以下のようなレポートを書きました。
日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。
原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36991
国際激流と日本
北朝鮮奪取を目論む中国の野望
軍事介入で朝鮮半島の統一を阻止?
=========
もし北朝鮮が崩壊したらどうなるか。同じ朝鮮民族の政権である韓国が最も正当性のある存在としてその領土を継承し、朝鮮半島の統一を図るだろうという見解が、米国の外交政策筋の間ではこれまで有力だった。
しかし、現実には中国が韓国主導の統一を許さず全面的に介入する、という見通しが新たに打ち出され、ワシントンの政府や議会に波紋を広げ始めた。
中国は朝鮮半島の北部を歴史的に中国の支配圏に帰属すると見なしており、その領土拡張の野心的姿勢は、日本の尖閣諸島を奪取しようとする試みにも共通しているという。
北朝鮮崩壊への対応は米国歴代政権の政策課題
「中国が朝鮮半島統一を阻むだろう」――こんな見出しの記事がワシントン・ポスト(1月18日付)に掲載された。
この記事は、米国上院外交委員会が2012年12月末にまとめた報告の内容を伝えるものだった。同報告は「朝鮮半島の統一への中国の影響と米国上 院にとっての諸問題」と題され、北朝鮮が単に政権だけでなく国家自体が崩壊するというシナリオを仮定し、その場合の関連諸国、特に中国の対応を研究してい た。
同報告の主要な作成者は上院外交委員会の共和党側スタッフだが、報告自体は同委員会の公式リポートとして公表された。
米国の歴代政権が北朝鮮に対し、特に北側の核兵器開発を阻止することを最大目的として多角的な努力を続けてきたことは広く知られている。米側ではそのために官民の両方で北朝鮮の政権や政治、経済の状況を調査し、分析を続けてきた。
その多方面からの分析の中には、1つの可能性として「金政権の崩壊」あるいは「北朝鮮の国家の崩壊」が含まれてきた。
北朝鮮はカルト的な絶対支配者が独裁を振るう異様な国家である。国民は圧政に苦しめられ、人権の抑圧は非道を極める。国民の不満が爆発しても不思 議はない。そのうえに政府の経済政策が頻繁に破綻する。洪水やかんばつなどの天災で飢餓が襲う。だから米国側でも「北朝鮮はやがて必ず崩壊する」という予 測が繰り返し発せられてきた。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (9)
中国はチベット,ウイグル独立
中国共産党独裁体制終焉。
台湾の様に選挙で政権選択。
それは、韓国が北の核設備をそのまま引き継ぐ事です。
勿論アメリカを初め、国際的な非難が出るでしょうが、
我々では気づかないような「屁理屈」を付けて持ち続ける筈です。
それともこれは素人の考えで、『核不拡散条約(NPT)』を
適用すれば、簡単に防止出来るのでしょうか?
ただでさえ国内が騒乱としているのに、そこに新たな火種を自ら抱え込むようなことができるのかと。
今の体制に少し加わるだけという見方もできるんでしょうが、そういう簡単なことではないでしょう。
下手するとそれがきっかけで国内の他の問題に飛び火すっることもあり得ると思うんですよね。それこそチベットやウイグル辺りで火の手が上がらないとも言えないし、今衝突している東南アジア辺りでも新たな動きがあってもおかしくはないでしょう。
その意味ではすぐに動けるものではなく、動くそぶりを見せながら周りをけん制しつつ、有利な状況を作ろうとするのではないでしょうかね。ただし、その場合でも北朝鮮が思惑通りに動くかどうかも読めませんし。
とにかく混沌とした状況に拍車をかけることには違いありませんけど。その意味では支那周辺はこの先50年くらいはぐちゃぐちゃしそうな感じですけど。
北朝鮮が崩壊するのは無条件に好ましく、その混乱が短期に収拾されるならば何処が乗っ取ろうと構わないのですが、共産中国が乗っ取る展開が好ましいですねえ。流石に韓国が獲らない限り、速やかに被害者が還って来ないとう訳でもありますまいから。
共産中国が獲れば、韓国のみならず、ロシアも大いに緊張するでしょうから、北朝鮮が最前線、北東アジア三国志が展開するかも知れません。以夷制夷って奴ですな。
日本としては大いに潰しあって時間を無駄にして欲しいですねえ。
