菅直人首相の辞任表明を受けて、産経新聞の社説が興味ある論評を展開しています。
菅さんがひっこんでも、しょせんは「政権たらい回し」だというのです。
「たらい回し」とは、なんとなく懐かしい言葉です。
トラブルの真の原因は単に菅直人だけではない、というのがこの主張の趣旨だといえます。
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【主張】菅首相退陣表明 これ以上、日本を壊すな 民主党政権の限界は明白だ
思いつきによる場当たり的な政権運営で、日本を壊し続けた菅直人首相が、ようやく辞任を正式表明した。東日本大震災という未曽有の国難にあっても国の総力を結集する態勢を構築できず、最高指導者としての責任を放棄し続けた。事実上の退陣表明から3カ月近く、政治空白をさらに拡大したことは極めて遺憾である。
だが、菅首相が代われば日本が立ち直るわけではない。問題の本質は、民主党自体が政権担当能力を欠いていることにある。子ども手当などのバラマキ政策を、財源のあてもなしに、実現できるが如(ごと)く語ってきたことが象徴する。
◆空洞化を加速させた
国民の信頼を失った民主党政権はもはや限界であり、これ以上、日本を壊すことは許されない。
29日に新代表が選出されるが、政権をたらい回しすることは到底認めがたい。
菅首相は退陣挨拶で、「与えられた条件の中でやるべきことはやった」と述べた。脱原発依存などに言及していたが、失政を認める反省の弁が聞きたかった。
日本破壊の代表例が思いつきによる「脱原発」政策である。エネルギーという国家の屋台骨を支える根幹政策であるにもかかわらず、事前のすり合わせなしに 唐突に方針転換した。原発の再稼働を認めぬことで、来春には全電力の約3割を支えてきた原子力による発電量がゼロになりかねず、このままでは、日本はエネ ルギー最貧国に転落してしまう。
電力危機が全国に広がり、産業の空洞化も止まらない。超円高や法人税の高さも加わり、大手メーカーの7割近くが海外進出を考えているという。雇用悪化や消費低迷につながり、日本経済に大きなダメージを与えている。
日本を壊したもう一つの典型例が、今月24日の沖縄・尖閣諸島周辺における中国漁業監視船の領海侵犯での対応だ。首相自ら抗議のメッセージを発することはなかった。国を守るという意識の欠落が、中国の行動をエスカレートさせる要因となっている。
菅内閣は昨年9月の中国漁船衝突事件でも、日中関係に配慮して、中国人船長を処分保留のまま釈放した。こうした国益を考えない外交姿勢は、日本領土を不 法占拠するロシアや韓国などにも誤ったメッセージとして伝わり、ロシアのメドベージェフ大統領による国後島上陸となった。周辺国は弱体化した日本につけ込 んでくるのである。
菅内閣の1年3カ月は、国家観や見識がないような政治家が最高指導者の地位に就くことが、国家や国民にとっていかに「不幸」かを示すとともに、その政治家を首相の座から降ろす難しさも明確にした。
◆国家理念なしが問題
民主党政権の限界は、民主党そのものが政権政党としての体をなしていないことにある。民主党政権がこのまま続けば、同じ過ちが繰り返されるだけである。
政権担当能力の欠如は、バラマキ政策で有権者の歓心を買っている点に表れている。「無駄を排除することで財源を捻出する」と大見えを切ったが、結局、子ども手当をはじめ多くの主要政策の廃止、修正に追い込まれた。
社会保障と税の一体改革では、巨費を要する最低保障年金を事実上、棚上げする努力の跡も見られたが、最終局面で負担増を嫌う声が続出し、消費税率引き上 げ時期の表現を曖昧にするなど、切り込み不足に終わった。民主党のバラマキ体質は極めて無責任で、政権政党としての信頼を損なった。
その場しのぎの政権運営が続くのは、民主党に意見を積み上げていくシステムも、最終的に集約する意思決定機関もないためだ。いったんは決まったかにみえる政策が党内の横やりで簡単にひっくり返される。
そもそも、党の綱領すらなく、日本をどういう国にするのかという理念もない。基本政策についても党の分裂を恐れてまとめきれない。こうした曖昧な姿勢が政策遂行に疑念を抱かせ、国際社会からの信頼を失わせる。
「政治主導」のはき違えも大きい。意見を具申しようとする官僚を怒鳴り散らすようでは、官僚機構は全く機能しない。
こうした欠陥を抱えている民主党政権で国難を乗り切れるかどうかを国民に問うべきである。
コメント
コメント一覧 (17)
ただ、誰が首相になっても、おそらく鳩菅よりはましだろう、とは思っています。あれほどの人格はなかなかいませんから。個人的には、野田氏か馬渕氏が、任期中に民主党をぶっこわすつもりで(つまり解散するつもりで)取り組めば、いい仕事ができるかな、と微かな期待を持っています。
日本の安全保障を忘れて社会党系の政治家が好き放題なことを言って来れたのは、基本的にアメリカの軍事力の傘の下にあったからだ、という事実を改めて国民に思い知らせたことは・・・・功績なのかな?
