「
日本の核武装
」について、14日までに2873人(男性2422人、女性451人)から回答がありました。
「日本は核武装すべきか」については「賛成」が85%。「公の場で議論だけでも行うべきか」については96%が「そう思う」と答えました。また、「有事の際にアメリカは日本を守るか」との問いには、78%が「そう思わない」と回答しました。
◇
(1)日本は核武装をすべきか
85%←YES N O→15%
(2)公の場で議論だけでも行うべきか
22%←YES N O→78%
(3)有事の際にアメリカは日本を守ると思うか
96%←YES N O→4%
◇
○抑止力として
東京都・男性会社員(53)「なぜ議論自体が許されないのか教えてほしい。もしも、ことが起こったらどうするのか。議論を封殺した人間は、引き起こした結末にかなうだけの責任をとってくれるのか」
奈良・男性自営業(40)「核は相互抑止力であり、外交の大きな武器であることは世界の常識。日本の経済力、技術力で持っていないことの方が不自然だ。核にしても軍隊にしても、持たないことで平和が実現できると考えるのは、あまりにも幼稚な考え方だ」
愛知・男性自営業(50)「ロシア、中国、北朝鮮と、わが国は核保有国に囲まれており、これらの国は少なくとも友好国ではない。領土、国民を守るためにも抑止力としての核を考えるべきだ」
大阪・男性会社員(23)「非核三原則を撤回するだけでも抑止力になる。最低でも『持ち込ませず』は取り下げ、いつでも米軍の核兵器を日本国内に配備できるようにすべきだ」
三重・女性会社員(52)「安全保障について真摯(しんし)に考えるときが来ている。真の独立国家となるために核武装は必要。アメリカに従属するのも、中国になめられるのもいやです」
●米が認めない
大阪・男性会社員(40)「核武装はすべきではない。使えない兵器に金を投入するくらいなら、通常兵器や自衛隊員の確保に使うべきだ。『抑止力として』という意見もあるが、いざというときは持っていようがなかろうが同じだ」
東京・男性会社員(42)「唯一の被爆国が自ら核兵器を持つと、現在非保有の国が保有をためらう理由が一つ消えてしまうことになる」
茨城・男性公務員(37)「
日本の核武装
は、米が絶対に認めないし、経済制裁や近隣諸国の核武装を誘発することから、現時点で得策ではない。核武装の議論やいつでも核武装できる態勢は整えておくべきだ」
滋賀・男性自営業(43)「核兵器の本当の怖さは、チェルノブイリ事故と、世界中の核実験場付近の住民と、広島・長崎の被爆者にしか分からない」
大阪・女性自営業(45)「核保有はできることなら避けてほしい。しかし、周辺国が変わらない限り、保有論は延々とつきまとうだろう。まずは、各国に積極的に働きかけるべきだ。すべきことをすべてした上で、核保有を議論すべきだ」
◇
≪
日本の核武装
論≫
佐藤内閣時代の1960年代後半に、政府が秘密裏に「核保有」の可能性を検討していたことが明るみに出るなど、非公式に検討されたこともありますが、近年 は「議論を行うこと」すらタブー視されているのが現状です。核保有にはいくつの方法があり、第一段階として有事の際にアメリカから核兵器の提供を受ける 「核兵器シェアリング」(NATO諸国で実施)を主張する意見もあります。
◇
◇
≪田母神俊雄氏≫
◆発言力得るために必要
○軍事的な均衡が必要
--今なぜ核武装が必要か
