北朝鮮がこの1、2年で核弾頭を弾道ミサイルに装備するだろうという予測の紹介を続けます。

 

 私が日本ビジネスプレスの連載「国際激流と日本」に書いたレポートの転載の続きです。今回で完結となります。

 

 なおこのレポートはテレビ朝日の「報道ステーション」の関心を引き、私はワシントンでインタビューを受けました。

 

 さて今回の紹介分は北朝鮮がノドン・ミサイルなどに核弾頭を装備するにいたり、日本全土がその射程距離内に入った場合の、わが日本の右往左往ぶりについてです。

 

 なお原文へのリンクは以下です。

 

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34585

 

 http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/47/1d/bdcxs228/folder/143847/img_143847_33478209_0?1290739153                                          (北朝鮮のノドン・ミサイル)    

                                =======

 

                          ========

 韓国でも2010年10月に大統領補佐官が「北朝鮮は核弾頭のミサイル装備と配備を極めて早いペースで進めており、その核の脅威はすでに警戒すべき水準に達した」と言明した。

 

 2011年12月には米韓両軍は米国ネブラスカ州で初めて北朝鮮の核攻撃の脅威を前提とした合同演習を実施した。いずれも核弾頭のミサイル搭載を示唆する動きだと言える。

「日本には対北朝鮮戦略がないように見える」

 ニクシュ氏はさらに、北朝鮮が弾道ミサイルへの核弾頭装着を宣言して明示すれば、6カ国協議の目標である「北朝鮮の非核化」はもう絶対に実現しな いだろうとも予測する。そして韓国、日本、米国にとって北朝鮮の軍事能力の重みが根底から変わり、安全保障政策の基本が再考され、再編成されるようになる というのである。

 

 ニクシュ氏は、この悪夢のシナリオに対する各国の動きも予測する。特に日本の反応の予測が興味深い。

 

 「北朝鮮の核弾頭ミサイル装備の実現に対しては、各国の中でもおそらく日本のショックが最大となるだろう。敵性国家による核攻撃の能力や意図の誇 示という現実は、戦後の日本が想像もしなかった事態となる。大震災の復興になお追われるいまの日本の政権には、そもそも一貫した安保政策が窺われず、特に 対北朝鮮戦略がないように見える」

 

 ニクシュ氏はその上で、日本にとっては、北朝鮮の核ミサイルを抑止するための非核の爆撃機やミサイルという長距離攻撃能力を保持することも選択肢になる、と述べる。しかし、現状では憲法上の制約などを理由とする反対論の勢いがなお強いだろう、とも指摘するのだった。

 

 確かにわが日本では、北朝鮮の核武装への対応が現実的な国政上の課題とはなっていない。そんな現状では、ごく近い将来のある日、突然に北朝鮮が核 弾頭を日本に届くミサイルに装備したという実態を突きつけられたならば、「何をしてよいか分からない」という反応となることも容易に想像できる。

 

 しかし日本の国家や国民にとっての安全保障を真剣に考えれば、すぐそこに迫った北朝鮮核武装の「真実の時」を仮想だけとしては済ませられないのである。

(終わり)