野田政権の登場です。
しかしこの政権の登場がやがて民主党の自壊につながる、という興味深い評論がありました。
産経新聞の政治部長のコラム記事です。
【朝刊 1面】
■民主の自壊が始まった 政治部長・五嶋清
菅直人首相よりはましな政権をつくってほしい。心からそう願う。今回の代表選に出馬した5候補の中で、もっとも安定感があるようにみえる野田佳彦財務相 が当選したことは歓迎すべきことだろう。前任者の菅首相、その前任者の鳩山由紀夫前首相の唐突な行動と突飛(とっぴ)な発言に振り回され続けた2年間だっ ただけに、民主党政権3人目の野田氏には落ち着いた大人の政治をぜひ実現してほしい。
ただし、野田氏の政権運営は前途多難であることを予言しておこう。野田氏のつまずきの石になりそうなのは、第一に党運営である。とりわけ問題になるの は、野田氏の対抗馬だった海江田万里経済産業相を推した小沢一郎元代表のグループとの関係である。もっと簡単に言えば、小沢氏と手を結ぶのか、それとも小 沢氏を排除するのかという点である。
野田氏は代表に選出された直後の演説で、「同志愛を感じた。ノーサイドにしましょう」と述べた。代表選期間中も「怨念を超えた政治」を掲げ、「絶対に挙 党態勢で仕事をしなければなりません」と訴えた。だが、ノーサイドも怨念を超えた政治も挙党態勢も、言うほど簡単ではない。
小沢氏の方は、代表選後の海江田陣営の会合で、野田氏を支援する可能性を示しつつも、「これからの態勢次第だ」と警告した。あきらかに小沢グループに対する厚遇、あるいは小沢グループの政治的主張への配慮を求めていると思われる。
たとえば、政策的には、政権公約(マニフェスト)の見直しについて小沢グループと野田氏の主張は異なる。増税をめぐる意見対立の解消も容易ではない。
また、小沢氏は現在、政治資金規正法違反で強制起訴され民主党から党員資格停止処分を受けている。処分を解除すれば、野田氏に投票した多くの民主党議員の失望を招くだろうし、国民の支持も失いかねない。逆に解除しなければ小沢グループとの融和は難しい。
今の民主党は、耳に心地良く高邁(こうまい)な理想に彩られた野田氏の巧みな演説がそのまま通用するような政党ではない。
野党との関係も難題である。ねじれ状況下の国会を円滑に運営するには野党に協力を呼びかけることは重要だ。野田氏は演説の中で、「思惑ではなく思いで、 下心ではなく真心で、論破でなく説得で」野党との協力関係を構築したいと言った。至極まっとうかつ真摯(しんし)な主張である。また、野田氏は東日本大震 災復興に向けて、「救国内閣」の樹立を提唱した。いわゆる自民党などとの大連立政権の樹立を目指す必要性を指摘したものだ。野田氏はその後にややトーンダ ウンしたものの今でも大連立を理想形と考えているようだ。
だが、自民党内に強い異論があり、うまくいきそうにないし、野党の協力を得る前に民主党内の理解を得られそうにない。
そもそも民主党自体が、小沢グループと反小沢グループによる大連立政党ではないか。野田氏が目指す大連立が震災復興という目的限定、期間限定の政権であるように、民主党という政党も政権交代を目的として主義・主張が異なる者が寄り集まった期間限定の大連立政党だ。
野田氏はこの党内対立を超克する指針や日本の進む方向を打ち出せていない。羅針盤なき大連立はいつか崩れる。大連立民主党は自壊過程に入ったのではないか。(ごじま きよし)
コメント
コメント一覧 (14)
人材がいない, 確たる政治目標がない,
ボスが国民に嫌われている, では将来性はない.
これに対して, 自虐的な世代の発言力がある間は
民主党は存続するだろうし,
日教組の反日教育も侮れない.
これらは長い期間を通して衰退していくから,
その時に憲法改正の議論ができる.
それにしても, 嘘付党が時期首相を決めること
ができたのは残念だ.
このままいくと, 次期総選挙では反日勢力が
最高裁の裁判官候補を出してくるのだろう.
最高裁は憲法との関連で大変に重要だ.
まぁ、中国朝貢修学旅行へ大議員団を動員した小沢や、アメリカとの信頼関係をブチ壊そうとしたルーピー鳩山の率いる小沢派でなかったのは、不幸中の幸いと言うべきでしょうか・・・?
