こんな記事を書きました。                 

 

 

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[ワシントン=古森義久〕

 

 米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」はこのほど中国軍がサイバー攻撃を対米軍事戦略の中枢に位置づけ、実際にその攻撃能力を画期的に増強しているとする詳細な報告を発表した。同報告は中国軍が米側コンピューター網への攻撃を実際の戦争の不可欠な一環としているのに対し、米側はまだその対応が十分ではないと警告した。

 

 同報告は「中国のコンピューター網作戦とサイバー・スパイ活動」と題され、まず中国人民解放軍が米国を主目標とし対米戦争の想定でも戦闘の開始前と初期には米軍の「指揮・統制・通信・情報・コンピューター(C4I)」機能にサイバー攻撃をかけることを不可欠とみなすにいたった、と述べている。

 

 同報告によると、中国軍はこの米側コンピューター網へのサイバー攻撃を「情報戦争」や「情報対決作戦」と名づけ、有事には総参謀部の第3部と第4部が指揮するが、平時は共産党中枢からの命令で国有大手企業や全国各地合計50ほどの大学の研究機関をも動員している。サイバー攻撃をとくに重視する有事の想定では中国による台湾への軍事攻撃のシナリオが打ち出され、米軍の介入を中国側からのサイバー攻撃で最大限、遅らせることが目標にされているという。

 

 同報告は中国軍がサイバー攻撃を重視した実例として①昨年10月の山東省での合同軍事演習でサイバーの攻撃、防御両作戦を火砲発射や早期警戒と同様の重要性を持つように扱った②一昨年11月の3軍管区合同の演習で敵軍のC4Iを破壊するサイバー攻撃能力を持つ部隊に光を当てた―ことなどをあげ、「明らかに米軍を敵と想定してのサイバー攻撃能力の増強に努めるようになった」と強調した。中国側は自国の軍事、非軍事両分野でのサイバー攻撃によるスパイ活動で米国の情報を盗み、軍事技術の向上や産業分野の発展を目指しているという。

 

 同報告はまた米側の対応について「有事でも平時でも中国がサイバー攻撃の犯人であることを示す状況証拠がいくらあっても、日本側は現行の法規では決定的にそのかかわりを実証しない限り、対応が消極的かつあいまいのままに留まることを強いられる点が米国にとって非常に危険だ」と警告を発した。

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