さすがはアメリカだと、改めて感じました。

 

 中国の習近平国家副主席がホワイトハウスを訪れ、オバマ大統領と会談している、その同じ時間帯に、アメリカ議会では中国の政治犯2人の妻たちに中国政府の人権弾圧に対する習氏への抗議と、オバマ大統領の冷淡さへの批判を堂々と証言する機会を与えたのです。

                        =========

〔ワシントン=古森義久〕

中国の習近平国家副主席の訪米に時機を合わせて米国議会組織が14日に開いた公聴会で中国当局に拘束された人権問題の中国人弁護士の夫人らが「米中両首脳が中国政府の人権弾圧を公開の場で論じないことは不公正だ」と証言した。

 

同公聴会は「著名な人権弁護士の高智晟氏の処遇ケース」と題され、立法府が行政府とともに中国関連の諸課題に取り組む「中国に関する議会・政府委員会」(共同委員長は共和党クリス・スミス下院議員と民主党シェロッド・ブラウン上院議員)によって開かれた。

 

高弁護士は北京で貧困層などの権利擁護を続け、2006年以来、数回の弾圧を受けて、現在も拘束されている。公聴会では米国への亡命を最近、認められた妻の耿和さんが「夫は中国での人権弾圧の実態を米国議会に書簡で知らせた直後にも逮捕され、拷問にもあってきた」と証言し、習近平氏の訪米を機に米側のオバマ大統領とバイデン副大統領に陳情したことを明らかにした。だが面会は得られなかったという。

http://www.epochtimes.jp/jp/2009/10/img/m19294.jpg

  (高弁護士が連行される前の高一家)

 

南京地区の大学教授で複数政党制や民主主義統治を求め、2008年には新政党の結成を宣言してすぐ、「国家転覆罪」で懲役10年の刑に処された民主活動家の郭泉氏の妻の李晶さんも同様に証言して、中国共産党の人権弾圧を非難した。李さんも米国への亡命が受け入れられたが、オバマ大統領に対し「習氏に人権尊重を直接に呼びかけてほしかった」と強調した。

 

ブラウン議員も「中国政府は自国の法律だけでなく国際的な規範にも違反して人権を抑圧しており、オバマ政権はその点での非難をもっと明確にすべきだ」と述べた。スミス議員は「歴代米国大統領は外国の人権弾圧の被害者家族には必ず面会してきたのに、オバマ氏はその要請を退けた。オバマ政権の中国への『静かな外交』は人権尊重の実現になんの効用もない」と指摘した。

http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-02/02/xinsrc_46202020202311562455815.jpg

                           (郭泉氏)