明けましておめでとうございます。

 

 国際情勢にも、国際報道にも、一年の区切りが厳然とあるわけではないのは当然です。しかし階段に踊り場があるように、どんな現象でも、活動でも、まあ、ふっと一段落という状態を人間の側が感じることは、不自然ではないでしょう。

 

 新しい年を迎えたのを機に、そんな思いで、この一年の自分の言論活動を振り返り、このブログの記録を眺めてみたところ、自分でもああよかったな、と感じたことがありました。それは自画自賛の恐れをあえて承知で述べるならば、日本の新政権の外交や安全保障に関する態度を一貫して批判してきたという事実です。そしてさらに述べるならば、その批判が当初は少数派だったとしても、いまでは多数派に受け入れられる感じとなってきたことが自分自身への励ましとなっています。

 

 この点は当ブログへのコメントで民主党政権の対外政策の欠陥を激しく批判し、非難した他の多くの方々も同じ感じを抱かれているだろうと思います。

 

 鳩山由紀夫氏の「東アジア共同体」構想、「日本はアメリカと中国との中間に立つ」という日米同盟否定の言明、小沢一郎氏の従来からの「国連中心主義」、そして国会議員多数を率いての媚中訪問、「在日米軍は第七艦隊だけでよい」という言明、さらには日米中正三角形論・・・・・・新たに登場した民主党政権とそれを支える民主党幹部たちの奇異で非現実的な外交「政策」発言の数々を私は次々に批判的に論評してきました。

 

 ちょうど1年前の12月31日にも、私はこのブログで当時の鳩山首相のオバマ大統領に対する言明の虚構や矛盾を指摘し、批判しています。

 

 そしていまよくみると、私が批判した鳩山政権や小沢民主党の外交・安保政策のほとんどは日本国民の多数派からも、さらには肝心の民主党自体からも排されてしまった、とさえいえるのです。少なくとも小沢氏の中国訪問が日本のためになったとか、実績を生んだと主張する声はいまではまったくありませんね。

 

 鳩山氏にいたっては、その外交や安保についての「政策」めいた発言の支離滅裂ぶりが主な原因となって、退陣に追い込まれたといえるでしょう。だから当方が正しかったのだ、とつい思いたくなります。なぜなら私は鳩山政権の登場当初からその外交面での欠陥や矛盾や危なさを批判し続けてきたからです。

 

 民主党政権が登場したときの勢いは、だれもがよく覚えているでしょう。国民の大多数の信託を得たかのような勢いの政権に対し、その政策に正面から反対を述べることは、超少数派の異端とされて叩かれる危険に満ちていました。鳩山政権への批判の表明自体がなかなかの思い切りを要する作業でした。

 

 でもいまの状況をみてください。鳩山由紀夫氏の日米関係観、日米同盟観、中国観――「観」と呼べる一貫性のある認識が存在するのであれば、ですが――に賛意を表する人がいま日本にどれだけいるのでしょうか。

 

 とにかくごく簡単に言えば、「こっちの主張が正しかったではないか」ということです。私自身はいま、いかに自分の見解が少数派にみえるときでも、正しいと思ったことは主張せねばならない、という実感を覚えています。いかにも幼稚に響く言だとしても、それが言論人として重要なことだと改めて感じています。そしてこんごも率直な意見の表明を続けていこうと思っています。

 

 これまたこのブログに意見を書いてくださった方々も同じ考えを抱かれているだろうと思います。

 

 私の言論人、あるいは私人としての意見は民主党とか自民党という政党自体への賛否でも好き嫌いでもありません。論評の対象はあくまで日本国や日本国民に影響を及ぼす政策です。政策への賛否の表明なのです。しかしこの一年は民主党政権の外交や安保の政策にあまりに欠陥が多かったため、その指摘と批判に追われてしまった、というのが実感です。

 

 この一年、当ブログを読んでくださった方、コメントをしてくださった方、応援をしてくださった方、にはお礼を申しあげます。

 

 みなさんの新年のご多幸を祈ります。