在日米軍撤退論の紹介の最終回です。
ここではオバマ政権の「アジア最重視」政策や「アジアへの旋回」戦略への疑問が提起されたことを強調したいです。アメリカ側に懐疑があるのです。
日米同盟への熱意の欠如もその文脈で説明することが可能です。
日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。
原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37445
国際激流と日本
米国で囁かれ始めた在日米軍撤退論
「日本は米国の防衛負担を引き継ぐべきだ」
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共和党の下院議員とニューヨーク・タイムズは、大ざっぱに言えば、いまのアメリカでは典型的な保守とリベラルである。その両翼から、米国による日本防衛の縮小あるいは終結が唱えられたのだ。
オバマ政権の「アジアへの旋回」は言葉だけ?
ごく少数の極端な意見と言えるだろうが、共通するのはいまの米国の財政危機を主要な理由とする点と、日本の防衛はもう日本が自国で担えと求める点である。
膨れ上がる財政赤字を抑えるためにオバマ政権が進める政府予算の強制削減の最大の切り込み先が国防費となっている現実を見れば、理屈としてこんな主張が出てくることも不自然ではない。
中国の尖閣諸島への軍事威嚇を伴なう攻勢や北朝鮮の核とミサイルの脅威の切迫で、日本側でも国防の意識は高まっているように見える。しかし主体は あくまで日米同盟、つまり米国の軍事力への依存だろう。それが戦後の日本のあり方そのものなのだ。
だが米国のごく一部にせよ、米国は日本の防衛をもう負担 するなという声が出てきたことは知っておくべきである。自国の防衛は自国で、という提唱なのだ。
日本側ではオバマ政権の「アジアへの旋回」策で日米同盟も強化されるという認識がいま主流だろう。だがAEIでのこのセミナーでヘリテージ財団の アジア専門家ブルース・クリングナー研究員が「このアジア旋回策は言葉だけで、米軍の実際の強化措置はなにも取られていない」と指摘した。オバマ政権の 「アジア最重視」戦略への疑問だった。
その延長で見ていくと、オバマ政権が日米同盟を実はそれほどは重視していなかったという真実もやがてさらけ出されるのではないかという心配にふっと襲われた。
日米同盟の大きな曲がり角は意外とすぐそばまで来ているのかもしれない。
(終わり)
コメント
コメント一覧 (6)
日本に防衛努力を求めて、TPPで譲歩させる予定だろう。
思いやり予算カットして、その分、日本が防衛予算増やせばいいこと。
まずは、岩国、横田の航空管制権を自衛隊に移管しましょう。これで、アメリカへの思いやり予算も削減です。
横田はプライベートジェットか、アメリカ系航空会社の離発着に使わせて
貰いましょう。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130329/plc13032907580004-n1.htm
敵基地攻撃力は世界中のどの軍隊でも持っています。持っていない日本が異常なわけです。しかし、小川氏は、あたかもそれを持たないことが当たり前のように言い、敵基地攻撃力を持つためには米軍のような圧倒的な戦力がない、とか、アメリカは日本の敵基地攻撃力保持に反対である、などと主張しています。しかし、いつまでもそんなことを言っていたら、今回の記事にあるように、いつはしごをはずされるかわからないでしょう。
そもそも、アメリカにすべて任せればいい、アメリカは日本の防衛力強化に反対するに決まっている、などという言い草は、何が何でも自衛隊を弱体化しようという謀略だと考えるべきではないでしょうか。
アメリカは財政負担に耐え切れず、アジアからの撤退を模索しはじめた代わりに、日本が軍事的に自立することを認めようという動きが出てきた。それは日本にとっては大きなチャンスでもあるし、むしろ国家生存のために絶対に必要なことと言えるわけで、集団的自衛権や武器輸出とともに、敵基地攻撃力にしても、普通の国家なら当然持てる能力は絶対に持つべきではないでしょうか。核武装についても、準備だけは粛々と進めるべきです。
この件では小川さんが分が悪いようですね。
アメリカが日本を草刈場にしようとしている!?
なんだか謀略小説のテーマみたいですね。
どの国も自国の利益を追求するでしょうが、日本を徹底収奪することがアメリカの利益になるのでしょうか。
GHQの呪縛から逃れることは日本国民自身の責任と意思と能力による、ということだと思いますが。