アメリカの司法省が注視すべき中国スパイ事件を発表しました。

 

 中国に関心を持ち、中国の大学に留学したアメリカ人学生に中国女性がアプローチして、米中友好をささやき、結局は中国のためにアメリカの国防関連の秘密情報を取ってこいと指示するのです。そのための報酬はもちろんふんだんに提供されます。

 

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    〔ワシントン=古森義久〕

 

中国留学中に中国の情報機関から「友好」を説かれ、スパイ活動を求められて応じた米国の青年が22日、バージニア州地裁で有罪を認めた。

 

 グレン・シュライバー被告(28)は「国家防衛情報を中国情報機関に流そうと意図した」という罪状を認めた。

 

 司法省の同日の発表によると、同被告は米国ミシガン州の州立大学を卒業後の2004年に上海に留学し、中国語などの勉強をしながら英語を使っての職を求めた。英字新聞の「英語での政治論文を書く仕事」という広告に応じたところ、「アマンダ」と名乗る中国女性らに接近され、実際に論文を書いて120㌦の報酬を得たという。

 

 同発表によると、その後、シュライバー被告はアマンダらに個人同士の友好や中国への友好を説かれ、将来、米国政府の国家防衛に関する秘密情報を入手して中国側に流すことを求められた。同被告はアマンダらが中国情報機関の工作員であることを知りながらも、その要求に応じ、06年から07年にかけ、米国政府の国務省や中央情報局(CIA)の職員に応募したという。

 

 同被告は09年12月にCIAへの採用決定を告げられた後、また上海に飛び、アマンダらとの打ち合わせを重ねた。それまでの過程で数回にわたり、合計7万㌦の協力資金を中国情報機関から受け取っていたという。

 

 中国は米国に対するスパイ活動を多様な形で強めており、今回のケースもその一端だとされる。

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