何の方策もないままに、アメリカの庇護を拒否するのは、中国の支配下に甘んじる、ということでしかありません。
彼らは意識してこの方向性を取っているのか?
それとも、ただの甘やかされたバカなのか?
この辺が民主党に対する不安を抱かせる基となっているように思います。
しかし、民主党は内政問題に於いても人権擁護法案や外国人参政権問題など、確実に国を壊す方向に走っている事は間違いありません。
学生運動時に流行ったフォークソング「友よ」の歌詞をもじって、「夜明けは遠い~」と歌いたくなりますね。
この批判・批難を書かせているのであり、
民主党の本来の姿は、日本の国体を根本から壊そうとする破壊集団だと理解すれば
この社説にも有る一つ一つの事例は「なるほど、民主党と言うのはこういう極左集団だったんだな」と納得できるでしょう。
それをマスコミたちが隠蔽するから、思考停止した有権者が民主党を勝たせてしまう。
その通りだ。 しかし、これこそ、大問題だ、
これを問題にしないから、「日本の有権者の政治意識が低い」というのだ。
>政権担当能力の欠如は、バラマキ政策で有権者の歓心を買っている点に表れている
そうだ、「選挙に勝つ」、為だな。選挙に勝つ事が、政権を維持できるからな。
>民主党のバラマキ体質は極めて無責任で、政権政党としての信頼を損なった。
「無責任」という点では、かっての自民党より無責任だな、「国家観の欠如」が日本國に対しての無責任体質となるのだ。
>民主党に意見を積み上げていくシステムも、最終的に集約する意思決定機関もないためだ。
いやはや、これでは政党とは云えないね。
>党の綱領すらなく、日本をどういう国にするのかという理念もない。基本政策についても党の分裂を恐れてまとめきれない。
いやはや?!
>「政治主導」のはき違えも大きい。意見を具申しようとする官僚を怒鳴り散らすようでは、官僚機構は全く機能しない。
田中角栄は、「官僚を使いこなした」、と謂うが、
菅直人は、「官僚を怒鳴り散らした」、のだな。
いずれにせよ期待できない者が新党首の座に付くようです。
日本空転は未だ未だ続くのでしょうね。
前原さんは、南北朝鮮に甘く、偽メール事件や、やんばダムみたいに言動に責任感が欠落してます。
我々が民主党の嘘出鱈目左翼悪徳軍団であることを
広く訴え続け、被災地の方々の訴える声を伝え続け
ればいつかは目は負から正に戻ると思います。
早期総選挙の試金石でもある被災地首長選挙が
そろそろ(もう始まりましたか?)だと思いますが
その進行と結果如何によっては、無理の無い年内
総選挙を主張することも正論足り得ると思います。
ルーピーよりはまし。
これは基準であって、基準ではないですよね。
解散総選挙で、民主党を壊滅させるしかない。
解散総選挙が待たれる所ですが、自民党を見ても谷垣、石波、石原、特に大島は影で何を画作し、誰と繋がってるのか。
決断力に欠け実行力も統率力も無い現執行部を一新すべきです。
>国家観や見識がないような政治家が最高指導者の地位に就くことが、国家や国民にとっていかに「不幸」かを示す・・
菅氏は初めから終わりまで国家観らしきものはなかったですね。結局自分の言っていた「最小」の代りの「宰相」不幸社会を顕現していただけのようです。
脱原発の見え見えの下心発言は本当に宰相としては情けないと思います。まず必要なことはフクシマの安定と当面の電力需給に筋道を立てるの先であるにもかかわらず、そんなことほったらかしで全国に放射能不安と電力不安をばらまき、思いつきの脱原発発言ですからお粗末でした。むしろわざと状況をむずかしくさせている感さえあります。それも「行き詰まった時は別の大きな話題を提供すれば国民はすぐに忘れる」という発言が聞こえただけに、保身のためにやっていることも見透かされています。