「国際政治を動かす発言力を確保するためだ。国同士の交渉は、軍事的な均衡があって初めて平和的な外交交渉が可能になる。均衡がなければ、結局、相手の言 い分をのまざるを得ない。おそらく今後、核兵器が使用されることはない。使えばお互いが破滅するからだ。つまり、核は使う(攻撃)ために持つのではなく、 抑止、防御のために必要なのだ。日本以外の国のリーダーの多くはチャンスがあれば、『核を持ちたい』『一流国の仲間入りをしたい』と考えているだろう」
--昨今の中国の傍若無人な態度も軍事力の増強が背景にある
「20年前なら自衛隊は中国の海軍、空軍などまったく問題にしなかったが、現在、物理的な戦闘力は互角か、中国が勝っているかもしれない。それでもまだ日 本を侵略するまでの能力はないが、これも中国が空母を持つと変わる。中国が侵略能力を持つと、日本は今以上に脅かされるだろう。『それに備えよ』という声 が政治の世界で起きないのは理解不能だ」
--中国の台頭や北朝鮮の脅威に備えるのに、アメリカの核の傘だけで十分という声も根強いが
「多くの国民や政治家さえも誤解しているが、日米同盟はあくまで『抑止』のためのものであり、有事の際にアメリカの自動参戦を保証するものではない。例え ば、尖閣諸島で中国とイザコザが起きたときに、アメリカは本当に出てくれるだろうか? しかもかつてのように、アメリカの絶対的な抑止力はなくなってい る。今後、軍事力を削減し、海外の米軍を撤退する動きも加速するだろう。そんなとき、日本は自衛隊を増強し『自分の国は自分で守る』体制をつくることが必 要なのだ」
○世界はもっと“腹黒”
--日本には核の論議をすること自体が「悪だ」という雰囲気がいまだにある
「すでに核を保有している国は、発言力確保のためにこれ以上保有国を増やしたくないから、表面上、核廃絶や削減を打ち出したり、裏で反核運動に火をつけた りする。日本はこうした『情報戦』に負けているのだ。また、核は『持たない方が安全だ』という意見も聞くが、これも世界の常識と大きく違う。自分さえ悪い ことをしなければ、相手も悪いことをしない、なんてことはあり得ない。世界はもっと『腹黒』だ」
--核武装に必要な時間は
「国のリーダーの強い意志さえあれば、3~5年で可能ではないか。東アジア情勢が不安定な今こそ核武装を言い出すチャンスだし、アメリカも説得しやすい。核武装の意志を日本が示すだけでも抑止力は高まるだろう」
◇
≪大森義夫氏≫
◆今はその時期ではない
●日本は孤立する
--「今は核を持つべき時期ではない」としているが
「私は『自主防衛力増強』論者であり、核武装を絶対に否定するつもりもない。将来の選択肢としてはあり得るし、現行憲法下でも自衛のための核武装は認めら れる、と考えている。ただし、今はその時期ではない。もし今、日本の首相が『核武装』を言い出せば、安保闘争以来の国論を二分する大騒動となり、今の政治 にこれを乗り切れるだけの『体力』がない、と思うからだ。反対運動を抑えられず、混乱を招くだけの結果になることは目に見えている。特に政治的な安定がな く、リスクも取らない現政権下では、核武装の議論をすべきではない」
「さらには、北東アジア地域におけるバランス・オブ・パワーを考えた場合、アメリカはもとより、(友好関係にある)韓国、豪州などの国も今は、日本の核武装に賛成するとは、とうてい思えない。核武装を言い出せば、欧米諸国はたちまち原発の燃料も売ってくれなくなるだろう。日本は孤立するだけだ」
--核兵器の管理体制や判断の前提となる情報の面でも不安が?
