わが日本は中国との関係をどうすればよいのか。

 

答えはきわめて簡単のようです。

 

アメリカとの同盟のきずなを強くすればよい、という答えがここで提示されています。

 

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【朝刊 国際】


【緯度経度】ワシントン・古森義久 日米同盟強化は日中安定にも有益

 

 日中関係の悪化は米国からみるとどうなのか。日中関係には構造的に阻害要因が存在し、基本的な改善を当面、抑えたままとなる、という悲観的な分析が28日までに米国の国防大学から発表された。だがその最も有効な対策は日米同盟と日本の防衛の強化だという。

 

 沖縄県・尖閣諸島をめぐる日本と中国の対立は米国でも深刻な懸念を生むようになった。米国にとって日本は当然ながら安全保障条約上の同盟国である。いざ 日本が軍事攻撃を受ければ、米国は同盟パートナーとして支援する責務がある。その日本と中国との間に万が一にも軍事衝突が起きれば、米国はほぼ自動的に中 国との戦いに巻き込まれる。

 

 一方、米国にとって中国は数々の対立要因を抱えながらも、なお安定した関係を保ちたい大国である。その中国が日本と激突する事態はなんとか避けたいということになる。だから米国にとって日中関係の動向は重大な関心事となるわけだ。

 

 こんな認識を前提に米国防大学の「国家戦略研究所(INSS)」がまとめたのが「日中関係2005年から2010年」と題する分析報告である。同研究所 のジェームズ・プリシュタップ上級研究員が中心となって作成した。同研究員は米国歴代政権の国務、国防両省や議会で過去30年以上、日本や東アジアを対象 に政策研究を続けてきたベテラン専門家である。

 

 さて日中関係の現状や展望を分析した同報告はいまから2年前の10年までを総括しているが、その時期の状況は現在に酷似しており、しかも2年前の予測が現状をぴたりと当てている点がおもしろい。

 

 同報告は10年までの5年間の日中関係では経済が両国のきずなを強める一方、一連の「可燃性の高い政治的な課題」が存在してきた、と指摘する。その政治 的な課題とは尖閣諸島の主権をめぐる領有権紛争、中国の軍拡に起因する両国間の安全保障の懸念、歴史問題、政治的価値観の差などだという。そしてこれら要 素について総括する。

 

 「これらは日中関係に固有の爆発性を加味することになり、安定した関係の保持には日ごろからのこれら要素の注意深い管理が欠かせなくなる」

 報告はそうした要素の重要な一端として中国側の反日潮流についても述べる。

 

 「中国のナショナリズムの反日部分は中国指導部にはもろ刃の剣ともなる。反日はまず日本に対しての中国の道義的な優越性や中国共産党の統治の正当性を誇示するために利用される。他方、その広まりは日中の経済関係を傷つけ、共産党の統治自体への非難ともなりかねない」

 

 同報告はそして日中関係の将来を予測した。

 

 「尖閣などの領有権紛争は解決が難しく、日中関係全体を停止させるほどの潜在的な爆発性を有している。経済関係がいくらよくても、政治や安全保障の要因は日中2国間関係の全体を非常に険しくさせうる」

 

 米国や日本がとるべき対策について同報告は次のように述べるのだった。

 

 「北京と東京の関係を安定させるための出発点は日米同盟の強化である。日米同盟こそが過去50年もアジア太平洋だけでなくグローバルな安定を保つ支柱となってきたのだ」

 

 「自国の防衛を強化して安全保障を高めた日本は自信を強め、中国からの日米両国へのより多くの関与をも自信をもって効果的に引き出すことができる」

 

 日本の防衛や安保の強化はまさに安倍新政権の政策目標である。その政策に「右傾化」というレッテルを貼って反対する側は中国と日米両国へのかかわりの深化にも反対するということなのだろうか。

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