中国の次期指導者たちの分析をアメリカがもう始めています。
台頭する大国の新指導者たちは対外的にどんな態度をとるのか。とくにアメリカに対してはどうなのか。
こんな読みがもう真剣に始まっているわけです。
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〔ワシントン=古森義久〕
米国議会の政策諮問機関「米中経済安保調査委員会」は23日、中国共産党の次世代指導者たちを分析する報告を公表し、習近平氏をはじめとする新指導層は米国に対しても実務能力を高め、自信に満ち、民族主義的志向の強い姿勢をとるだろうとの予測を打ち出した。
米国では政府、議会から民間まで2012年に予測される中国の最高指導層交代に真剣な関心を向けており、同報告その表れの一端といえる。超党派の同調査委員会専門スタッフが作成した同報告は「中国共産党と新登場する次世代指導者たち」と題され、いま確実とされる習近平氏の共産党総書記就任や同党政治局常務委員会の異動がどのような対外政策、対米政策につながるかをも占っている。
同報告は習氏が「太子党」や「上海閥」の強い支持を得て最高ポストに就くことを予測する一方、メンバー9人のうち7人が交替する同政治局常務委員会では胡錦濤現総書記に近い「共青団派」が力を発揮するとの見通しを強調した。
そのうえで同報告は習氏を中心とする第五世代指導者たちの特徴として
①当初の数年は劇的な政策変更はしないが、現世代よりも教育水準も行政の実務能力も高く、国際的視野も広い
②同時に共産党への忠誠や共産主義イデオロギーへの信奉が強く、中国の民族主義をも強く反映して、外部世界や米国をみる際の自他の区分が厳しい
③若い時期から共産党エリートとして育ったために優越意識や特権意識が強く、対外関係への取り組みにも反映されかねない
―ことなどを指摘して、米国にとっても手ごわい相手と位置づけている。
習近平氏自身について同報告は同氏が江沢民、曾慶紅前正副国家主席に対し多様なアプローチで支持を勝ち取ったことを詳述する一方、胡錦涛氏との協調の巧みさから「太子党ながらも共青団派からの支持も強い」とも評した。
習氏自身の対米姿勢に関して同報告は
①米中関係の重要性を公式言明で再三、強調してきた
②娘が米国の有名大学に入ったとみられる
③しかしその一方、人民解放軍の将軍で米国敵視で知られる劉源氏ときわめて親密とされる
―ことなどから大ざっぱな断定は難しいとして、習氏は米国に対し多層な態度をとるだろうとも予測した。
コメント
コメント一覧 (15)
糸偏商社出身の丹羽大使ではなくて。
対中ビジネスをしてきた日本企業は中国政府が嫌がることは発言できません。だからその日本企業の代表を日本大使にすることは最初から構造的な欠陥があるわけです。
太子党に上海閥、共青団派の間で一歩間違えば失脚、銃殺になるようなパワーゲームが繰り広げられる。アメリカのネガティヴキャンペーンなど平和なものです。こういう指導部にむかって国際的ルールを遵守せよといってもなかなか聞かないでしょう。米中の共通点を探せば、いびつな構造の「チャイメリカ」が姿を現す。習近平自身は守旧派、改革派、軍部とも巧みにつながっているようですね。二キータ・フルシチョフは失脚した時、ジューコフをクビにしたことを悔やんだそうです。
それでも習近平は最弱の指導者になるのでしょうか。
アメリカはこういう他国の人事動向や分析も一定の範囲で公表するのですか。勿論、公にできない特殊情報は水面下で蓄積されていることでしょう。
ところで、中国共産党の人事では重慶の薄熙来氏と王立軍氏の失脚事件があったように暗闘は根が深いのでしょうね。決して独裁権力交代がすんなりと決まる訳ではないようです。
考えて見れば、独裁政権というのは逆の意味で最高権力者を決めるには困難がありますね。民主主義社会では選挙の結果という誰も反対できない仕組みがあるので楽ではあります。独裁政権では誰かカリスマのある人物がキングメーカーになる以外では、実に陰湿な権力闘争になりがちです。
中国の歴史はよく分かりませんが、朝鮮では李朝時代の党派争いが有名ですね。当時朱子学に凝り固まっていましたが、些細な儀式上の違い(例えば服喪期間をどのくらいにするかなど)により、党派に分かれ血みどろの権力闘争が繰り広げられたと伝えられます。権力をどのように奪取するかは党派や一族の運命に大きく関わりますが、後継権力者を選ぶはっきりしたルールを持たず、それぞれの党派の正当性は朱子学上のわずかな違いにより雌雄を決せざるをえなかったのです。