「法的な整備をはじめ、核を持った場合のノウハウもないし、使用するときのシミュレーションもまったくなされていない。アメリカの大統領は、常に核のボタ ンを押す覚悟をもっているが、日本の場合、首相の決断を支える人的ネットワークも情報もない。核兵器を持つ前に、まず『戦略を判断する』情報能力を持たね ばならない、ということだ。“目に見える情報”を中心とした極めて“穏当な情報活動”しか、してこなかった日本にはそれがまるでない」
「核開発もそう簡単ではないだろう。日本の技術力が高いといっても核兵器の研究者はいないし、核実験もやらねばならない。原発を造るだけでも地域対策は大変なのに、どうやって説得するのか」
●対米自立の割合増やせ
--では、アメリカの核の傘を信じていればいいか
「そうではない。日米同盟を妄信するのではなく、防衛力を強化し、少しずつでも、対米自立の割合を増やしていくべきだ。外交面でもアメリカ一辺倒ではなく、韓国などとの関係を一層強化していくことも必要になるだろう」
「ただ、軍事面での自立には段階がある。いきなり核兵器を持たなくても、通常兵器で破壊力のあるミサイルを備える方が国民のコンセンサスは得やすい。核に ついても、“自前”で持つのではなく、たとえば、核ミサイルが発射可能なアメリカの潜水艦に、海上自衛隊の高級士官を乗艦させてもらう、といった中間的な ステップから始めるべきではないか」
◇
【プロフィル】田母神俊雄
たもがみ・としお 元航空幕僚長。昭和23年、福島県生まれ。62歳。防衛大学校卒。航空自衛隊に入隊し、統合幕僚学校長、航空総隊司令官を経て、平成 19年、航空幕僚長に就任。20年10月、民間の懸賞論文に応募した作品が、政府見解と対立する、とされ解任。新著に「田母神国軍」。
◇
【プロフィル】大森義夫
おおもり・よしお 元内閣情報調査室長。昭和14年、東京都生まれ。70歳。東京大学法学部卒。38年、警察庁入庁。鳥取県警本部長、警視庁公安部長、警 察大学校長などを経て、平成5年、内閣情報調査室長に就任。9年まで5代の内閣で室長を務めた。主な著書に「日本のインテリジェンス機関」。
コメント
コメント一覧 (18)
もっと、以前の段階でで12月18日の渋谷での
「打倒民主党政権デモ」は
産経で扱われていないんですかね?
主催者発表4000人、警察発表8000人とかですが
朝日、毎日はどうでもいいにしても
産経、読売どちらも報道できないのはなぜですかね?
せっかく、こういう記事書いてもあまり説得力を感じなくなります。
日本は唯一の核被爆国ですが、だからこそそれを扱う資格があるという考えも成り立つと思います。
つまりそれを使うことにかけては世界で一番神経質になるということです。最も現段階では持つ以前の、持つべきかどうかを話し合うことすら神経質になっていますが。
これはある意味病人のレベルじゃないかと思います。そんな病人のレベルを早く脱して普通の感覚でどうすべきかを判断できる状況、状態に持っていくべきです。
今の日本は精神病一歩手前の状況です。
回答結果の解釈を考えていましたが、どうも腑に落ちないと、17日付け産経新聞を引っ張り出しました。
(2)と(3)の結果が入れ替わっています。
田母神さんの意見、大森さんの意見、ともに納得できる部分はあり、難しい問題です。だから、議論は大いにすべきと思います。
kentantoさん: 田母神さんが講演などで言われていますね。ご存じかもしれませんが、「日本は唯一の核被爆国」というのは、戦時被爆国という限定がつきます。札幌医大の高田教授が、核実験で多くのウィグルの方々が犠牲になった可能性があることを指摘し、汚染地域であることを知りつつ「シルクロード」観光ブームのきっかけになったNHK番組に対して批判しています。
>kentantoさん: 田母神さんが講演などで言われていますね。ご存じかもしれませんが、「日本は唯一の核被爆国」というのは、戦時被爆国という限定がつきます。札幌医大の高田教授が、核実験で多くのウィグルの方々が犠牲になった可能性があることを指摘し、汚染地域であることを知りつつ「シルクロード」観光ブームのきっかけになったNHK番組に対して批判しています。
おっしゃるとおりです。で、私も20年ほど前にあの辺りに旅行で行ったので、もしかしたら少し受けているかも知れません。
ちょっとブルーです。日本人の旅行者も被害にあっている可能性がありますからね。あの国は絶対認めないでしょうけどね。
アンケート(2)(3)の結果は、奥永さんのおっしゃる通り、入れ替わっていませんか。
この問題については、とにかく議論をタブーとしないことだと思います。議論しようとすると右翼だの軍国主義だのと批判でなく非難することが恐ろしいのです。
