平然とウソをつきながら、核兵器の開発を進め、軍事挑発を続け、東アジア全域を不安定に陥れる無法国家の北朝鮮にどう対処すべきか。

 

 東アジアの安全保障に責任を持つ超大国のアメリカにとっては深刻な課題です。もちろん日本にとってもそれ以上に深刻な重大課題だといえます。

 

 わが日本はこうした軍事力のからむ国際危機に対しては独自にはなにもできず、なにもせずーーー「経済援助やソフトパワーでいこう」というわけですが、いざ核爆弾やミサイルの脅威の前にそんな「言い訳」のような対応がどんな実効があるのでしょうかーーー、同盟相手、かつスーパーパワーのアメリカに依存するという道を一貫して選んできました。だから日本にとってもアメリカの対応は重要です。

 

 オバマ政権はいま北朝鮮の冒険的な軍事行動という危機的な課題を突きつけられています。どうすればよいのか、ジレンマに直面しているわけです。

 

 そのへんの状況を記事にしました。

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〔ワシントン=古森義久〕

 

 米国のオバマ政権は北朝鮮の挑発的な軍事行動に韓国との同盟堅持や空母派遣での抑止力の誇示で対応する構えをみせたが、北朝鮮からの米朝二国間の対話の求めには深刻な難問を突きつけられた形となった。

 

北朝鮮が米国のみとの二国間交渉を一貫して切望していることは六カ国協議の再開の条件に「国連主導の経済制裁の解除」と並べて「朝鮮半島の平和条約締結に向けての米朝二国交渉」を掲げたことでも明白となった。

 

最近のウラン濃縮新施設の公開と韓国の延坪島砲撃も米国を米朝交渉受け入れへと追い込む政治戦略に基づくとみられる。

 

米国側ではジミー・カーター元大統領が24日の米紙への寄稿でオバマ政権が北との二国間直接交渉に応じることを提唱した。

 

カーター氏は北が最も強く望むのは対米交渉での平和条約締結による「米軍の脅威」の除去であり、その交渉により核兵器も完全に放棄するだろう、と説いた。

 

しかしオバマ政権自体は同政権高官が「不当な行動に報酬を与えることはしない」と述べたように、米朝交渉には応じない姿勢を崩していない。北対して逆にまず非核化のための核兵器や同施設の放棄の展望を示すことを六カ国協議再開の前提として求めている。

 

 米朝交渉への反対はオバマ政権内外に強く、ブッシュ前政権の国家安全保障会議アジア上級部長だったマイケル・グリーン氏も「北朝鮮から譲歩を獲得しないままで交渉に応じることは重大なミスだ」と主張し、当面の方策として北の封じ込めや圧力増強を提唱した。

 

 北朝鮮が米朝対話にからめる要求を最近、大幅にエスカレートさせたことも、オバマ政権のジレンマを深めた。北朝鮮は米国に対し①米国の「核の脅威」も除去する②米朝国交正常化を北の非核化措置の前に達成する③在韓米軍を撤退し、米韓合同軍事演習を止める④韓国への「核の傘」も放棄する―ことなどを求めるようになった。

 

北のこれら要求について議会調査局の前朝鮮半島専門官のラリー・ニクシュ氏は「朝鮮戦争の最終的な平和条約を結ぶ作業は韓国を除外してはできず、在韓米軍の機能の削減も北からの要求の結果としては絶対にできない」と論評した。

 

しかしこのままだと米国は北との外交面での折衝の道をまったく断った形で北の軍事挑発の繰り返しや核開発の進展を座視する格好にもなりかねず、苦しい立場に追い込まれることとなるわけだ。

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