中国政府による外国の書籍の翻訳版発行の際の検閲についてです。

 

 中国ではそもそも1989年6月に起きた天安門事件の虐殺についても国民一般は知らされていないという異様な状態が存在するようです。その事件に触れた外国の本が入ってくると、ほとんどの記述は削除されてしまうらしいのです。

 

 なんともひどい国ではありませんか。

 

日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。

 

原文へのリンクは以下です。

 

 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39218

国際激流と日本

中国当局の検閲を受け入れた
あの世界的ベストセラーの著者

 

 

 

                                  ======

 それを受けて、ニューヨーク・タイムズは10月15日の「著者が中国での自書販売のために検閲者の規則を受け入れる」という見出しの長文記事でボーゲル氏の態度を批判した。

 

 同記事やその他の関係者の証言によると、中国語版で削除されたのは、1989年6月の天安門事件に関する多くの事実関係の記述、鄧小平氏が天安門 事件での虐殺の報告を受け、明らかに取り乱した様子を見せたという記述、毛沢東やその他の中国共産党指導者への「被害妄想」とか「執念深い」という否定的 な描写などである。

 

 同書の中国語版は、2013年10月までに中国国内で合計65万部ほどを売るベストセラーとなった。同氏自身、その理由の1つとして「中国の一般 国民はそれまで天安門事件の事実関係を当局からまったく知らされていなかった。私の書ではその事実関係の大枠を記しており、初めて同事件の説明になったか らだろう」と説明している。

 

 しかし天安門事件については、同書の原本の記述の多くがなお削除されていたのである。

「何も知らせないよりはマシ」と反論

 ボーゲル氏自身は中国の検閲を受け入れたことへの批判に対し、ニューヨーク・タイムズへの投稿で反論を述べた。

 

 「私の本の中国版は、全体の10%ほどが削除されることが事前に分かっていた。しかし、なお90%を知らせることはゼロよりはずっとましだと判断した。特に天安門事件について、それまでなにも説得力のある説明を聞いていなかった中国国民へのプラスは特に大きいと思った。

 

 利益のために言論の自由への抑圧を受け入れたという批判があるが、私は中国語版の印税をすべて母校のオハイオ・ウェスレアン大学に寄付することを強調したい」

 

 ボーゲル氏の著者としての反論は以上のようなものだった。

 

 だが、米国内ではボーゲル氏への批判は絶えていない。

 

 米中両国の政治体制の大きな違いを期せずして照らし出した1つの出来事であり、中国への対処の難しさを改めて提起したとも言えよう。

(終わり)