しかし、所詮はコップの中の嵐、ネズミの運動会。
「解散総選挙で、国民の信を問い直す!」と自ら宣言するような人物でないと・・・・って民主党にはいないでしょうねぇ。
まぁ、自ら職を失うようなマネは自民党議員でもしないでしょうけど。
今国民が一番聴きたいのは、「国をどうするのか?」ってビジョンなんですけどねぇ・・・。
どうなることやら。
>民主党という政党も政権交代を目的として主義・主張が異なる者が寄り集まった期間限定の大連立政党だ。
確かに政権交代をした今、もう「民主党大連立」の必要性も大義もなくなったというのはもっともなことです。民主党はそもそも党綱領がないことに象徴されているように理念無き選挙互助会ですね。そして党組織は旧社会党の地方組織を引き継ぎ、鳩山家の資産力で発足したのでしたね。
今回の代表選挙でも候補者の主張は相当食い違っていました。三党合意の扱い、復興財源、消費税増税、小沢氏の処遇、TPPなど野党との違いより差は大きいかも知れません。外交安全保障はそもそも議論にもならなかったことも民主党の今の姿です。この話をすれば同じ党であることもできないのでしょう。
選挙結果に見る小沢派、反小沢派の違いは鮮明ですね。元々旧社会党が主流であるのに偽保守の小沢氏とそれが結びつき影響力を持つことは実に奇っ怪です。要するに権力を取った以上手放すことだけはしたくないということでしょう。
党綱領がなく、マニフェストが撤回されれば、最早烏合の衆の集まりでしょう。残る一致点が人権擁護法案、外国人参政権法案、反日反米媚中親北政策などだけであれば日本の政党とも言えませんね。その象徴が北朝鮮工作機関である「市民の党」との抜き差しならない関係なんでしょうね。
輿石東氏が幹事長に決まった時点で大きな不安です.
後は外務大臣の人事に期待するのみです.
まあ、三方良しを理想とする松下政経塾の考え方とは言え
色々と論議を呼びますな。
ま、與石東が左派と言っても国家観をしっかり持っていれば
問題無い訳でありますが国家観すら大いに疑問を持たれている
とあっては右派から色々と批判が出てくるのは必然って事
でしょう。
よって世論が「政治不信」を叫びそれにマスコミが乗っかる、
そういった事態が来年の今頃にまたもやぶり返す可能性は
決して低くないですね。
民主党が政党としての整合性をどこまで保てるか、ですね。
日教組の左翼が幹事長、A級戦犯は名誉回復したという保守調が首相。やはり分裂気味です。
結局はこの党は小沢党だったのですね。
そして小沢、鳩山、菅と3リーダーが哀れな末路。
本来の民主党はもう死んだともいえそうです。
目的は達成された分けであるが・・・、結果、国はガタガタだ。
これでは、「国家」は「衰亡・滅亡の道を、まっしぐらに行く状である。」
>主義・主張が異なる者が寄り集まった期間限定の大連立政党だ。
全くその通りだ!
「実験」は終わった! もはやこの大所帯は、賞味期限切れだ。腐っている、ゾ!
野田氏にしても民主党の保守とかいわれていますが、
前原・松原・長嶋氏にしても、私は保守と思ったことがないんですが、
新首相にも、それで何がやりたいの、ああ、みんなと仲良しになりたいの、
ふーん、ぺこぺこぺこぺこ総理大臣の威厳も何もねえなー、
どじょうとか自虐してれば日本人は謙虚だと好感を持つはずだ、
とか思ってるんだろうな、というくらいの感想しか持てないでいます。
民主党の保守派というのは、極左集団の目くらましのための、
保守票つなぎとめの陳腐なペテンとしか思えません。
いいほうに裏切られることを期待したいですが、
期待すると悪いほうに裏切られるのでつらいところです。
いいほうに裏切ってくれないと自民党も変わらないですから。
民主党の自壊が始まった。常識ではそう思いますよね。
しかし、民主党には、常識が全く通用しないのです。
菅を見ればわかるでしょう。菅のような人の集まりが
民主党なのです。自壊作用が始まれば、
党の分裂を防ぐ事だけに、益々執着するのです。
インタービューで、野田の「民主党大好きです」の言葉にも呆れました。
そして、輿石を幹事長にあてました。
「党の崩壊を防ぐ」ことが民主党の綱領かと思うほどです。
内閣不信任案の時に、民主党は第1に「民主党を分裂させない」といい、
そのことで批判を受けました。
全く変わっていないことが露呈されました。
そして、党首選で、自民党の派閥時代を超える
凄い党内の権力争いを見ました。
老若男女を問わず、民主党の国会議員達は、
国会議員という安泰なところに自分の身を置いて、
世界市民(仙石)とか、友愛(ルーピ鳩山)という美辞麗句を並べ立て、
国民のことを全く考えず、
自分の自尊心と虚栄心だけを満足させているとしか見えません。
いわゆる仏教で言うところの我欲の集まりである餓鬼そのものです。
本当に酷い政党に国家の運命を左右する政権を渡した物だと、
改めてその感を強くしました。
民主党の国会議員は地獄に堕ちろ!