アメリカ大統領選での共和党側の副大統領候補に若手のポール・ライアン下院議員が指名されました。

 

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〔タンパ=古森義久〕米国共和党全国大会が29日、副大統領候補にポール・ライアン下院議員を決めたことでこんごの選挙戦は政策論争のイデオロギー色を濃くして、オバマ大統領への挑戦も議論をより尖鋭にしていく見通しが強くなった。

 

 42歳のライアン氏の登場はロムニー陣営に若さや活力を増す形となり、29日の副大統領候補受諾の演説でも会場はわきにわいた。

同氏は演説でオバマ政権の景気回復策や医療保険改革策での巨額の支出を具体的な数字をあげて批判し、財政赤字の膨張への基本的な反対を表明した。

 

ライアン氏はこれまで下院予算委員長として共和党独自の予算案を作る財政通の実績を積んだだけでなく同党全体でも財政面の保守主義の最も強烈な旗手として活動してきた。緊縮財政、とくに高齢者医療保険をも含む社会福祉制の改革という「小さな政府」論を正面から唱えてきたわけだ。

 

この点でのライアン氏の保守度は大統領候補のロムニー氏を上回る。このためライアン氏の参戦は共和党側のオバマ政権攻撃をこれまでよりも鋭くし、イデオロギー色を強くするとみられている。

 

保守派の政治評論家のフレッド・バーンズ氏は「両党の論争はライアン氏の参加でこんごは『政府の役割』とか『政府と国民の関係』という国家のあり方の基本レベルにまで引き上げられるだろう」と述べた。ロムニー氏も保守主義を唱えるが、論争の主題はオバマ政権下の経済運営や同政権の過去の実績という次元に留まりがちだったというのだ。

 

ライアン氏が議論では緩急を操る論客である点もこんごの大統領選挙の熱気を高めることが予想される。民主党現職のバイデン副大統領は国政経験こそ豊富だが、討論では失言も多く、冷静に相手を攻撃していくとされるライアン氏との対照がすでにメディアでは報じられている。

 

ただしライアン氏は高齢者医療保険(メディケア)の改革としてその支出の削減をも示唆しているため、民主党側からは「病んだ高齢者の医療を切り捨てる」という反撃がすでに出ている。このため両党の議論が険悪となり、感情的な対立までを高めるという危険もまた予告されている。

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