異様も異様、世界一に異様な国だろう、世界の「知性と良識のある健全な精神の人」は、名状しがたい國家に、驚きを禁じえない、だろう。
>国民は圧政に苦しめられ、人権の抑圧は非道を極める。国民の不満が爆発しても不思 議はない。
民主主義の全く無い国だ、それを「楽園の国」と、誰が云ったっけ。
>そのうえに政府の経済政策が頻繁に破綻する。
原爆やミサイルやサイバーテロを、作るのが面白くて、一生懸命なのだから、「人間の頭の働きには限度」があるから、そこまでは、注意も手も、回らないのだ。
>洪水やかんばつなどの天災で飢餓が襲う。
天災は日本ばかりではないのだ、中国の環境破壊は、朝鮮にも及ぶのだ。
>だから米国側でも「北朝鮮はやがて必ず崩壊する」という予 測が繰り返し発せられてきた。
なるほど、そうだろう、そう推論するのは、至極の判断である。
中共は即行動に移す事でしょうなあ。場合によっては金正恩粛正
って手段もとるやもしれんと。
中共傀儡を建てて事実上属国にすると言うシナリオも
決して笑い話とは言えますまい(^_^メ)
韓国に併合されても、北の地下資源開発による富は、チャイナに横取りされる。
韓国が北朝鮮を併合する場合に、併合のための財源を日本にたかってくる
かもしれませんが、日韓基本条約で、正当な李氏朝鮮の継承国家として、
北朝鮮の分まで経済援助をせしめている以上、日本は無視するしかりません。
まあ、領域警備法、スパイ防止法制定 憲法9条削除して、無視するしかないでしょう。
日本の核武装も検討するべき。
もし北朝鮮が崩壊すれば、どこが主導権をとるかはどこでも極秘に検討が重ねられていることでしょう。
特に中国共産党にとっては、北の崩壊は想像以上に大きなことです。自分と類似の共産独裁国家が崩壊するのですから。もしもその時北朝鮮を国連の管理下にでも置かれたら、間違いなく民主化の道を進まされることになります。これはカンボジアでも旧ユーゴでもどこでも同じでした。つまり、現在共産主義というイデオロギーはどこも統治原理として採用できないのです。
北朝鮮が仮に民主化すれば、隣接する朝鮮族自治区、満州地域(満州国時代を経験している)は激しく動揺することでしょう。それは中国全土やチベット、ウイグル地域にも波及することでしょう。ですから、中国共産党はなんとしても食い止めることを画策しているはずです。
現在北朝鮮レジームは中国共産党の支援を得るため、地下資源や港湾使用の権利などさまざまな特権を供与しています。ですから中国共産党はこれらの利権をてこにして、強く中国の支配権を主張するのではないでしょうか。逆に言えば現在中国が北の利権をあさり、北に物資の支援、レジームの保証を与えているのも将来を見越してのことだと考えられます。
一方で、韓国は民族の統一を口では望みながら、実際は統合によるコストに耐えられない思いから、北の崩壊は決して望んでいません。曲がりなりにも民主化が定着し四半世紀が過ぎましたから、統治における公平平等の原則を持っており、北地域のインフラ整備に莫大な予算が必要なことを理解しています。これが中国とは異なるところです。中国共産党なら建前の平等はあっても実際は差別と抑圧の社会ですから、社会インフラなどへの投資など何とも思っていません。
結局、その時は国連の主導の下に暫定統治が進められるべきなのですが、常任理事国の中国と話がつくかどうかのせめぎあいになるのでしょう。予想されるのは中国共産党が先に動き、北朝鮮の国土を制圧してしまうことではないでしょうか。
中国は昔朝貢していた地域は中国のものだと言っています。沖縄は中国のものだという主張もかつて朝貢していたことを理由にしています。その段で行けば朝鮮は楽浪郡、帯方郡以来ずっと中国の属国で、朝貢はおろか、戦争など有事が起こればいつも中国に軍隊の派遣などを要請してきました。実際朝鮮が中国のくびきからはずれ独立したのは日清戦争の後のことです。
本来昔朝貢していたから中国のものだという理屈は現在の国際社会では通用しない理屈のはずです。しかし中国は一方で巨大な利権を持っていることで北朝鮮支配の主導権を握れると考えていることでしょう。
北の崩壊はいつか予測できませんし、中国共産党は北を崩壊させたくないと思っているでしょうが、その時に備えて万全の準備をしていることはまず間違いありません。
日本も当然北の崩壊への備えを怠ってはなりません。逆に拉致被害者の救出は、北のレジームが崩壊しなければむずかしいのかも知れません。その意味でも日本こそ覚悟をもって対処するしかないのです。