中国の新型ステルス戦闘機J-31についての報告の続きです。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/category/jbpress

 

国際激流と日本

第5世代ステルス戦闘機を開発、
空でも日米を威嚇する中国

 

クリックすると新しいウィンドウで開きます

 

 

 

                             =====

  米国にとってさらに懸念材料なのは、中国側のステルス戦闘機のJ-20とJ-31とが米軍のF-22とF-35にそれぞれ似ていることだ。この両機 とも米空軍が誇るステルス戦闘機である。F-22は米軍がすでに2005年から配備を始め、F-35は2017年から本格配備が始まるとされる。いずれも 第5世代戦闘機とされ、米軍のこれからの主力戦闘機である。

 

 米側に懸念があるのは、この両機の設計図を、中国が2009年にコンピューターシステムへの侵入により盗んだという疑惑があるからだ。

尖閣諸島紛争にステルス戦闘機が登場する可能性も

 米国の安保、外交の調査分析機関「リグネット」が、中国のステルス戦闘機J-31について多角的に分析している。リグネットは米国中央情報局(CIA)のベテランたちが最近、創設した民間組織である。

 

 リグネットによる分析の趣旨は次のようなものだった。

 

・J-31の初飛行は、中国が技術的に容易ではないステルス戦闘機2種を同時に開発するという野心的な意図を示し、中国の軍事航空産業が急速な発展をしていることの例証となる。

 

・J-31自体は米軍のF-35への対抗機と見られるが、中国は航空機では年来の外国からの購入から自国製使用へとシフトして、米国のようにその製品を外国に売ることを真剣に考えている。そのためすでに180人乗りの旅客機「C919」の開発にも着手した。

 

・J-31初飛行は、中国の政治指導部交代の次期にそのデビューを宣伝することで、中国国民に対して自国への誇りをあおり、胡錦濤政権の実績を強調するという政治的な意味も強い。

 

・J-31の開発は、アジア地域の米国の同盟諸国や近隣諸国に対し、中国が米国に次ぐ強力な空軍力保有国となることを誇示する。その結果、近隣諸国との領有権やエネルギー資源開発の紛争では中国がその解決に軍事力をも使うという選択肢の存在を印象づける。

(つづく)