東アジアでの米中両国海軍のパワー比較です。
この比較も歴史をさかのぼることが必要です。
日本ビジネスプレス「国際激流と日本」からです。
原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39528
国際激流と日本
もはや目の前? 中国海軍が米海軍と肩を並べる日 局地戦ではすでに優位な状況も
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1996年3月の台湾の総統選挙に先立って、中国は独立志向の李登輝氏が選挙で勝利することに反感を示し、ミサイル発射などの軍事演習の実施に よって台湾を威圧した。
米国の当時のクリントン政権は中国の軍事威嚇の停止を求めたが、応じなかったため、空母2隻を台湾近海へと急派した。当時の中国軍 はその動きに対してなんの対抗措置も抑止措置も取ることができず、あっさりと台湾周辺での軍事演習を止めてしまった。これは中国にとっては極めて屈辱的な 事態だった。
だが当時の中国海軍は米海軍の空母に対してまったくの無力だったのだ。中国海軍の大幅増強はこの事件が契機の一端だったとも言われる。その時期から大規模な海軍力の強化が始まったのだ。
そんな経緯を経て、中国海軍はいまでは堂々たる「遠洋海軍」となった。最近では中国の潜水艦が米軍の空母の至近海域で突如探知され、米側に脅威を 与えたり、中国の漁船が米側の音響観測船の調査活動を妨害したり、という事件も起きている。
東アジア海域でそれまで圧倒的な優位を誇ってきた米海軍に、中 国海軍が挑戦するような動きが目立ってきたのである。そのクライマックスがこの12月の米海軍イージス艦への中国艦の阻止行動だったとも言えるのだ。
戦闘能力の質はまだまだ米海軍が上
こうした現状を踏まえ、ワシントンの国際安全保障研究機関「リグネット」が12月下旬、東アジア海域での米中海軍力を比較する分析報告を公表した。日本の海洋安全保障にも直接の影響がある重要な課題である。以下、その要点を紹介しよう。
・中国海軍は現在、空母や潜水艦、小艦艇以外の戦闘用水上艦艇合計75隻を保有している。そのうち45隻がフリゲート艦、22隻が駆逐艦、8隻がコ ルベット艦で、大多数が実戦配備されているが、そのほとんどは米海軍の水上艦艇の能力より劣っており、伝統的な艦砲を装備しているだけだ。ただし一部には 対艦ミサイルを搭載している。
・だが、中国海軍は長年、続けてきた大幅な近代化をなお進めており、新鋭の駆逐艦やフリゲート艦は敵のレーダーをかわすステルス機能を有し、搭載火砲や対空システムも改善された。新鋭の魚雷や対潜ロケット、対艦巡航ミサイルなども新たに装備されるようになった。
さて、以上のような中国海軍の状況に対し、米国海軍はどうなのか。「リグネット」報告を見よう。
(つづく)
コメント
コメント一覧 (3)
>そんな経緯を経て、中国海軍はいまでは堂々たる「遠洋海軍」となった。
中国共産党海軍(軍は党の下部組織)は今やアメリカに対抗できるほどの規模を持つようになり、まだまだ軍拡の勢いは止まらないという情勢です。
それでも多数の日本の新聞は、日本は軍拡競争に巻き込まれるな、東アジアの不安要因になるななど問題は日本にだけあるかのような書き方なんですね。特定秘密保護法の議論においてもさんざんデマを流し続けました。
それは、70年代頃からの共産主義国の軍拡は平和的台頭、防衛的軍拡などと、極めて好意的に扱って来ましたが、その流れが今も健在だという現われなんでしょうか。さらに価値観を同じくする隣の韓国まで懸念を示しているという情緒的かつトンチンカンな記述をしています。大体韓国は朱子学的思い込みでしか思考できない(韓国は常に正義、日本は常に悪、中国には弱い)ため、いつも時代と乖離した行動をとるのですから本当に気をつけなければなりません。
朝日、毎日、共同などが日本を悪く言う前になぜ中国の軍拡の恐怖を真正面から見つめようとしないのかは本当に不思議です。まるで東京裁判史観のように日本さえ何もしなければ安全と平和は来るのだとか、日本国憲法前文のように日本以外はすべて平和を愛する国だというのが、虚構だと分かっていないかのようです。ならばそれは中国共産党の主張と全く同じだということになるのです。
戦後国際秩序(連合国による既得権)を利用して中国共産党の軍拡がどんどん大きくなり、尖閣も日本悪玉論を悪用して奪取を狙っているというのがどうして見えないのでしょうか。元々中国共産党は連合国側でもなんでもありませんでしたから、中国共産党の論理は本来筋違いでもあります。
虚心に歴史を見れば、中国共産党は戦後チベット、東トルキスタン、内モンゴル、満州を武力で植民地にし、さらにインド、ベトナムなどの周辺国と戦争を繰り返し、台湾を武力併合しようとしてきたのです。そして国内では人民に政治的自由はなく、批判的発言は国家反逆在で即逮捕という恐怖社会でもあるのです。人類が否定した帝国主義、植民地主義で拡張し、人類が獲得した基本的人権、民主主義、言論の自由などを否定しているのです。
現実の国際政治は実力の裏付けがなければ、力を発揮しません。ですから抑止力がなければ発言は全く無力です。中国共産党が日本の忠告を聞いたことがあるでしょうか。中国の軍拡を止めさせ、脅威を減らすには日米それにASEANインドなどが協力した抑止力の裏付けが必要なのです。
素人にもわかるこういう現実が見えない、朝日などのマスコミこそ戦争勢力だと言う他ありません。
アジアでの中国の大軍拡の脅威も日本の安全保障にはなんの関係もないかのごとくに報道や論評を続ける日本の大手新聞の存在には、本当に首をかしげます。