こんな記事を書きました。

 

 
【外信コラム】ポトマック通信 バージンロードは柔の道
2012年10月23日 産経新聞 東京朝刊 国際面

 秋日和の土曜日、柔道仲間のアベルとジーナの結婚式に招かれた。「ジョージタウン大学・ワシントン柔道クラブ」にもう数年、通っている2人はともにペルー系の米国人である。

2人ともカトリック教徒とあって、式はワシントン郊外の大きな教会で催された。神父も200人ほどの出席者の過半数もペルー系で、儀式はすべてスペイン語 だった。厳粛な音楽や賛美歌、聖書朗読、祈り、そして誓いの言葉と、式は複雑な手順を踏み、2人の信仰を反映するようだった。

新郎アベ ルはレストラン経営者、新婦ジーナは法律事務所の秘書で、ともに30代後半だが、出会いは十数年前のペルーでの柔道が契機だった。当時、軽量級のペルーの 覇者だったアベルがジーナを指導したが、その後、離れ離れとなり、ともに移民として定住したワシントンの柔道クラブで偶然に再会したという。その間、2人 とも最初の結婚と離婚を経たため、ワシントンでは同居をして慎重に相性をみきわめた末だった。

儀式の後は近くの公民館に場所を移し食事、音楽、ダンスと、ラテン系らしい明るいパーティーとなった。純白のドレスで最初のダンスを新郎と踊ったジーナは「私は柔道は少しも上手にならなかったけれど、こんな幸運を得ました」と、ほてった表情で語っていた。(古森義久)