中国の尖閣奪取の戦略に対して、日本はどう対処すべきか。

 

 提案の紹介の最後です。

 

 日本の官民で中国の戦略やその脅威を研究し、議論しようという提言です。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 原文へのリンクは以下です。

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35731

国際激流と日本

尖閣諸島を守るために
日本がすぐに実行すべき5つの対策

 

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 中国は国連海洋法条約が決めた排他的経済水域(EEZ)や大陸棚に関する規約や合意をも公然と無視している。日本が中国のそうした側面を国際的な場 で指摘することは、尖閣諸島防衛への外交的な得点ともなるだろう。中国の尖閣奪取への動きが国際的な課題である現実をアピールすることともなる。

【その5】 日本国内で中国の脅威と対策を議論せよ

 さて、第5は中国の実態についての日本国内での国政議論の開始である。

 

 日本にとって中国の動向はいまや国家の基本を揺さぶるほど巨大なファクターとなった。日本の固有の領土である尖閣諸島を奪取しようという動きはそ の象徴だと言える。中国は日本の安全保障にとっていま最大の潜在脅威であり、懸念の対象である。いや、安保だけに留まらず、経済や金融の面でも、中国は日 本の国家としての進路を大きく動かしうる存在なのだ。

 

 しかしそれほど重要な中国の実態を国政の場で体系的、政策的に論じようという努力が日本には存在しない。国政の場での中国に関する研究や議論がないのである。

 

 この点、米国は対照的である。政府は経済面で毎年、中国が世界貿易機関(WTO)の規則をどこまで順守したかを詳述する調査報告を発表する。中国 の軍事力の実態に光をあてる調査報告を公表する。中国の人権弾圧の実態や宗教の自由抑圧の状況を年次報告の形で批判する。政府と議会の合同の「中国に関す る議会・政府委員会」という組織があって、公聴会や調査報告によって、中国の人権状況に恒常的に光を当てている。

 

 また、議会の諮問機関「米中経済安保調査委員会」は、米中経済関係が米国の国家安全保障に与える影響に焦点をしぼり、立体的な調査と発表を続けて いる。民間でも多数の大手シンクタンクが中国の軍事や経済を研究して、その結果を公表する。その結果、最近のワシントンでは文字どおり連日、中国について の研究や討論のイベントが催されているのだ。

 

 一方、日本では中国研究自体はもちろんなされてはいるが、国会のような国政の公式の場で中国のあり方が論じられることはまず稀である。中国を単に 批判的に取り上げる中国叩きではなく、中国の軍事態勢や海洋戦略を冷静に調査し、その結果を国民一般にも伝わる形で公表し、議論するという作業が国会を主 体に実施されてしかるべきだろう。日本にとっての中国の比重はそれほど巨大なのである。

 

 中国が尖閣諸島に対し、どのような戦略や思考を抱いているのかなど、日本国民全体が理解できる形で、国政の舞台で論じられるべきだ。そうすれば国民の間で尖閣を守ろうという意識が自然と高まるだろう。 

 

 以上が尖閣諸島を守るための日本側の取るべき政策についての5つの具体的な提案である。

(終わり)