アメリカ国防総省の研究機関の中国海軍の増強についての報告の続きです。

 

この報告はとくに中国海軍の航空母艦の開発や配備に重点をおいています。

 

 私が日本ビジネスプレスの連載「国際激流と日本」で伝えた記事の続き、第三回の最終回です。

 

 この回では中国空母の脅威にわが日本はどう対処すべきなのか、を論述しています。

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 報告の記述をさらに紹介しよう。

 

 「中国当局は、空母の保有や配備について早急に、または唐突に発表することには、政治的な神経を払っている。中国共産党首脳は、そのような発表が地域諸国に政治的な悪影響を与える可能性を認識しているのだ」

 

 「中国海軍は近い将来、単一の空母を保有するに至るが、数隻の空母群と艦載機を持ち、遠隔地での主要戦闘能力を保有するのは、今後10年の範囲だと見られる」

 

 中国軍がここ数年のうちに航空母艦の保有や配備を明らかにするという展望は明らかだが、それが当面は1隻だけで終わるのか、それとも数隻となるのかは、まだ予測できないということだ。

日本はやはり米国の抑止力頼みなのか

 ただし、厳密に言えば、中国海軍はすでに航空母艦を1隻だけ保有している。旧ソ連が1988年に完成させ、ソ連崩壊後の2001年にウクライナから中国に売却された旧式の空母「ワリヤーグ」である。

 

 ワリヤーグは6万トン以上の大型艦であり、飛行甲板もあるが、なにしろ古く、中国側でも実戦配備は無理だと判断して、海上カジノにするという案まで飛び出したほどである。

 

 だがその後、長い間、改装や修理が続いており、現在は大連港に停泊している。中国海軍はこのワリヤーグを実際に戦力として使うつもりはなく、その構造や装備を自国製の空母の参考にしたと見られている。

 

 中国が空母を新たに保有しようとしている動きに、米国はどう反応しているのか。同報告は次のように述べていた。

 

 「空母保有などを中心とする、中国海軍の作戦能力の強化は、当然、アジア地域での米国の存在と、米国の同盟諸国(日本など)への大きな軍事脅威となる。

 米国は、中国の軍事脅威から米側諸国を防御する役割を担い、アジア地域での軍事プレゼンスを続けることを同盟諸国に再確認しておかねばならない」

 

 中国のこの種の軍事力増強に対して、やはり日本としては米国の強大な抑止力を取り込んで対処していくことが、当面、唯一の効果ある防衛策ということなのだろうか。(終わり)

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なおこのレポートの全文は以下のリンクで読めます。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5107