まじめな議論を封じることは、未熟な社会です。例えば韓国では今でも親日的なことを公の前で発言すると総がかりで袋叩きに会います。さらには、戦前の日本統治の協力者と決め付けた人を公表し、その子孫から財産を奪うことすらしました。これは憲法の財産権の侵害でもあり、60年以上昔のことで今の子孫の財産を奪うのはとんでもないことです。そういう当たり前のことでも誰も批判すらできない空気は恐ろしいものがあります。そもそも憲法を無視する政権というのは実は革命政権を意味するのですね。
ですから、まじめな議論さえ頭ごなしに封じることは、健全な民主主義社会にとって実にゆゆしき問題です。
田母神氏は「核は使う(攻撃)ために持つのではなく、 抑止、防御のために必要」というのは鋭い議論です。核は戦力が非対称であっても機能する武器です。北は何発かの核兵器を保有しているようですが、それでアメリカでも腫れ物を触るような扱いしかできないのです。
しかし、そう考えない国も近隣にいるというのも事実です。毛沢東は国民の半分ぐらい死んでも大したことことではないとフランスのポンピドー首相に言ったこともありました。最近では人民解放軍のトップが核先制攻撃を言及しても何の批判も受けず更迭もされませんでした。
ロシアは北方領土に関しても強硬になってきており、まるでソ連よりも悪くなってきた面もあります。実際ソ連時代のスパイのトップが国を牛耳っていますので、ソ連回帰も懸念されるというものです。
アメリカについても信頼感は万全と言える訳ではありませんし、日本政府が進んで同盟関係を毀損もしています。それに自らの国を自らで守れない国というのは、精神的にも退化、後退、軟弱など国家意識がどんどん低下していくことでしょう。
恐れず議論して、最善の道を選択したいものです。そのためにも世界の現状認識などにおいて、正確な情報提供が望まれるものです。
全くその通りです。
誤解してはならない、核戦争ではない、核武装なのだ、
左翼は巧妙に、言葉の言い換え、すり替え、論理の転換、が上手いから日本国民は簡単に左翼に説き伏せられる。
初めにアメリカが核を持って、広島、長崎だから、日本人はアメリカが悪者という先入観念を持って、それから脱していないから困る、実はそれから英国が持ち、ソ連が持ち、中国が持ち、インドがもち、パキスタンが持ち、今や北朝鮮が持っているのだ。
ハッキリ云って、中国と北朝鮮は、核で日本を脅しているのではないのか?
びくびく、としていては繊細な日本国民の精神衛生に悪いのではあるまいか?
こんな報道が大々的に為されれば、それだけで外交カードになると思います。
まぁ、腰抜け無責任政府が、使いこなせれば、の話ですが。
「核保有絶対反対。議論も許さない。」とゆうサヨクやプロ市民は、絶対に自分たちの言動に責任は取りません。
菅や仙谷を見てりゃ一目瞭然ですよね。
>
> 初めにアメリカが核を持って、実はそれから英国が持ち、ソ連が持ち、中国が持ち、インドがもち、パキスタンが持ち、今や北朝鮮が持っているのだ。
>
訂正:
核保有国は、アメリカ→英国→ソ連→フランス→中国→インド→パキスタン→(北朝鮮?)、の順序でした。
政治的問題は有名無実化の傾向が有りますし
国民の理解も得られつつあります。
尤も広島長崎は激しい抵抗をするでしょうが。
まあ、可能なら米国から核弾頭を輸入するって手もあるの
ですが、開発するとなれば実験場の問題が出てきますね。
核保有コストは一番の頭痛の種です。
現実的なのは米軍の「核持ち込み」の解禁でしょうか。
核論議にタブーがあるというのは、マスコミや政治家のなかでの話では。一アンケートとはいえ、85%の国民が核武装を支持しているということは、「核論議=タブー」は幽霊に怯えているように感じます。
核の怖さは被爆者…という意見には、ひどいことを言うと言われるかもしれませんが、ビスマルクの言う「経験に学ぶ愚か者」という感じがします。
大森氏の「今は…」については、問題の先送りな爲の言い訳に聞こえます。その時期とやらが遅きに失したことにならなければいいですが。
> 国も今は、日本の核武装に賛成するとは、とうてい思えない。
> 核武装を言い出せば、欧米諸国はたちまち原発の燃料も
> 売ってくれなくなるだろう。日本は孤立するだけだ」
このパターンの意見は先ず疑ってよいでしょう。
賛成であれ反対であれ、ギャラリーが賛成するか否かを論点にしている時点で百万光年ずれているのです。この問題に限らず、自国に必要か否か、対立する相手(米国や中国)が妨害してくるか否かが最重要であり、第三者などどうでも良いのです。この人は結婚とか自分の人生の問題も直接利害関係の無い他人の評価で決めるんですかね。
この手の意見を言う人は、まず結論ありきと思って間違いないです。
岸信介首相のように、国家の命運を決する判断は、時の政権が決断することです。
それができない、そんな国は中国の恫喝にひざまづく。
岸政権当時安保反対闘争していた現菅政権中枢が、今回手本を示したではありませんか。
今回の国難から導き出された結論、核武装すべし!