長期的には、放射能災害の危険性はわずかでもあることを考えれば、原発を減らしていくことに反対の人は少ないでしょう。であるならば余計長期に向けてどうエネルギー転換をしていくかを構想を練るのが政治家の仕事でしょう。エネルギー問題は一方で巨大な利権の塊であることから、なおさら政治の力が必要なことです。
また、日本は世界最高レベルの原発技術を持っており、今後も世界の多数国が原発を必要としていることも考えれば、さらに安全技術を高め、万一の対策技術も高度化させる義務もあるのではないでしょうか。宰相が保身に走り全体の構図が見えないなど信じがたいものがあります。
昨年の尖閣漁船衝突事件も本当にひどかった。あれ以後ロシア、韓国の行動がエスカレートしていったことを見ても、そのひどさが分かります。船長はかろうじて強制起訴になりましたから、中共政権が協力しなくとも、菅政権の悪政の記念碑的な意味でも何年でも何回でも起訴状を送り続ける必要があります。
さて、民主党代表選挙ですが、公示から3日で選挙ですから、実質的には派閥争いとポストを差し出す証文合戦で終わりでしょう。政策論争など中身はほとんどありません。
それに、「主張」の通り、「民主党そのものが政権政党としての体をなしていないこと」が深刻です。党に綱領なく、「党に意見を積み上げていくシステムも、最終的に集約する意思決定機関もない」とは実に恐るべきことです。
また、2年前政権奪取後最初にやろうとしたことが「外国人参政権法案」と「人権擁護法案」だったことを見ても、マニフェストは選挙買収の材料で、やりたいのは党の支持団体の核である日教組、自治労、同和団体、在日組織の喜ぶ政策でした。
今されている教科書採択において、市民団体と称して強力な反対と圧力をかけ続けている勢力はほとんど上記メンバーに共産党系の組合を加えたものではないでしょうか。
また拉致被害者家族会の増元氏が「集会をすると赤い旗も持った団体がいつも邪魔をする」と国会で言っておられましたが、赤い旗を持つ団とは民主党の支持の団体も含まれていることでしょう。例の「市民の党」と民主党の関係にもよく現れています。
要するに民主党の本質はここにありでしょう。
民主党の本部がいい加減なのは、結局支持団体が何十年も変わらない反日左翼であるのに、本部は理念無き選挙互助会であるという組織そのものから来ていることです。
民主党という木がまともに育たないのは、その根っこだけでなく、周りの土壌そのものが汚染され、毒性の養分しか吸収できないからではないでしょうか。
「腹の虫がおさまらない」から、云わせて貰うが、
「日本を壊し続けた菅直人首相」よ、日本国家に与えた莫大な損害の責任が、辞任したからといって、それで済むのでしょうか?
「日本国家」に与えた、損害をどうやって償うというのか?
「お遍路」で罪を償うのか?
日本の有権者のより多くがあなたのような認識を持つようになると、いいということでしょうか。
「市民」しか考えられない人間が「国民」や「国家」の経綸を任務としたことの悲喜劇が菅政権の総括でしょうか。もっともルーピー政権はもっとひどかったともいえるでしょう。
自民党も確かに執行部は頼りないですね。
いまの執行部は自民党がもうお先真っ暗というときに出てきた人たちですから、やむをえない部分もあるかもしれませんが、政権奪回の展望が強くなった現在ではリーダーシップを発揮することへの期待ががらりと異なってきたといえそうです。