日本やアメリカへのサイバー攻撃の最大発信源についての報告を続けます。
日本ビジネスプレスの連載コラム「国際激流と日本」からの転載です。
原文へのリンクは以下です。
中国軍の陳炳徳総参謀長
中国軍の動向についての情報がなぜ米国から出てくるのかといぶかる向きもあるだろうが、秘密のベールに覆われた人民解放軍の動きは、日ごろ米国が 超大国ならではの政府や軍の情報収集能力を駆使して驚くほど詳細に把握しているのである。ストークス氏の報告も同氏自身が中国部長を務めた国防総省の中国 情報にももちろん立脚しているわけだ。
この報告は、まず米国や日本などの政府、議会、軍関連機関へのサイバー攻撃は、大部分が中国からだという見解を踏まえて、その中国のサイバー作戦の最大の推進役は、人民解放軍総参謀部のうち「技術偵察」を任務とする「第3部」だと明記している。
この第3部の従来の任務は「SIGINT」(通信諜報活動)と呼ばれる外国機関の通信傍受や暗号解読、自国側の通信防御だが、近年はその枠を大幅 に広げ、サイバー偵察、サイバー利用、サイバー攻撃なども活発に実行するようになった、と記している。現在では中国の対外的なサイバー作戦の統括はこの第 3部によるのだという。
報告はこの総参謀部第3部全体については以下のように伝えていた。
「第3部は年来、SIGINTを主要任務とし、北京市海淀区の西側丘陵地帯、厢紅旗地区に本部を置き、傘下には合計12の作戦局と3つの研究所を抱えている。第3部の司令官は孟学政少将、総要員は13万と推定される」
同報告によると、中国軍総参謀部は、これからの戦争やそのための態勢構築にはコンピューターネットワークでの攻防が不可欠だとの基本認識を確立 し、そのためのサイバー作戦は第3部に統括させて、潜在敵の軍や行政に限らず、政治や経済の関連機関のコンピューターネットワークから特定個人の電子メー ルまでに侵入したり、妨害の攻撃をかける作戦を強化しているという。このため、第3部は中国全土でもコンピューター処理能力の高い人材が最も多数、最も集 中的に集まる組織となったとされる。
人民解放軍のサイバー攻撃に官民一体で対抗せよ
では、この総参謀部第3部という巨大な組織の中で、米国や日本へのサイバー作戦を担当するのは、どこなのだろう。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (9)
向こうからの攻撃に対し、その発信元にその攻撃を送り返すようなシステムが出来れば、スパコンよりももっと高く外国に売れるかも知れません。
発信元が自分達の送ったサイバー攻撃で混乱すると言うのは、想像するだけで気持ちのよいものです。
コンピューター開発なんて、ベストを尽くさなくてよいと述べた民主党の仕分け人がいましたね。
日本が弱くなれば、うれしい、ということなのか。
これは、「日米戦争」当時の、日米の通信電波における諜報活動にもあった。
>近年はその枠を大幅 に広げ、サイバー偵察、サイバー利用、サイバー攻撃なども活発に実行するようになった、
中国の「パソコン技術の知能程度」を実践して、「己の知能程度」を確認、確証を得る意味もある、
プライドの高い中国だから自然の成り行きだろう。
>合計12の作戦局と3つの研究所を抱えている。第3部の司令官は孟学政少将、総要員は13万と推定される
いやはや、これは、本格的だゾ~~!
以前、NHKでは「電子立国日本」という番組をやっていたが、
電子立国の「日本防衛省」も、この程度の「日本サイバー部隊」を組織せねばならない、ぞ。
>第3部は中国全土でもコンピューター処理能力の高い人材が最も多数、最も集 中的に集まる組織となったとされる。
これは、早速、日本も「真似」せねばなるまい。 日本の技術を真似られてばかりでは、面白くないからね。
> これは、「日米戦争」当時の、日米の通信電波における諜報活動にもあった。
よく聞いた話なのだが、
日本が日米戦争に負けた原因に、戦争末期にアメリカが
レーダーを開発して、アメリカ側の「探知能力の一層の向上」があった、という事だが、アメリカ側の「暗号解読能力も相当なもの」であったらしい。
日米戦争での暗号解読はアメリカが最初から最後まで決定的に優位に立っていたようです。
>thinking さん
>
>日米戦争での暗号解読はアメリカが最初から最後まで決定的に優位に立っていたようです。
僕の高校の時の英語の先生が、戦時に「暗号解読に従事」していて、
その知識を授業時に、良く「暗号」のテクニックについて、話していました。
戦争が終わったから、最早、気楽に話ていたのでしょうが、
戦時中なら、これは重大な「軍事情報漏洩犯罪」である、訳であるが・・・。
世界に目を向けたら、大変なことが起きてるのに、....。
昨日の党首討論、どうしても、自民党にはいらだってしまいます。
大阪の今回の選挙、甘く見てはいけません。
谷垣さんはテレビ(BSフジ)で「大阪の事情、政治に熱狂は必要ない」という趣旨のご意見を述べられてましたが、この考えは間違っています。
まず、今回は無党派層が動いたという選挙。これからの選挙は無党派をどう取り込むか、です。無党派とは本来、現政権批判派なのです。その人たちに支持を得るには「熱狂」というある種の衝動がないと、投票行動ににはつながりません。今回の橋下さんには確実に3年10か月の知事の実績があります。つまり単なる熱狂だけではなく、裏づけされた人気があったのです。それなのに、平松民主党を支持した自民党には絶望しました。自民党は既得権益死守の政治やさんなんだと曝露されたようなものです。
なんで、民主党、日教組や組合、共産党といっしょに戦えるのでしょうか。谷垣さんのテレビ(BSフジ)での発言と、昨日の党首討論をみて、谷垣さんはいい人だけどダメです、現状認識が甘い。
自民党も勿論民主党も世界、いや日本でさえ戦えない。
号外、今日の新聞です。
ワシントンポストによるとジョウジタウン大学のフイリップ カーバー教室の膨大な研究の結果。この教授はキッシンジャーのもとで働いていた軍事研究専門家。
1.中国は3000マイルくらいのトンネルを造り(是はボストンからサンフランシスコにとどくらいの距離)。
シチュアンの地震の後何千人と言う放射線技師が其の地方に送られた。山、丘がアチコチで陥没した事等を詳細に調べた。
2。そこにミサイルとか原爆を隠しているらしい。
3。中国が報告しているより莫大な大量破壊器を隠しているらしい(推測3000)。ちなみにアメリカ原爆5000、ロシア8000。中国は地下に隠して安全なので是で充分だと言う。専門家の意見は様々。
谷垣さんについては「北京の夜」を持ち出すほど、意地悪くみなくてもよいのでしょうが、しょせんは自民党が自民党ではなくなったときに消去法でトップの座に就いた人ですよね。その限界はいつもちらほらしますね。