在日やシーシェパードにさえ手も足も出ない日本が、世界にまたがる反核論者を黙らせて核武装だなんて、UI鳩の県外国外与太話の方がよほど現実的に思えてきます。
それで具体的にどうやって狂信的な反核論者を「説得」するのでしょう。
牢にぶち込みますか?銃を突きつけますか?
護憲論者と議論ばかりで憲法改正できない。
お巡りさんが犯罪者にピストルを撃つだけで非難される。
そんなヘーワな日本が核武装だなんて空想戦記小説を読んでいるみたいです。
まずは憲法改正して「核も」搭載可能なミサイルの開発を目指しましょうよ。
とりあえず特殊弾頭を搭載して核弾頭はその後の国内外の情勢次第ということで。
それさえヘーワ日本では実現できるかアヤシイものですけどね。
中国は核兵器を持ち、日本の領土を強奪しようとしています。北朝鮮は、核兵器を開発し、日本人を誘拐したま、そ知らぬ顔。両国は日本にとって敵性国家であり、軍拡うを進め、先軍政治だなどと言っている以上は、自国防衛のために核武装するのは、いたしかたのないことです。
過去の広島、長崎の被爆から学ぶべきことは、その当時、日本が核兵器を持っていれば、アメリカも核爆弾の投下をためらったかもしれないということです。それは、その後に続く米ソ対立では両国とも大量の核兵器を保有していたにもかかわらず、一度も核兵器を使った戦いが起こらなかったことからも分かります。
核兵器保有については難題があります。しかし、我々がいま考えなければならないのは、そういう難題をどうするかではなくて、外国がどう考えるか忖度することでもなく、日本の防衛のために核兵器を持つべきなのか、そうでないのかということでしょう。
この必要条件が満たされる可能性はほとんど有りませんが(今の政治家にこの構想を実現する指導力を持った人間が見当たりませんが)、それがなければ、日本がアメリカの言いなりに、対北朝鮮、対中国の核戦争の標的とされ戦場とされるだけでしょう。
日本は核武装するべきか否か。種々の意見が述べられているが、どれもピンとこない。何故なのか。今回、福島原発事故で身近な放射能漏れによる極微量被曝なるものを体験した。高々、環境被爆と同程度の量である。しかし、日々の報道を見ていると、放射能汚染に対する過剰反応を起す理由もわかる。核に対して無知であることと、放射能を目に見えないことで政府の発表に不信感を持つことがこの要因である。核がタブー視された国家では、政府の核事故に対する対応はあまりにも遅すぎる。全く国民の期待に答えられていない。
大方の日本国民は核アレルギーを持っている。核武装賛成派も反対派も自己の持つアレルギーを基に議論を進めているのではないだろうか。議論はかみ合わないだけでなく、単なる主義・主張に過ぎなくなっている。原子力の平和利用も軍事利用も、メリット、デメリットを明らかにし、それらに対するリスクも透明に数値化し、公な議論を進めて欲しい。将来的に、利用するにしてもしないにしても、膨大なエネルギーを放出する「核」を無視しては済まされない気がする。
日本国の独立と主権を守るための国家安全保障を背景とする核抑止論議はアレルギーとは別個の冷徹な取り組みが必要ですね。