
二番目の発言内容については一般論としては政権がくるくると変わることは確かにこの日本としては望ましいことではないが、しかしこれが今の日本の実態であり自分を任命してくれた現政権へのリップサービスにしても大使たる立場としての発言としては極めて不適切と言わねばならない。
従って、自らは大使就任によって日本のために尽くそうとの考えがあったとしても出発点でこのような基本的な点で妥協をしていることは日本の国益を損なうものであり、ひいては丹羽氏自身の晩節を汚すものだとも言えると思います。
http://aoki.trycomp.com/
http://www.youtube.com/watch?v=yVnxnEH4FBI(動画)
伊藤忠が登小平中央顧問委員会主任(当時)の長男であった登撲方の身体障害者団体に少なくないカンパをしていたことは体制に抗議する学生たちの間では有名でした。
撲方はこのこともあり、父親の権威を利用して金儲けを図る「太子党」のシンボルとなっていたのです。
私(青木直人)がそのことを伊藤忠の中国総代表に質問したところ、「あそこは日本の円借款の窓口になっているところだから、カンパは断れない。これを政治献金だというのなら、それで結構だ」との回答が帰ってきたのです。
丹羽新中国大使は2000年代以後、社長、会長と上り詰め、相談役を経て、このたび日本国を代表する大使として、北京に赴任しました。
ですが、丹羽氏は同時に、伊藤忠商事の代表として、同社が「中国最強商社」(同社のHPより)に上りつめるきっかけとなった登小平ファミリーへの「政治献金」の事実を熟知しているはずなのです。過去、権力者(とその家族)に公然と「献金」を行った総合商社のトップがいま、我が日本国の中国大使となっているのです。
哲学やモラルを嘲笑するオポチュニスト。自分が所属する小さな組織に忠実で、その枠組みを越える視点を持とうとしない。歴史観がなく後世に対する責任という発想がない。
でも、今更、日本の大使が如何なる発言をしようがどうでも良いかな。
辛口の発言をしようが、態度を変える中国政府ではあるまいし、それをバックアップする日本政府でもあるまいし。世界の評価は既に地に堕ちている。
実際、自分としては中国には無茶な軍拡を続けて頂きたく、
その上で、日本や米国を含む周辺の国と軋轢を繰り返して頂きたく、
民主党政権は馬鹿な対応を続け国民の危機感を掻き立てて頂きたい。
特に最後。ギリギリ危ないところまでいかないと日本は駄目だろう。
> この先、日本が2%、中国が8%の成長を続ければ
> 10年後には中国の国内総生産(GDP)は日本の2倍になる
うむ。日本が60年代の成長を続けていれば、今頃、とっくに米国を抜いていたろうなあ。俺も10代の頃の成長を続けていればジャイアント馬場(懐)を抜いていたぜ。何故、そうならなかったのかなあ(棒)。
先見の明あり、というところですね。
中国で日本の人間や企業が長年、ビジネスをして、利益をあげたということは、よほど中国側の手の届かない製品、技術、サービスを提供し続けたという例を除き、中国共産党におべっかを使ってきたということです。
それでも自分の企業のため、ひいては日本経済のためには価値あることだった、とまではいえるでしょう。
しかしその中国共産党と商取引をしてきた組織のトップが日本国全体を代表になって、経済以外の分野でも判断をくださねばならないことは、リスクがあまりに高すぎますね。
同感です。
公の地位に対する理解に問題があると感じますね
一度大使の役割とは何と思っているか聞いてみたいですね
【日本テレビ 野口記者】先ほど大使人事に関連しまして、大臣は適材適所だと仰いましたが、今度中国に行かれる丹羽大使ですけれども、歓送迎会の席だったということなのですが、中国の国防費に関して、大国として当然と言えば当然であると、要するに莫大な国防費を計上していることに対して、当然と言えば当然だというような発言をされたということですけれども、中国の国防費の不透明性等が批判される中で、大使として今度赴任されるというお立場で、それが適切な発言かどうか、適材適所の人事という観点からご覧になって大臣はどのようにお考えでしょうか。
【大臣】どういう発言をしたかというのは、全体を捉えなければ、一部だけ切り取って言うのは適切でないというように思います。丹羽大使が言われたことは、大国としては当然のことといえば当然かもしれないという趣旨のことは言われたと思いますが、それはいわば枕詞であって、中国の軍事費の透明性の重要さということをその時言われているわけですから、そのうち一部だけ切り取るという報道というか発言はいかがなものかと考えています。
初めて投稿させていただきます。
自分はこの方が何のために大使になりたかったのかが気になります。
この方なりに、日本の将来を憂え、日本を良くする為に力を尽くしてくださるのであれば、多少の言い回しは中国に対するリップサービスと言えなくもありません。
しかし自社のため、単に中国で地位や権力、有力者とのコネやパイプを得るためというのであれば、とてもではありませんがこんな大事な役職につかせるのは如何かと思います。
マスコミでも現時点ではこの人物の真意まではつかめないと思いますが、国益を損ねる行為が行われないよう、しっかり取材をお願いします。
マスコミの方々に期待しています。
http://j.peopledaily.com.cn/94474/7027881.html
日本政府は15日の閣議で、伊藤忠商事相談役の丹羽宇一郎氏を中国大使に決定した。
丹羽氏は71歳で、1998年に伊藤忠商事の代表取締役社長に就任。中国企業への投資などを積極的に行い、北京市市長国際企業家顧問会議の顧問を務めるなど、中国経済界とも密接な交流がある。中国大使への民間人起用はこれが初めて。
人民網日本語版
中国の公務に就いたことのある人が、中国大使だなんて、ブラックジョークのような出来事です。
きっと、中国の利益を考えて行動することでしょう。(日本の利益が第一とは限りません)
初めまして。
マスコミは丹羽大使の言動には注意を向け続けるだろうと思います。