中国も根本は同じでしょうが、共産党も一応歴史に学びできるだけスムーズな権力継承の方法を持っているのでしょう。しかし、根本的に共産党というのは朱子学と同じでわずかな路線の違いが、粛清や殺し合いに発展した歴史ですね。鄧小平らの革命第一世代がいればまだしも、今は誰にもカリスマらしきものもありませんので、本当に権力闘争は大変なものでしょうね。
人民に選ばれない独裁ほど実は苦しいものはないのかも知れません。
しかし選挙でもロシアのような選挙も実にひどいものがありますね。権力者は有力候補者が出れば、あらゆる手段で排除するでしょうし、今回の選挙では二番手候補には共産党しかいないのですから、選択肢の狭さは悲惨です。こういう茶番の選挙はある意味中国よりもっと狡猾なのかも知れませんね。
共産党独裁政権の骨髄のような部分は隠しても、隠しても、にじみ出てくる、ということでしょうか。ドラマとしては陰惨ですね。
こんばんは。
アメリカが他国の権力継承を研究するのはあくまでも第一義的には、自国への影響がいろいろあるだろうから、その展望を事前に知っておく、という建て前だといえます。
ただしその種の研究や調査の結果をアメリカ政府が正面から発表するということはありません。絡めてから、出すという方式でしょうね。また政府とは別に議会や(場合によっては軍も)民間の機関が独自の調査をして、その結果を堂々と公表するケースは多々あります。今回の報告もその一つだといえます。
普仏戦争の後、ドイツ参謀本部の1人が言ってました。
「私は中国人を尊敬する。ただし、私が尊敬するのは古代中国人である」
正史を勝者が書くとは限らないのが現代です。
「中国文明や中国の歴史・文化・伝統を背景とする真の〈保守派〉とはまったく別のものである。」、と加地伸行は云っている。
「その〈保守派〉とは、今の改革派政権よりも時間的に古いというだけの旧政権派のことであって」、と加地伸行は、云っている。
ならば、今の共産党中国政権には、『保守派』という物は、無いという事になる。
そして、加地伸行は、云う、
『「保守」という重要なことばに対するこの誤った理解が、いつから始まったのか知らないが、日本において広がらないという保証はない。』
今の憲法では対処できない。
国を新しくする意気込みで取り組みたい。
新たな憲法が不可欠との認識に立ち国民の憲法起草委員会を発足
新憲法要綱策定の議論が必要だ!
①自民党の憲法改正原案
②大阪維新の会の維新ハ策原案に憲法改正明記
自民党+維新の会の統一会派で改憲実現を!
⑴産經新聞
⑵讀賣新聞
大手町の産經+讀賣が憲法改正案で自主憲法制定を推進!
新しい歴史教科書ならぬ新しい日本国憲法を創る時だ。
戦前の日本もそうでしたが、中国や北朝鮮みたいな後進国の場合、陰で実際の政策決定権を持つのは軍隊ですよね。
まぁ、カタチの上では「党の軍隊」なんですが。
「皇軍」とか言いながら、天皇陛下の意思を全然忖度しなかった帝国軍の例もありますし。
習近平さんが軍を抑え込めれば、彼の力量次第で政治が動くと思われますが、時代遅れの膨張主義者が支配する人民解放軍に彼が迎合してしまえば、国際情勢に変化はないばかりか、摩擦が高まる一方になりような気がするのですが。
なるほど、中国の動向を日本の憲法改正の必要性に結びつけるという発想は斬新ですね。
中国に司馬遼太郎がいたら、すぐ粛清でしょう。
習近平は最も弱い最高指導者といわれるように、力の基盤がまだまだなのではないでしょうか。人民解放軍も含めて。
この手のリーダーが国内を治めようとすると
外に向かって力を発揮すると言う危険性が充分に予想できます。
特に支那のお国柄ですから余計にです。
真紀子のアホ亭主もふんどしギッチリ締めこんで
東シナ海周辺のわが国領土保全をやってもらわないけませんですね。
充分に危険です。
日教組の能無し幹事長もヘラヘラ(笑)って支那訪問に出かけてるときじゃ有りません。
震災追悼式典での台湾への非礼に関しては「あれでよかった、中国は気にするんです」大陸棚ガス田問題では「一点突破の交渉でなく、いくつかの問題で妥協しながら交渉するのがいい」、歴史問題をいつまで中国は外交カードに使うつもりか、という視聴者の質問には、「外交カードになんかなってない、中国国内を押さえ込むためのカードである。ただ、中国には日本の戦争で傷ついた人はいるのだから、日本人は忘れてはいけない」....司会の反町さん、コメンテーターの宮家邦彦さんはかなりはっきりと、反論されていましたが、こんな人が外務省のチャイナスクールなんですね。
相手を知る事も大事ですが、外務省改革が、急務ですね。