人権弾圧のチャンピオンの中国が人権尊重の国際リーダー役を演じようとする。

 

これぞごく悪質のコメディです。

 

舞台は国連です。

 

国連の偽善性を証する出来事でもあるようです。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」から。

 

原文へのリンクは以下です。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39041

 

国際激流と日本

中国が世界の人権弾圧を監視する不条理「『国連人権理事会』理事国の資格なし」と人権団体が抗議

 

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  国連人権理事会側は、10月22日から中国に対して人権についての「普遍的定期審査」を始めた。この審査は国連の人権擁護のための「市民的および政治的権利に関する国際規約」(略称「自由権規約」)に署名した各国の人権状況を体系的に調べる作業である。

 

 ところが中国は大多数の諸国が署名し、批准したこの「自由権規約」に対し、署名は1998年にしたものの、批准は2013年のいまに至るまでして いない。世界の主要国でも人権擁護宣言ともなる「自由権規約」を批准していない国は珍しい。「中国人権」の声明はこの点にも言及していた。

「中国共産党の嘘に騙されてはいけない」

 「中国人権」が、上海在住の中国知識人218人を中心に中国内外の有志も含めて発表した声明の骨子は以下のようなものだった。

 

・私たち上海市民の有志218人は、中国が国連人権理事会の2014年から16年にかけての理事国になることに反対する。中国はすでに2006年から2013年まで2期、理事国となってきた。この間、中国の人権状況はいささかも改善されていない。

 

・中国の国民は恥ずべき人権環境の下であらゆる種類の苦しみに耐えてきた。1989年6月の天安門での虐殺以来、共産党は人権侵害を止めたことはな く、言論の自由、出版の自由、報道の自由、結社の自由、抗議の自由、信仰の自由などを国民から奪ってきた。共産党当局は、国民の恣意的な拘束、強制的な 「失踪」、強制的な自殺、強制的な居住施設破壊、土地収奪、強制的な産児制限、強制的な妊娠中絶、非合法の軟禁、不当な殴打、拷問、出入国の不当な禁止を 実行している。

 

・中国政府は国連の「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」(社会権規約)と「市民的および政治的権利に関する国際規約」(自由権規 約)の両方に署名したが、自由権規約はまだ批准していない。社会権規約についても、労働組合結成の権利を認めた第8条に対しては留保しており、労働者の自 主的な組合結成という基本的な権利は認めていない。自由権規約未批准だけでも中国は人権理事会入りの資格はない。

 

・私たちは国連加盟のすべての諸国に、中国共産党の嘘に騙されないことを訴える。諸国が目の前の経済的利益を欲して中国共産党を賞賛することのない よう緊急に訴える。諸国が中国当局を世界人権宣言や国際人権規約の基準で判断し、自国民の人権をあらゆる場面で侵害するこの独裁専制の政権に対し、中国国 民とともに勇気を持ってノーと告げることを訴える。

    (つづく)